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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
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群がる恐怖

ドゥラン高校の裏路地で、グラシアとモルアはティール色のツインテールをしたぽっちゃりした謎の少女と対峙していた。


彼女はモルアに悪魔だと指摘されると笑い出した。


キャンディス(笑いながら):「ふはははは!」


モルア:「何がおかしい!?」


キャンディス(明るく):「あーっ、バレちゃったか~。ごめんね~。まさかこんなに早く見つかるとは思わなかったわ……さすが噂のスレイヤーズね」


グラシア(真剣に):「私たちのことを知っていたの?」


キャンディス(落ち着いて):「ええ~。むしろ感謝してるわよ! あの頑固なコウモリ野郎のスヴェグストを倒してくれたんだもの!」


モルア(にやりと):「ほお~。珍しいわね!まさか悪魔のあんたがそんな感情を抱くなんて!」


キャンディス(おどけて):「本気よ! あいつが近くにいると本当に鬱陶しいんだから! 思い出しただけで食欲がなくなるわ! うえっ!」


グラシア(鋭く):「やっぱりあんたも……セブン・シンズの一人ね」


キャンディスの鋭い推測を聞いて、彼女はグラシアの方を向いた。


キャンディス(手を叩いて):「大正解よ!! 100点あげちゃう!」


彼女は一歩前に出て、スカートの裾を少し持ち上げてお辞儀をした。


キャンディス:「改めて自己紹介させてね! 私はデス・キングの忠実な部下、セブン・シンズの一人! 唯一無二の『暴食の罪』キャンディス・ラヴミントよ!!」


自己紹介を終えると、彼女の周りの空気が一気に重くなった。


グラシア(驚き):「これは……!? 存在感だけでこんな圧力……!」


しかしスヴェグストと至近戦を経験したことのあるモルアは、ほとんど動じていない様子だった。


モルア(笑みを浮かべて):「この感じ……あんたは本物みたいわね! よし! これは面白くなってきたぞ!」 *拳を合わせる


キャンディス(不気味に微笑んで):「さあ、そろそろ遊び始めましょうか?」


彼女は突然両手を掲げ、手の上に暗黒の魔力が集まり始めた。


モルア:「グラシア!」


グラシア:「ええ! タイムレス・ドメイン!!」


裏路地全体を凍てついた領域が覆い、変装した悪魔を時間の牢獄に閉じ込めた。


キャンディス(興奮して):「わあ!! これは何? 面白い!」


グラシア:「今よ、モルア!」


モルア:「まかせろ! 斬鳳凰蹴!!」


彼女は強力な空中蹴りを放ち、キャンディスに向かって飛びかかった。


キャンディス(慌てて):「わあ! 怖い怖い! 助けて~!!」


モルアの蹴りが着弾する直前——


キャンディス(おどけて):「なんてね~! てへっ! ;p」


手に集めた暗黒魔力が輝き、彼女は叫んだ。


キャンディス(叫んで):「来て! 私の可愛いパートナー、ベルザちゃん!!」


突然、空から巨大なハエのような怪物が現れ、モルアの蹴りを容易く受け止めた。


モルア(驚き):「なっ!?」


グラシア:「下がって、モルア!! アイス・プリズン!!」


キャンディス(驚き):「すごい!」


ぽっちゃりした体型にもかかわらず、彼女は素早く後ろに跳んでグラシアの魔法を回避した。


アイス・プリズンが巨大ハエの怪物を閉じ込めた。


モルア:「効いたか!?」


しかし数秒後、氷に亀裂が入り——


*バキバキ!!


巨大ハエの怪物は容易くアイス・プリズンを破壊して脱出した。


グラシア:「ちっ! 厄介ね!!」


キャンディス:「さすが私の可愛いベルザちゃん!! さあ、あの二人を消し去って!!」


ベルザ:「はい……キャンディス様……」


モルア(嫌悪感たっぷりに):「げっ!喋った!?」


グラシア(叫んで):「モルア! 上よ!!」


突然、彼女の頭上に大量のハエの群れが集まってきた。


モルア:「なにっ——!?」


ベルザ:「死ね……ハングリー・スウォーム!!」


ハエの群れがモルアに向かって降下し、地面に激突して爆発した。


グラシア(慌てて):「モルア!?」


すると彼女の隣に、モルアが無事に立っていた。


モルア(笑いながら):「何だよその顔? こんな安いトリックが私に効くと思ったのか、グラシ?」


モルアは最後の瞬間に瞬歩を使い、攻撃を回避していた。


キャンディス:「なかなかやるじゃない! でもどこまで続けられるかしら?」


ハエの群れがますます厚く、激しくなっていく。さらに攻撃を続けようとしていた。


モルア:「グラシア! 私がこのハエどもを引きつける! あんたは魔法を使ってこいつらをなんとかしてくれ!」


グラシア(叫んで):「待って、モルア! それは危険すぎるわ! 今は作戦を——」


モルア(笑みを浮かべて):「任せたぞ! セルレアンの姫!!」


迷いなく、モルアは囮として前方へ突進した。


グラシア:「ちっ! 仕方ないわね! フロスト・アーマー!!」


ハエの群れがモルアを包囲した瞬間、彼女の体が蒼い魔力の障壁で覆われ、周囲の全てを凍てつかせた。


モルア:「すげえなこれ! まさか新技か、グラシア!?」


グラシア(にやりと):「まあね……」


彼女は以前、バイオレット城でレミアと戦った時は海の鎧を思い出した。


グラシア:「そのハエどもをしっかり引きつけておいて、モルア!」


モルア:「おおよ!」


モルアは巨大ハエの怪物ベルザに向かって走り、真正面から挑んだ。


ベルザ:「愚かものめ……ハングリー・ハンズ!!」


巨大な虫は四本の腕を使ってモルアを攻撃した。


モルアはにやりと笑い、両手に刃を構えた。


モルア:「ミリオン・スラッシュ!!」


素早い連撃で、ベルザの片腕を切り落とし、周囲のハエの群れを薙ぎ払った。


ベルザ(心の中で):私の万華鏡の目でも、全部は避けられない……!?


キャンディス(驚愕):「大変!! 私の可愛いベルザちゃんが!!」


ベルザ(苦痛に):「ちっ!! 生意気な人間どもが! くらえ、ハングリースウォームズ!!」


巨大ハエの怪物はさらに大量のハエの群れを召喚した。


グラシア(叫んで):「今よ! 下がって、モルア!」


モルア:「了解!!」


モルアが下がった瞬間、グラシアが魔法を放った。


グラシア:「凍りつけ、虫どもめ! ブリザード!!」


吹雪の嵐がハエの群れとベルザに向かって襲いかかり、凍てつかせた。


ベルザ(驚愕):「馬鹿な……!?」


キャンディス:「そんな! 負けないで、ベルザちゃん!!」


巨大ハエが凍りついたところで、モルアが飛び込みトドメを刺した。


モルア:「くらえ! 吠える虎拳!!」


*ドオオオオン!!


白い虎の幻影が輝き、モルアはベルザに強烈な一撃を叩き込んだ。


巨大ハエの怪物は倒れた。キャンディスは愛する子が大ダメージを受けたのを見て息を飲んだ。


キャンディス(叫んで):「この老いぼれババア!! 私の子を傷つけた罪は重いわよ!!」


『老いぼれババア』という言葉を聞いて、モルアがキレた。


モルア(暗く):「はあ……老いぼれババアだと!? グラシア……あいつは私一人で相手する、じゃまさないでくれ!」


グラシア(驚き):「待って、モルア!! そんな挑発に乗っちゃダメよ!!」


警告を無視して、モルアは怒りに任せて突進した。


グラシア(顔を覆って):「これはまずいわね……」


モルアは瞬歩でキャンディスに接近したが、突然キャンディスが後ろに跳んで飛び上がった。


彼女の背中から美しい蝶の羽が広がり、頭には触角のような角が生えた、まるで妖精のように。


キャンディス(得意げに):「まさかここまで私を追い詰めるとはね。褒めてあげるわ!」


モルア(嘲るように):「それがお前の本当の姿か? 笑わせるぜ! 太った女が妖精の羽なんて!?」


『太った』という言葉を聞いて、キャンディスは激昂した。


キャンディス(怒って):「私を太ってるなんて言うの!? この老いぼれババア!!」


モルア(激怒):「私は二十歳そこそこで体は引き締まってるぞ! お前みたいな醜いデブとは違って、アスレチック・ビュートィだ!!」


モルアは彼女が素早く羽で飛び回るのを追いかけ続けた。


キャンディス:「老いぼれババア! 老いぼれババア! 老いぼれババア!!」


モルア:「デブ! デブ! デブ!!」


グラシア(ため息):「……小学生かよ、あの二人」


一方、ショッピングモールに向かう途中、エリセナと一緒に全力で走りながら、スマホでスタジアムの映像を確認していた。


エリセナ:「あとどれくらい時間あるの、アストン!?」


アストン:「三分くらい! でもショッピングモールに着いたばかりだ! このままじゃみんなが——」


突然、画面上の死の時計が止まった。


アストン(驚き):「時計が止まった!?」


エリセナ(嬉しそうに):「本当!? よかった!」


するとリシテアから電話がかかってきた。


リシテア:「アストン! グラシアとモルアが今、悪魔の一体と戦ってるわ! どうやらスヴェグストと同じ、セブン・シンズの一人らしい!」


アストン(心配して):「なんだって!? でもそんな危険な悪魔を二人だけで大丈夫なのか!?」


リシテア:「心配しないで。今のところ優勢よ。あなたとエリスナはもう一体に集中して!」


アストン:「了解!」


通話が切れた。


アストン:「グラシアと師匠がもう一体を相手にしてる! あのおかげで死の時計が止まったみたいだ!」


エリセナ:「さすがわね!グラシアとモルアさんは! このチャンスを逃しませんよ!さあ、 もっとスピード上げましょう!」


アストン:「え? どういう意味?」


彼女は突然炎の魔法で浮かび上がり、僕の腕を引いた。


エリセナ(興奮して):「さあ行くよ、アストン! 空へ、そしてその先へ!!」


アストン(慌てて):「待って! エリ! 危ないって! うわああああ!!!」


エリセナは僕を連れて空を飛び、できるだけ早くショッピングモールの屋上を目指した。


場面は裏路地の戦いに戻る。キャンディスは飛び回って疲れ果て、休憩を取っていた。


キャンディス(息を切らして):「はあ……はあ……もう動けない……」


モルアはようやく彼女に追いつき、拳を握りしめて近づいた。


モルア(暗く微笑んで):「捕まえたぞ、デブ! またその言葉を吐いてみろ?」


キャンディス(慌てて):「ひゃあっ! やめて!! 暴力は禁止よ!!」


すると突然、巨大ハエの怪物ベルザが再び起き上がった。


モルア&グラシア:「なにっ!?」


キャンディス(誇らしげに):「いい子ね、私の可愛いベルザちゃん!」


モルアが気を取られた隙に、キャンディスは素早く飛び、ベルザに向かった。


ベルザ:「キャンディス様……申し訳ありません」


キャンディス:「大丈夫よ、 ベルちゃん! これからは一緒に戦いましょう!」


ベルザ:「はい……キャンディス様!」


キャンディスは全身から暗黒魔力を放ち、ベルザに注ぎ込んだ。ベルザは真の昆虫人間形態へと変身し、魔力が大幅に上昇。切断された腕も再生した。


ほぼ全ての魔力を愛するペットに貸したキャンディスは、体がスリムになりグラマラスなスタイルになった。砂時計のようなボディラインが露わになる。


グラシア:「なんて凄まじい魔力……! モルア! 私たちは——」


すると突然、キャンディスが叫んだ。


キャンディス(自慢げに):「さあ老いぼれババア! これが私たちの真の姿よ! どう? とても美しいでしょ? あなたみたいな筋肉ムキムキの老いぼれババアとは違うわ! 私たちは美の体現者よ!! ふははは!!」


ベルザ(照れながら):「私も今は美しいですか? キャンディス様?」


キャンディス(誇らしげに):「もちろんよ、私の可愛くて美しいベルザちゃん!」


ベルザ(微笑んで):「光栄です、キャンディス様!」


完全にキレたモルアは冷静さを失い、怒りに目がくらんだ。


モルア(暗く):「虫女め……てめえをぶっ殺す!!」


グラシア:「行っちゃダメ! モルア!!」


モルアは怒りに任せてベルザとキャンディスに向かって突進した。悪魔処刑者の本能が再び目覚めていた。


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第76章 群がる恐怖 終

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