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神楽  作者: 黒紫
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第55話

第55話


鈴音 「そうね。今日、貴女達に学校を休んで貰ったのも その為よ」

妹 「神楽さんが私達に会わせたい人が居るって・・」

「でも、どうして今日じゃないと駄目なんだろう」

女の人「私、理由が何となく分かります」

妹 「・・・」

鈴音 「それでは、本題に入りましょうか」

「『三元論』に付いて、話すわね」

女の人「お母さんに聞いても はぐらかされるばっかりなので、是非お願いします」

鈴音 「そう、これは私の役目だったのね」(鈴音は納得した様な表情をする)

「この世界は『3』という概念で表せる事」

「世界の何処をどんな風に切り取っても『3つの関係』になるのは話したわね」

女の人「はい」

妹 「うん」

鈴音 「まず表記の順番だけど、『3つの力』なら、『変化の力』『繋ぐ力』『無の力』」

「『(かず)』なら、『(無限大)』『(ゼロ)と∞の間』『0』」

「『人生』なら、『死』『生』『誕生』よ」

女の人「例えば『男と女』だと、どんな表現になるんですか?」

鈴音 「『男女』は、『男』『子供』『女』となるわよ」

妹 「『必然と偶然』は?」

鈴音 「『偶然』『流れ』『必然』よ」

安茂里「男女の『三特性』だと(なに)になるんでしょうか?」

鈴音 「『女』だと『知恵』『流れ』『力』ね」

「『流れ』を『美人』だと言う場合もあるわよっ」

「それに『男』は・・」

女の人「鈴音さん、それ位にして貰えませんか?」

「私、考える楽しみが減ってしまいそうで・・」

鈴音 「あら、ごめんなさいね。次へ進みましょう」


………神楽の本部:応接室:神楽と都筑………

神楽 「都筑さん、もう宜しいんですか?」

都筑 「はい。今日は特別な日ですから」

「作戦に参加した皆さん全員が揃わないのは、残念ですけど・・」


………赤いスポーツカー(走行中)………

鈴音 「『三段論法』は、ご存知ですよね?」

妹 「『A=B』『B=C』なら『A=C』の事でしょ?」

女の人「それって、重要なんですか?」

鈴音 「『不興』と呼ばれる能力。これがヒントね」

女の人「もしかして、私達は『真ん中の位置』しか持つ事が出来ないんですか?」

鈴音 「ええ、そうよ」

「『A=B』の場合、持てる所は『(イコール)』だけで、」

「『A』と『B』は持つ場所を特定できないの」

妹 「良く分かんない・・」

安茂里「姉様、最後まで聞いてみましょう」

鈴音 「ここで大事なのが、私達自身も『真ん中の位置』に居るという事」

「つまり、」

「左手に『A=B』、右手に『B=C』を持ったら、これ以上は持てないのよっ」

女の人「すると、『(そと)』から『偽りの力』である『2』を加えて、」

「『1・2・3』の3つを揃えて『B』を消すんですね」

安茂里「神楽様、感激しました」

妹 「あぁ私、やっぱりダメ・・」


………神楽の本部:応接室:8人:神楽・都筑・姉・妹・鈴音・安茂里・御影・朱雪………

全員にお茶と茶菓子が配られ、神楽が口を開く。


神楽 「今日は、皆さんに是非会って頂きたい方が()られます」

妹 「(なに)か、重大な話が聞けるんですか?」

神楽 「秘密です」

〈扉がノックされる〉

「どうぞ」

〈男性(30歳位)が入ってくる:神楽が立ち上がる〉

男性 「初めまして」

全員 「・・・」

〈静まり返ったまま3秒経過〉

神楽 「はい。ありがとうございました」

「気を付けてお帰り下さい」

男性 「皆さん、失礼します」

〈男性は会釈して退室〉

妹 「ええっ、ちょっと!」

女の人「これって『シンクロニティ』ですか?」

神楽 「はい。今の男性は所謂『キーパーソン』です」

「この世界には、我々と同じ形態を持つ組織が複数存在します」

「重大な決断や行動を起こす場合、」

「通常では起こり得ない事象を利用して、認証・承認を行う習わしになっています」

「これで、我々は次の段階へ進む承認を受けました」

妹 「じゃあ今、此処にいる8人って・・」

「それに安茂里は・・」

女の人「私の次の神楽なんですよね」

妹 「えっ、何でそうなるの?」

女の人「安茂里さんは・・」

安茂里「安茂里で結構です」

女の人「安茂里は『錯交』を使って、妹と自分の運命を入れ替えた」

「安茂里は最初から神楽になるつもりで、鈴音さんの弟子になったんだよ」

鈴音 「ええそうね、私は分かっていたわよっ」

「私は貴女に、私の跡を継いで欲しかったから」(鈴音は妹の顔を見つめる)

妹 「こんな事って・・」

安茂里「神楽様、私を神楽様の弟子にして下さい」(安茂里は姉の顔を見つめる)

女の人「この件、私が就任するまで、鈴音さんに預かって貰えますか?」

「私は、神楽になったら安茂里を後継者にするつもりです」

鈴音 「いいわよ」「安茂里、もう少しの辛抱ね」

安茂里「はい。神楽様、鈴音様、ありがとうございます」

〈安茂里は妹の顔を見つめ〉

「姉様。私、『錯交』を使えば沢山の『人』を救える事を知っています」

「姉様が自分の役割を果たせば、私はより多くの『人』を救えます」

「私は、姉様と一緒に『世界の流れ』を変えてみたいんです」

妹 「・・分かったよ、安茂里。つまり、そういう事だったんだね」

神楽 「はい。皆さん揃いましたね」

「それでは、今後の方針を決めるに当たっての情報交換をしたいと思います」


………20分後………

妹 「えーと、私、『外の世界』に付いて聞いてみたいんですけど・・」

神楽 「誰に聞きますか?」

妹 「御影さんに『三元神』が『時間』の概念を築いた話をお願いします」

御影 「『時間』の経過には、『繋ぐ力』が深く関わっています」

「『三元神』は3人同時に この世界へは入れません」

「通常は『変化の力』と『無の力』が中に在り、『繋ぐ力』が外に在る状態です」

妹 「それって、『三段論法』と どう繋がるんですか?」

御影 「『A=C』を導くには、必ず『外の世界』の『繋ぐ力』を使わないといけません」

「この時に『時間』という概念が生まれるのです」

「我々はこれを『演算周期』と呼び、」

「一瞬で『答え』が導き出せない『仕組み』だと考えられています」

女の人「私は朱雪さんに質問です」

「『三元論』って、どんな問題も解く事が出来るんですか?」

朱雪 「『三元神』が『外の世界』に持ち出した『答え』以外は解けるとされています」

「『三元論』は『2』から始まり『2』で終わる」

「『2』を順番に経由して『問題』と『答え』を1つに繋げます」

「だから、難しい問題ほど時間が掛かります」

女の人「それと もう1つ、3よりも大きな関係は どう処理すれば良いんですか?」

朱雪 「『四則演算』や物理学で言われる『相互作用』は『3つの関係』ではありません」

「3よりも大きな関係は、『3つの関係』が『入れ子構造』になっています」

女の人「もしかして、数字の『4』や『9』が不吉だと言われたりするのって・・」

朱雪 「はい。安定しない構造とされています」

「ですから、物を作る場合は その数字を避けるのが一般的です」

女の人「それって『素数』の事ですよね?」

朱雪 「はい。自然界に『素数』が多く見られるのは その為です」

妹 「うーん、分かったような、分からないような・・」

神楽 「そうですねえ。少し、話題を変えましょうか」



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