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「徳丸様良彦様からの知らせが来ました」
「ああありがとう」
すでに電気通信網で概要は知っているが、詳しい報告書が見たかった。戦訓としてのまとまってないデータも戦略室にも来ている。さらに詳しいものはいずれまとめてくれるだろう。原爆作戦上手くいったようだ。ただ一点人体への現場での影響は調べられない。
さすがにローマ国内の元軍事施設を調べられないし、たとえいけても被ばくも怖い。それを考えるとアメリカ広島に派遣したの無茶したな。あの国たまに人道的じゃないよな。なんというか報告ではこれで終わりではないだろうとの結論だ。2正面作戦を嫌っただけかと。
ただ皇帝周辺は反抗って意味での冷静さを欠いてるようだ。そういう派閥があるというだけの様だ。実際何か今後の反抗計画があっての講和じゃないようだ。良彦は神の雷作戦としたようだ。なるほど、そういう風に勘違いしてるかな?
ただ天罰とは思ってないようだ。こちらの意志で神の力を使えると見てるようだ。だがいずれはそれは忘れてしまうのではないか?多分神話の様には残ると思う。だが、それはもっと先だ。まずは薄れていずれ何かしようとするだろう。
実際コテンパンに負けたのに何度もイギリスとの海戦を続けていた。この戦いの前までにかなり減っていたが、完全になくなることはなかった。理由は分かる地中海には手を出してないからだ。供給元を敢えて立たなかった。多少金はかかるが、この程度なら逆に敵国によって国内がまとまる良い刺激になってた。
本当はここから草原民族を圧迫して欧州への圧力とした後管理していく形に持って行って終わるのだが、もうこれは先送りにすることにした。兵器の実験もしたいし、この満漢(日)の連合軍で押さえつけられるのでまだ楽か。終わったな。
まだまだ独立や様々なことがあるが、時間がすべてかかる。そう考えると私がやれるものはすべて終わったんだと思う。ここからは人生の最後を飾るとしよう。
私は、宰相をやめた元々こまごましたものはすべて同族に任せていた。宰相は無理だが若い息子に当主を譲って、様々なものから引退して後続に託した。そしてそういった時代の変化を感じるように陛下が亡くなった。いよいよ遷都が始まる。
「今日皆に集まってもらったのは重大発表がある」
「ええなんですか?」
「まあ新しい事とかじゃない。おおまかにだが恵みの書をすべて伝え終わった。そのためこれから科学法則に発見者の名前を付けることにする。まだいくつかあるので、それは時代の変化とともに伝えていく。私が死ぬまでにできれば良いかなと思ってる」
「以前も伝えたが、大半の法則が徳丸の法則になるのが嫌だったのと、それらの発見者は本来は恵みの書にすでにあるものだ。それらへの敬意から遠慮していた。そのため私が伝えた以外に発見してくれた人に申し訳ない。だがそれらもきちんと言っておく。私はすでにそれらを知っていた。詳細を知らなかったのと時間がないから伝えられなかっただけだ」
「私の判断に不満を持つものがいるかもしれないが、そこだけは厳しく対応するつもりだ。その点は謙虚になってほしい。ただこれからは皆の発見は個人の功績だ。頑張ってくれ。そこでだ私は政治や軍事から引退して、科学者のまとめ役も引退する。一研究者として皆と同様に未知の科学知識を見つけていきたい」
「たださきほども言ったがやり残したこともあるのでまた偉そうに講義をする可能性もあるが、そこは勘弁してくれ。これからは皆と同じ分からない事を探求する仲間の一人だ」
私はこうして以前からやりたかった前世でやっていた太陽光発電の研究の続きを始める事にした。科学を軸に日本を先端の国家にしたいって希望はあった。だが、実は死んでしまった未練の継続をどこかで望んでいたのだろう。今になってすべての条件がそろってその気持ちが分かってしまった。
日本のためにと頑張ってきたが、私はどこかで日本を自分の途中で死んでしまい中途半端になってしまった未練のために利用していたのかもしれないな。