俺と弁当と生徒会長
・characters
・涼風 綾
・椛崎 倖十音
・天屯 依利香
・涼風 莉子
・佐々木 洋平
・柊 秋香
・紅ヶ崎 姫雅
各話出てこない人物と出てくる人物がいます。
ホームルーム終了後、4時限分の授業を終えて昼ごはんの時間だ....そこに椛崎さんが話しかけてくる。
「あ、あの綾さん....その、少しよろしいでしょうか....?」
「ん? うん、いいけど....?」
「え、えっとよろしければ一緒にお昼ご飯を食べませんか?」
椛崎さんが誘ってくれているのだ断る理由もなくお誘いを承諾する。
「はい、もちろんですよ椛崎さん」
「えっと、出来れば、その、苗字じゃなくて下の名前で呼んでもらっても構いませんか?」
「え? あぁ、はいそれじゃあ....こ、倖十音....さん」
「は、はぅ!? 」
「こ、倖十音さん!?」
名前を呼ぶとその場にふらりと倒れてしまう。
「倖十音さん....大丈夫ですか?」
倒れてしまった倖十音さんに手を差し伸べて声をかける。
「だ、大丈夫です....私としたことが....すみません」
「いえいえ、そうだお昼ごはん食べるんでしたよね? そうだ、天屯さんも誘ってきますね!」
俺は天屯さんの方へと歩いていく。
「えっ、依利香も....ですか....」
(二人で食べようと思ってたのに....)
「あの、天屯さん?」
「ふぇ!? り、綾くん!ど、どうしたの?」
「いや、倖十音さんとお昼ごはんを食べるのですが、天屯さんも一緒にどうかなって....?」
「え....? あ、うん!もちろん一緒に食べるよッ!」
(倖十音も一緒なのね....負ける訳には....)
すると天屯さんが。
「綾くん、倖十音の事、名前で呼んでるんだね....」
「あぁ、今さっきそれで良いって倖十音さんが」
「....えっと!り、綾くん....私のことも名前で呼んで....良いよ....えっと、依利香で良いよ」
「あ、うん良いのであれば呼ばせてもらおうかな....えっと、依利香....?」
何故だろう? さん付けで無いからだろうか倖十音さんを呼ぶときとは違う感じがする。
お昼を食べるために俺達三人は屋上のベンチへと移動した。
すると倖十音さんがお弁当を取り出す....。
「うおっ!? 何だこれッ!?」
倖十音さんが取り出した豪華幕の内弁当に驚いてしまう。一段一段に美味しそうな料理が並んでいる。
「こ、これは....凄いな....」
俺が驚いていると倖十音さんが。
「ふふっ、全部手作りなんですよ。綾さんどうぞ....はい、あーんです」
倖十音さんが、あーんと卵焼きを箸で挟んで俺の口元へ持ってくる。
「ちょ、ちょっと....倖十音さん?」
「ほら、あーんですって綾さん」
「えっと....あ、あーん」
なんだかとても恥ずかしい....。
「どうですか? 美味しい....ですか?」
「あぁ、味付けも丁度良くて美味しいです」
「本当ですかっ! 嬉しいですっ、これから毎日作ってきますねっ!」
本当に毎日作ってくるつもりなのだろうか....さすがに申し訳ないと思い。
「いや、たまにで良いですよ、たまにで」
「そうですか....でしたら週に二日、火曜日と木曜日に作ってきますねっ!」
続いて横から依利香が。
「倖十音ばっかりズルいッ! ほらっ、綾くんあーんっ!」
「え、依利香まで....」
次から次へと料理を飲み込む前に口へ運んでくるため....。
「ちょっと....もう....無理....」
「綾くん!?」「綾さん!?」
俺は倒れてしまった....少し休んでいると....。
「あらあら、何をしていますの?」
声がした、依利香でもなく倖十音さんでもない。
この学校の生徒会長、紅ヶ崎姫雅さんだった。
「会長さん、お久しぶりです」
「あら、誰かと思えば涼風さんじゃないですの。 お久しぶりですわ」
生徒会....俺は去年まで生徒会に入っていたのだ、今年は入るかどうかは分からないが会長さんと顔見知りなのはその為である。
会長さんは依利香と倖十音さんの間にいる俺を見ると。
「お邪魔してしまった様ですわね、その様な事は節度を持って行って下さいね」
「会長さん、今なんかとんでもない勘違いをしてないですかっ!?」
「ふふっ、あと涼風さん帰りに生徒会室に寄って下さいます?」
「はい....? 良いですけど」
会長さんはそういうと歩いて行ってしまった。
「そうだっ! 綾くん今日一緒に帰ろっ!」
「あっ! ズルいですよ依利香ッ! 綾さん私もご一緒して良いですか?」
「別に....構わないけど?」
こんなに可愛い子に、一緒に帰ろうなんて言われたら普通であれば好きになってしまうかもしれないが....今は状況が違う、二人だという事だなんだか複雑な気持ちだ....。
一緒に帰る約束をした俺は二人と一緒に教室へと戻った。
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久しぶりに更新出来ました。