New Beginning
そこは大きな、とても大きな広さを誇る洞窟のような、それでいて所々が人工的な造りのされてある空間であった。
そこかしこに見受けられる巨大な柱は、見上げただけでは測ることのできないほどの高さを持つこの場所を支えているのだろう。
こつ、こつ、、
その場所にひときわ目立つ形で存在を放っているらせん状の階段(のように見えるだけかもしれなかったが)を、誰か、いや、何かしらの存在が、ゆっくりと上へ上へ登っていく。
“それ”は人間の、女性のような姿をしていた。羽織っていた服装のせいだろうか、黒いローブで身を包んでいる“それ”の姿かたちは、確かに人間のように見えなくはなかったが、しかし明らかに人ではない何かであることを見る者には感じさせる。
こつ、こつ、、
どこまでも続いているかに見える螺旋階段を、その存在は静かに、そしてゆっくりとのぼって行く。
しばらくすると、ようやくその階段に終わりが見え始める。
階段の終わりには、これまた巨大な空間、踊り場というよりはホールとでもいうべき場所となっていた。
そしてそのホールに、悠然と存在しているものがある。
“…名を持つ、魔王よ。ここへ、何しに来た”
そこに存在していたそれは、あまりにも巨大な龍。紅色の鱗で覆われたその巨大な龍は、山一つ分ありそうなほどの体躯を誇っており、口から漏れ出すその声のような音は、生物に直接訴えかける作用がある。
「我が名はサイハ」
紅の龍に、“それ”は応える。
「“最後の魔王”に成らんとするものだ」
紅龍の瞳に、魔王が映る。




