-第44-気づかない力量の差
「ふむ……せっかちさんだね、ではこちらも動こう、行け」
男性に言われたモンスターはリナリア目がけ走る
その姿は『フレイム・ハウンド』
一般的に体は赤く、犬のような外見だが、口から火を吐くことができる
しかし、性能的な物は犬の強化型なのか強くはない
だが……このフレイム・ハウンドの足の速さは普通の者よりも速い
「悪いけど、通さないわよ」
リーナは拳を伸ばすがそれを盾を持ったスケルトンが受け止める
まるでハウンドを守るように前に立ち、道を開けさせる
それを感じたハウンドはリーナの横を通り、リナリアに飛び込む
しかし……そんなハウンドにリーナの口は細く微笑んでいる
「……残念ながら初動ミスね、ライトニング・バインド」
雷の茨が円状になり、ハウンドを閉じ込めゆっくりとその円が小さくなる
その中で暴れるハウンドが茨に触るとビリビリと雷が走る
「これはこれは……まぁ、あと3匹いるから問題はないな」
そう男が言った直後、男の足元にスケルトンの首が転がってくる
その方向へ男が眼をやると頭を片手1本で吹き飛ばしたリーナが手を払っている
「あーもぅ……骨なんか触りたくないわよ」
「……ふむ、それならば私の最高傑作が相手をしよう
行け、キメラ・ブレイカー、テイマー・グラッジ」
『キメラ・ブレイカー』
一般的なキメラ、体はライオン、尻尾は蛇
だが、このキメラはグリフォンの翼は悪魔の羽
尻尾はドラゴンの尻尾と異端を放っている
『テイマーグラッジ』
背は小さく普段は飼いならした魔物の上に乗り、その強化を図る魔物
だが、このグラッジは魔物に乗りはするが、強化を図らず攻撃魔法を放つ
「へぇ……面白いそう」
「リーナ、微笑んでないでやるわよ、ロイ様を待たせたくないから」
「はいはい……上のチビはあんたに任せるわよ」
「いいわよ、ああ……キメラみたいなのを吹き飛ばしてくれるといいんだけど」
「私は怪力じゃないわよ、まぁ……援護はよろしくね、リナリア」
「良いから行きなさい」
そう言うとリナリアは詠唱に入る
それを確認した後、リーナはキメラに飛び込む
しかし、キメラは尻尾を振り、テイマーは初級魔法を放ち、けん制する
「うざいわよ……じゃあここは……私も魔法を」
リーナはそう言いながら距離を取ると両手を握り拳と拳を合わせる
周囲に蒼いオーラーが包み込む
だが、そんなリーナに警戒せずキメラは尻尾を振る
しかし……その尻尾をリーナは両手で包むと持ち上げる
「……フレイム・スマッシャー!」
持ち上げた炎の塊をキメラに直撃させるとリナリアはリーナに言う
『やっぱり、怪力ね』と、それにリーナは『違うわよ』と言いながらキメラを投げ
転がったテイマーを拾い上げるとそれをおもいっきり殴る
そして、転がった2人はそのまま動かなくなる
「……君達は一体」
「さぁね、取りあえずここから出してくれる?」
そう言いながらリーナは笑顔で男の首元を掴み持ち上げる
すると男は微笑むながらリーナに言う
「も、もちろん……ただ、私を殺さないと出れない……」
「あっそ、じゃあ死んで」
その言葉に男は何かを言おうとしたが、時は既に遅く
男の腹に大きな空洞が開いている
「……少しは待ってあげればいいのに」
「嫌よ、気持ち悪い」
そういった直後、リナリア達は元の場所に飛ばされ尻餅を付く
だが、下にクッションが合ったのかお尻が痛くはない
「あら……ここはさっきのところ」
「ええ、戻って来たみたいね」
「……戻って来たのはいいけど、2人共、お尻でロイを潰してるよ」
「え?!」
「あら、ごめんなさい」
2人は慌ててその場を退くとロイは体を起こし体を払う
だが、何も言わず……2人に話かける
「先を急ぐぞ、さっきの反対側の道を行けばいけるはずだ」
「は、はい!」
「了解」
ロイは歩きだすと他の面々はその後ろへ続く中
ロイは1人、心の中で思う
『あそこで重いと言ったら2人に殺されるな
……言わなくてよかった』
そしてロイ達が分かれ道から反対側の道を進むと階段があり
それを登り終えた時、目の前に驚きの光景が広がっていた




