嘘の世界と元の世界
目が覚めると、あたり一面真っ白な世界に居た。さっきまで何処に居たのか、何をしていたのか思い出せない。
「ここは…。俺は…誰だ?」
頭の中が混乱しているせいもあるが、名を思い出せない。少しずつ落ち着きが戻るが、思い出せない。少しずつ恐怖心が増え、体が震え始める。
「震えている…?何も思い出せないし、周りに何もないからか!?」
恐怖が増え、自分の中の何かが崩れている気がした。勘はいいほうだからすぐに予感できた。精神が崩れ始めていることに。俺はメンタルが強いほうではない。どちらかと言えば弱い方だ。
冷静を保てないのもすぐに納得できた。その時、同時に分かったことがある。
それはこの世界から、抜けられないことに、なぜここに居るのか。何故何も思い出せないのか。
ここはどこの世界なのだと。精神が崩壊し、意識が遠くなったその瞬間。目の前が真っ暗になる。元の世界に戻れるのか。そう安心しきっていた。だが、その希望が打ち砕かれた。
目が覚めると元の世界に戻っていた。が何か違和感を感じる。静かすぎるのだ。
俺は一人でアパートの一室を借りている。毎日はいつも騒がしい。良い意味でね。
だが今は静寂なのだ。むしろ静寂すぎて嬉しかったり。騒がしいのは少し苦手だ。
しかし静かすぎるのも苦手だ。賑やかなくらいが丁度いいし落ち着く。人の心理とは不思議なものだ。
さて話を戻そう。まずは「町に出てみるとするか」俺は一言いうと町へと歩き出す。
町に着く間も誰もいない。俺以外人はいないのかと仮説を立て、町に着くと、仮説通り俺一人。
「はぁ、悲しい」
いつも一人だから気にする必要は無いが独りにはなったことが無い。
「経験ないことだらけでメンタルがやばいな…」
「しんどいもんだな、独りは…」
白い世界から、元の世界(?)に来たのだから無理もない。その時、腹が鳴った。
恥ずかしさのあまり、顔が赤くなるが我に返ると「…俺独りだわ…」心が折れそう。
「くよくよしてる場合じゃないな。俺の名前になる手がかりを探さないとな」
自分の中で何かを決意し、歩み始めるのであった。
次回へ続く。




