表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/66

学食の日の夜④

『トン、トン』


 ドアにノックの音が響きわたる。

 スズとアリカ、イリカたちは話すにをやめ、誰だかわからない来客者の対応のため、イリカが椅子から立ち上がりドアを開ける。

 するとそこには、イリカよりも少し身長が身長は低くて、黒目がくりっとしている。髪は濃い茶色で長く、下の方で一本縛りにしている少女がいて真剣で緊張した表情で話し出す。


「あっ、あの……、私はゼエル様のお部屋で働いているメイドのリスシタと言います。

 スズ様にご相談したいことがあってまいりました。

 少しお時間をいただけないでしょうか?」


 イリカはいきなりの予想外の来客であったため、困惑しながら言う。


「ゼエルのとこのメイド? 事前に連絡はしていたの?」

「いいえ、」

「それじゃあ、メイド不在がいきなりここに来るなんて無礼じゃない?

 出直して来なさい」

「申し訳ございません。いきなりここに来てしまったことをお詫びいたします。

 ですが、どうしてもすぐにスズ様にお話をしたいことがあってまいりました。

 どうか少しだけでもお話をさせていただけませんでしょうか?」

「ふん、今は、とても大事な話をしているところなの。

 今は、部屋の中には入れられないわ」

「ですが、少しだけでも……」

「早くゼエルのとこに戻りなさい。

 そうしなければ、何かしらの罰を受けてもらうものと覚悟しなさい」

「で、でも、お願いします」

「私が優しく接してあげているにもかかわらず、反抗してくるとは……、それじゃあ……ーー」


 と、イリカが、リスシタを手で押したあとに扉を閉めようとしたとき、


「イリカ。少しだけなら、話を聞いてあげましょう」


 と、スズが疲労感のある雰囲気で、穏やかな口調で言ったのだった。


「け、けど……」


 反論をするイリカ。

 イリカの反論はもっともなのだ。

 リスシタが来るまでに話し合われていた内容は、生徒会と一緒に遠足へ行ったときに行われる魔法競技『コア』でスズが魔法が使えないということをどうやって隠すかの作戦を練っていたのだ。

 スズが魔法を使えないということがばれたら、9大魔王ルキフグの娘てして、重大な問題になってくるだろう。

 スズの命を狙ってくる変な輩も増えてくるかもしれない。

 学園の警備は最高峰と聞いていたにもかかわらず、今日はユミリィの命を狙う暗殺者もいた。

 もし仮にスズを狙ってきた暗殺者で、複数いて対処が難しい場面だったらと思うとゾッとする。

 そう思い、イリカはスズに反論したのだったのでスズにリスシタの話を聞くことにした理由を目で説明を求める。

 スズはイリカと長年一緒にいるので、求めている内容を理解し、


「ちょっと、話も煮詰めって来てしまっていたところだわ。

 このリスシタに夜食を用意させて、ゆっくりとしているときにでもリスシタの話でも聞いてあげましょう」


 と、疲れから解放されたい、といった声で言ったのだった。


「わかりました。すぐにご用意いたします」


 と、リスシタはスズが言ったことに対してイリカの反応を待たずにすぐにどっかへ行ってしまったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ