ガールズクロスライン 最終話 夢と現の輪郭
街角に差し込む朝の光と、夜空にきらめく花火の残像がひとつに重なって見えた。
通りを行き交う人々の声は確かな現実の響きなのに、その向こうには幻想の街並みが透けて広がっている。
彼女は微笑み、まるで両方の世界を抱きしめるように立ち止まった。街は覚えている。
ここで笑った声も、流した涙も、夢の続きを願った瞬間も。
「この街が私たちの記憶を抱きとめてくれるなら──夢は終わらない」
その言葉に応えるように、街全体がやわらかく瞬き、現と夢の境界が輪郭をなくして溶け合っていった。
そして彼女は振り返る。まだ見ぬ道の先へ続く光が、次の物語の扉を静かに開こうとしていた。
ここまで『ガールズクロスライン』を読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。
朝と夜、現実と幻想を往復しながら紡いできた物語は、皆さまの応援や温かい声に支えられて完成へと辿り着きました。
少女たちが見つめてきた夢と現の景色は、きっと読んでくださった一人ひとりの心の中にも重なって残っていると思います。
そして物語は終わりではなく、新しい始まりへとつながっていきます。
これからも、また次の世界でお会いできますように。
心からの感謝を込めて。
エル




