強さの意味
15分間の休憩の後、キングズ・トーナメントは二回戦へ進む。
アナスタシアがステージに再び立ち、自信たっぷりに。
アナスタシア:「みなさん! 一回戦では息をのむような素晴らしい試合を見ました! 不敗 vs 剣の聖女! そしてこれより二回戦! 誰の名前が出るでしょうか?!」
彼女がレオンに合図を送り、名前シャッフルを開始。観客が興奮で静まり、次の試合を待ちわびる。
アナスタシア:「キングズ・トーナメント二回戦は……」
画面の名前が止まる。
アナスタシア:「破壊者、フリック・ストームヘッジ、1-C VS ボクシング部キャプテン、マグナム・フィスト:ポール・タイソン、3-C!!」
待機室でフリックが拳を叩き、決意を固める。
フリック(冷静に):「いくぞ……」
一方、別の部屋でポールが相手の名前を聞き、ニヤリ。
ポール:「破壊者だと? へっ! ぶっ壊すのは俺の方だ!!」 *エアボクシング
二人の闘士がアリーナへ歩み出る。
アナスタシア:「Aサイドから、最強の闘士を目指す者、肉体の頂点! 身長187cm、体重80kg! ようこそ、破壊者、フリック・ストームヘッジ!!」
ヤンキーグループが声を上げ、バナーを振り応援。
ヤンキー女子リーダー:「ボス・フリック! 応援してるぞ!」
ヤンキー1:「ボス!! 行け!」
ヤンキー2:「信じてるぞ、ボス!」
フリックが困惑した目でグループを見る。
フリック:「お前ら……誰だっけ?」
ヤンキーグループがコメディのようにへたり込む。
アナスタシア:「そしてBサイドから、彼のパンチは弾丸のように速い! 二年間君臨するボクシング部キャプテン! 身長184cm、体重68kg! マグナム・フィスト、ポール・タイソン!!」
ポールが自信たっぷりに手を上げ、ボクシング部が応援の叫びを上げる。
二人がアリーナで対峙。
ポール:「お前が噂のトラブルメーカーか? 生意気なガキだな! いい先輩として、墓場まで覚えるくらいハードなレッスンを教えてやる!!」
フリック:「レッスン? 弱い奴から聞く気はないな……」
ポール(激昂):「俺を舐めやがって?! 後悔するぞ、このガキ!!」
審判が咳払いして二人のやり取りを止める。
審判:「両者、準備はいいか?」
フリック:「ああ……」
ポール(ニヤリ):「こいつをボコボコにする準備はバッチリだ!!」
フリックとポールが開始位置に移動。さっきの対峙が観客の興奮をさらに高める。
アナスタシア:「キングズ・トーナメント、二回戦……スタート!!」
試合開始と同時に、ポールがフリックの前でパンチのスピードとフットワークを披露し、明らかに挑発。
ポール(誇らしげに):「俺の速さを見てみろ、ガキ! お前にはついてこれないぞ!」 *エアボクシングとフットワーク
フリックが落ち着いて構えを取る。
フリック:「空気を殴ってる暇があるなら、目の前にいる相手を殴れよ……自慢の強さを見せてみろ、弱虫……」
ポール(暗く):「死ね!!」
ポールが即座に突進。
ポール:「マグナム・ジャブ!!」
拳が素早く顔面へ。
アナスタシア:「即座の直撃!!」
だがフリックは瞬きもせず、意図的に直撃を受ける。
フリック(平坦に):「それだけか?」
ポール(衝撃):「何!?」
フリック:「じゃあ俺の番だ……」 *拳を上げる
ポールが拳を見て、 拳に凄まじい力が集まるのを感じ、驚きとパニックで後ろへ跳ぶ。
ポール(心の中で):「何だこれ!? 俺が怖がってる!? この俺が、マグナム・フィストの俺が!?」
フリックが拳を下ろす。
フリック(嘲笑):「先輩……なんで逃げるんだ? レッスンしてくれるんじゃなかったのか……まさか、俺を怖がってるのか、先輩?」
ポール(汗):「何!? 怖がってる!? はははは!! 自分を過大評価するな、ガキ!!」
フリック:「なるほど……お前が来ないなら、俺が行くだけだ。」
ポール:「ちくしょう!!」
フリックが構えを保ちながら足を動かす。
フリック:「攻撃拳:炎……」
彼が前進し、拳にちらつく炎を宿す。
ポール:「させるか!」
彼がフットワークでフリックの拳をかわし。
ポール:「くらえ! キャノン・アッパーカット!!」
フリックの顎を狙った強烈なアッパーカット――しかし、フリックは腕を組んでそれをブロックした。
フリック:「固い防御:土……」
ポール:「ちっ! じゃあこれならどうだ!? ショットガン・スマッシュ!!」
彼は腰を捻り、全身の体重を乗せ、フリックの胴体に向かってフルパワーの一撃を放つ。
フリック:「流れる拳:水……」
フリックはポールの攻撃を簡単に受け止め、方向を変えてバランスを崩す。
ポール:「何だと——!?」 *バランスを崩す
ポールが体勢を立て直そうとするが、フリックはすでに姿を消している。
そして背後から——
フリック:「飛び蹴り:風……」
*ドカアアアン!!!
回転するキックがポールの顔面に完璧に決まり、彼を吹き飛ばしてスタジアムの壁に叩きつける。
ポールが即座に意識を失う。
観客が驚きの息を飲み、審判が急いでポールの状態を確認。
アナスタシア:「マグナム・フィスト、ポール・タイソン、K.O! キングズ・トーナメント二回戦の勝者は……破壊者、フリック・ストームヘッジだ!!」
観客が大声で彼を応援。ヤンキーグループがバナーを広げて勝利を祝う。
ヤンキー1:「さすがボス! 容赦ねえ!!」
ヤンキー2:「やっぱり最強だ!!」
ヤンキー女子リーダーがフリックの強さを再び見て、言葉を失う。
救護チームが意識のないポールを保健室へ運ぶ中、フリックは無言で歩き去る。
フリック(心の中で):「マグナム・フィスト、か……なんて期待外れ……」
廊下で試合を見ていた姉のマヤ・ストームヘッジが彼の前に立つ。
フリック:「姉貴?」
マヤ:「フリック……」
フリックが無言で歩き去ろうとする。マヤが振り返って彼に向き直る。
マヤ:「フリック! お父さんの教え、まだ覚えてるよね? ストームヘッジ流の真の目的は守ること、大切なものを大切にすることよ!」
フリックが足を止め、黙ったまま。
マヤ(真剣):「フリック……ちゃんと答えて!あなたにとって 強さって何なの?」
フリックが舌打ちし、振り返る。
フリック:「うるさいな、姉貴……親父の教えか? 正直俺には古臭すぎる……弱い奴を守る必要なんてあるか? この世界は強い者がすべてを支配し、弱い者は死ぬ……自分を守れない弱者を守るなんて、馬鹿げてる。」
マヤ(心配):「フリック……」
フリック:「で、俺にとっての強さ? あったりまえだろ?! 強さは力だ、絶対的な支配力だ! 強ければ、他人の運命を決める自由がある……」
そう言いながら、彼はアストンが屋上から落ちた自分を助けた瞬間を思い出す。
フリック:「まあ、いい……忘れろ……」
マヤ:「フリック……強くなるのはいいことよ。でも強さに目がくらんで、周りが見えなくなっちゃダメよ!」
フリックが軽く頷き、歩き去る。
マヤ(安堵):「よかった……彼の心が少し柔らかくなった気がする……優しくなった……」
彼女は優しい笑顔でスキップする。
マヤ(興奮):「アストンにお礼を言った方がいいかな? うーん……何をあげようかしら?」
フリックが会場から離れ、近くの自動販売機でミネラルウォーターを買う。
キャップを開けていると、ヤンキーグループ——女子リーダー率いる——が駆け寄ってくる。
ヤンキー女子リーダー:「ボス! 本物の強さを見せてくれた! 感動したよ!」
ヤンキー1:「さすがボス!!」
ヤンキー2:「ボスがいればどんな喧嘩も勝てる!!」
フリックがペットボトルを開け、一気に飲み干す。ヤンキーたちは興奮で彼にくっついたまま。
ミネラルウォーターを一気に飲み干した後、彼は空のボトルをリーダーの少女に気軽に渡す。
フリック:「サムだっけ? これ、片付けてくれ。」
ヤンキーたちが空のボトルを見て目を丸くする。
ヤンキー1:「片付ける?」
ヤンキー2:「どういう意味だ、ボス?」
フリックは何も答えず、ただ歩き去る。
ヤンキー女子リーダー、サマンサが空のボトルを感嘆して見つめる。
サマンサ:「バカども! これはサインだ!! ボスが俺たちに命を預けてくれる儀式のサインだ!! つまり、ボスも俺たち忠実な部下のために命を懸けてくれるってことだ!!」
ヤンキー1:「つまり?!」
ヤンキー2:「ボスが俺たちの本当のボスになる!!」
ヤンキーたちが自称でフリックを新しいボスとして祝う。すでに歩き去ったフリックが、自分でニヤリと笑う。
フリック(くすくす):「なんて能天気な連中だ……」
VIPラウンジで二回戦を見ていたセトレが、深く考え込む。
セトレ(心の中で):「あのゴリラ野郎が強いのは知ってたが、まさかボクシング部キャプテンを1分以内で倒すとは……」
お茶とビスケットのトレイを持って、ユズが静かに入ってくる。
ユズ:「セ、セトレ様! おやつを持ってきました。どうぞ召し上がって!」
セトレが優しく、穏やかな笑顔を向ける。
セトレ:「レディユズか?! ありがとう! 感謝するよ!」
ユズがトレイを近くのテーブルに置き、彼の隣に座る。
ユズ(心配):「セトレ様、何か気になることでもあるんですか?」
セトレ:「何もない! 大丈夫だ、我がレディ!」
ユズ(優しく微笑む):「そうですか……何かあったら、いつでも言ってくださいね?」
セトレが優しく彼女の頭を撫でる。ユズが赤くなるが、触れられるのを拒まない。
セトレ:「ありがとう、ユズ。」
外の観客がさらに増え、興奮が高まる中、トーナメント三回戦の時間が来る。
――
第66章 強さの意味 終




