群がる恐怖
ドゥラン高校の裏路地で、グラシアとモルアはティール色のツインテールをしたぽっちゃりした謎の少女と対峙していた。
彼女はモルアに悪魔だと指摘されると笑い出した。
キャンディス(笑いながら):「ふはははは!」
モルア:「何がおかしい!?」
キャンディス(明るく):「あーっ、バレちゃったか~。ごめんね~。まさかこんなに早く見つかるとは思わなかったわ……さすが噂のスレイヤーズね」
グラシア(真剣に):「私たちのことを知っていたの?」
キャンディス(落ち着いて):「ええ~。むしろ感謝してるわよ! あの頑固なコウモリ野郎のスヴェグストを倒してくれたんだもの!」
モルア(にやりと):「ほお~。珍しいわね!まさか悪魔のあんたがそんな感情を抱くなんて!」
キャンディス(おどけて):「本気よ! あいつが近くにいると本当に鬱陶しいんだから! 思い出しただけで食欲がなくなるわ! うえっ!」
グラシア(鋭く):「やっぱりあんたも……セブン・シンズの一人ね」
キャンディスの鋭い推測を聞いて、彼女はグラシアの方を向いた。
キャンディス(手を叩いて):「大正解よ!! 100点あげちゃう!」
彼女は一歩前に出て、スカートの裾を少し持ち上げてお辞儀をした。
キャンディス:「改めて自己紹介させてね! 私はデス・キングの忠実な部下、セブン・シンズの一人! 唯一無二の『暴食の罪』キャンディス・ラヴミントよ!!」
自己紹介を終えると、彼女の周りの空気が一気に重くなった。
グラシア(驚き):「これは……!? 存在感だけでこんな圧力……!」
しかしスヴェグストと至近戦を経験したことのあるモルアは、ほとんど動じていない様子だった。
モルア(笑みを浮かべて):「この感じ……あんたは本物みたいわね! よし! これは面白くなってきたぞ!」 *拳を合わせる
キャンディス(不気味に微笑んで):「さあ、そろそろ遊び始めましょうか?」
彼女は突然両手を掲げ、手の上に暗黒の魔力が集まり始めた。
モルア:「グラシア!」
グラシア:「ええ! タイムレス・ドメイン!!」
裏路地全体を凍てついた領域が覆い、変装した悪魔を時間の牢獄に閉じ込めた。
キャンディス(興奮して):「わあ!! これは何? 面白い!」
グラシア:「今よ、モルア!」
モルア:「まかせろ! 斬鳳凰蹴!!」
彼女は強力な空中蹴りを放ち、キャンディスに向かって飛びかかった。
キャンディス(慌てて):「わあ! 怖い怖い! 助けて~!!」
モルアの蹴りが着弾する直前——
キャンディス(おどけて):「なんてね~! てへっ! ;p」
手に集めた暗黒魔力が輝き、彼女は叫んだ。
キャンディス(叫んで):「来て! 私の可愛いパートナー、ベルザちゃん!!」
突然、空から巨大なハエのような怪物が現れ、モルアの蹴りを容易く受け止めた。
モルア(驚き):「なっ!?」
グラシア:「下がって、モルア!! アイス・プリズン!!」
キャンディス(驚き):「すごい!」
ぽっちゃりした体型にもかかわらず、彼女は素早く後ろに跳んでグラシアの魔法を回避した。
アイス・プリズンが巨大ハエの怪物を閉じ込めた。
モルア:「効いたか!?」
しかし数秒後、氷に亀裂が入り——
*バキバキ!!
巨大ハエの怪物は容易くアイス・プリズンを破壊して脱出した。
グラシア:「ちっ! 厄介ね!!」
キャンディス:「さすが私の可愛いベルザちゃん!! さあ、あの二人を消し去って!!」
ベルザ:「はい……キャンディス様……」
モルア(嫌悪感たっぷりに):「げっ!喋った!?」
グラシア(叫んで):「モルア! 上よ!!」
突然、彼女の頭上に大量のハエの群れが集まってきた。
モルア:「なにっ——!?」
ベルザ:「死ね……ハングリー・スウォーム!!」
ハエの群れがモルアに向かって降下し、地面に激突して爆発した。
グラシア(慌てて):「モルア!?」
すると彼女の隣に、モルアが無事に立っていた。
モルア(笑いながら):「何だよその顔? こんな安いトリックが私に効くと思ったのか、グラシ?」
モルアは最後の瞬間に瞬歩を使い、攻撃を回避していた。
キャンディス:「なかなかやるじゃない! でもどこまで続けられるかしら?」
ハエの群れがますます厚く、激しくなっていく。さらに攻撃を続けようとしていた。
モルア:「グラシア! 私がこのハエどもを引きつける! あんたは魔法を使ってこいつらをなんとかしてくれ!」
グラシア(叫んで):「待って、モルア! それは危険すぎるわ! 今は作戦を——」
モルア(笑みを浮かべて):「任せたぞ! セルレアンの姫!!」
迷いなく、モルアは囮として前方へ突進した。
グラシア:「ちっ! 仕方ないわね! フロスト・アーマー!!」
ハエの群れがモルアを包囲した瞬間、彼女の体が蒼い魔力の障壁で覆われ、周囲の全てを凍てつかせた。
モルア:「すげえなこれ! まさか新技か、グラシア!?」
グラシア(にやりと):「まあね……」
彼女は以前、バイオレット城でレミアと戦った時は海の鎧を思い出した。
グラシア:「そのハエどもをしっかり引きつけておいて、モルア!」
モルア:「おおよ!」
モルアは巨大ハエの怪物ベルザに向かって走り、真正面から挑んだ。
ベルザ:「愚かものめ……ハングリー・ハンズ!!」
巨大な虫は四本の腕を使ってモルアを攻撃した。
モルアはにやりと笑い、両手に刃を構えた。
モルア:「ミリオン・スラッシュ!!」
素早い連撃で、ベルザの片腕を切り落とし、周囲のハエの群れを薙ぎ払った。
ベルザ(心の中で):私の万華鏡の目でも、全部は避けられない……!?
キャンディス(驚愕):「大変!! 私の可愛いベルザちゃんが!!」
ベルザ(苦痛に):「ちっ!! 生意気な人間どもが! くらえ、ハングリースウォームズ!!」
巨大ハエの怪物はさらに大量のハエの群れを召喚した。
グラシア(叫んで):「今よ! 下がって、モルア!」
モルア:「了解!!」
モルアが下がった瞬間、グラシアが魔法を放った。
グラシア:「凍りつけ、虫どもめ! ブリザード!!」
吹雪の嵐がハエの群れとベルザに向かって襲いかかり、凍てつかせた。
ベルザ(驚愕):「馬鹿な……!?」
キャンディス:「そんな! 負けないで、ベルザちゃん!!」
巨大ハエが凍りついたところで、モルアが飛び込みトドメを刺した。
モルア:「くらえ! 吠える虎拳!!」
*ドオオオオン!!
白い虎の幻影が輝き、モルアはベルザに強烈な一撃を叩き込んだ。
巨大ハエの怪物は倒れた。キャンディスは愛する子が大ダメージを受けたのを見て息を飲んだ。
キャンディス(叫んで):「この老いぼれババア!! 私の子を傷つけた罪は重いわよ!!」
『老いぼれババア』という言葉を聞いて、モルアがキレた。
モルア(暗く):「はあ……老いぼれババアだと!? グラシア……あいつは私一人で相手する、じゃまさないでくれ!」
グラシア(驚き):「待って、モルア!! そんな挑発に乗っちゃダメよ!!」
警告を無視して、モルアは怒りに任せて突進した。
グラシア(顔を覆って):「これはまずいわね……」
モルアは瞬歩でキャンディスに接近したが、突然キャンディスが後ろに跳んで飛び上がった。
彼女の背中から美しい蝶の羽が広がり、頭には触角のような角が生えた、まるで妖精のように。
キャンディス(得意げに):「まさかここまで私を追い詰めるとはね。褒めてあげるわ!」
モルア(嘲るように):「それがお前の本当の姿か? 笑わせるぜ! 太った女が妖精の羽なんて!?」
『太った』という言葉を聞いて、キャンディスは激昂した。
キャンディス(怒って):「私を太ってるなんて言うの!? この老いぼれババア!!」
モルア(激怒):「私は二十歳そこそこで体は引き締まってるぞ! お前みたいな醜いデブとは違って、アスレチック・ビュートィだ!!」
モルアは彼女が素早く羽で飛び回るのを追いかけ続けた。
キャンディス:「老いぼれババア! 老いぼれババア! 老いぼれババア!!」
モルア:「デブ! デブ! デブ!!」
グラシア(ため息):「……小学生かよ、あの二人」
一方、ショッピングモールに向かう途中、エリセナと一緒に全力で走りながら、スマホでスタジアムの映像を確認していた。
エリセナ:「あとどれくらい時間あるの、アストン!?」
アストン:「三分くらい! でもショッピングモールに着いたばかりだ! このままじゃみんなが——」
突然、画面上の死の時計が止まった。
アストン(驚き):「時計が止まった!?」
エリセナ(嬉しそうに):「本当!? よかった!」
するとリシテアから電話がかかってきた。
リシテア:「アストン! グラシアとモルアが今、悪魔の一体と戦ってるわ! どうやらスヴェグストと同じ、セブン・シンズの一人らしい!」
アストン(心配して):「なんだって!? でもそんな危険な悪魔を二人だけで大丈夫なのか!?」
リシテア:「心配しないで。今のところ優勢よ。あなたとエリスナはもう一体に集中して!」
アストン:「了解!」
通話が切れた。
アストン:「グラシアと師匠がもう一体を相手にしてる! あのおかげで死の時計が止まったみたいだ!」
エリセナ:「さすがわね!グラシアとモルアさんは! このチャンスを逃しませんよ!さあ、 もっとスピード上げましょう!」
アストン:「え? どういう意味?」
彼女は突然炎の魔法で浮かび上がり、僕の腕を引いた。
エリセナ(興奮して):「さあ行くよ、アストン! 空へ、そしてその先へ!!」
アストン(慌てて):「待って! エリ! 危ないって! うわああああ!!!」
エリセナは僕を連れて空を飛び、できるだけ早くショッピングモールの屋上を目指した。
場面は裏路地の戦いに戻る。キャンディスは飛び回って疲れ果て、休憩を取っていた。
キャンディス(息を切らして):「はあ……はあ……もう動けない……」
モルアはようやく彼女に追いつき、拳を握りしめて近づいた。
モルア(暗く微笑んで):「捕まえたぞ、デブ! またその言葉を吐いてみろ?」
キャンディス(慌てて):「ひゃあっ! やめて!! 暴力は禁止よ!!」
すると突然、巨大ハエの怪物ベルザが再び起き上がった。
モルア&グラシア:「なにっ!?」
キャンディス(誇らしげに):「いい子ね、私の可愛いベルザちゃん!」
モルアが気を取られた隙に、キャンディスは素早く飛び、ベルザに向かった。
ベルザ:「キャンディス様……申し訳ありません」
キャンディス:「大丈夫よ、 ベルちゃん! これからは一緒に戦いましょう!」
ベルザ:「はい……キャンディス様!」
キャンディスは全身から暗黒魔力を放ち、ベルザに注ぎ込んだ。ベルザは真の昆虫人間形態へと変身し、魔力が大幅に上昇。切断された腕も再生した。
ほぼ全ての魔力を愛するペットに貸したキャンディスは、体がスリムになりグラマラスなスタイルになった。砂時計のようなボディラインが露わになる。
グラシア:「なんて凄まじい魔力……! モルア! 私たちは——」
すると突然、キャンディスが叫んだ。
キャンディス(自慢げに):「さあ老いぼれババア! これが私たちの真の姿よ! どう? とても美しいでしょ? あなたみたいな筋肉ムキムキの老いぼれババアとは違うわ! 私たちは美の体現者よ!! ふははは!!」
ベルザ(照れながら):「私も今は美しいですか? キャンディス様?」
キャンディス(誇らしげに):「もちろんよ、私の可愛くて美しいベルザちゃん!」
ベルザ(微笑んで):「光栄です、キャンディス様!」
完全にキレたモルアは冷静さを失い、怒りに目がくらんだ。
モルア(暗く):「虫女め……てめえをぶっ殺す!!」
グラシア:「行っちゃダメ! モルア!!」
モルアは怒りに任せてベルザとキャンディスに向かって突進した。悪魔処刑者の本能が再び目覚めていた。
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第76章 群がる恐怖 終




