学食の日の夜③
生徒会室に、生徒会長のマリエッタと生徒会副会長のシズミミの二人がいた。
「それで、さっき捕まえた男は何者かということが、判明しなかったってこと?」
生徒会長のマリエッタが生徒会長の机に座り険しい表情をして、目の前にいる生徒会副会長のシズミミに言う。
そして、生徒会副会長のシズミミも生徒会長のマリエッタと同様に険しい表情をして言う。
「ええ、まったくわかりませんでした」
「そう。見るからに、お遊びでやっているって感じはしなかったものね」
「はい。魔界の指名手配書で、Sランクの人物でした」
「そう……、そのくらいの実力者じゃなければ、この学園に忍び込むことなんて到底不可能だものね。
けど、そうなってくると、本当に不思議なのよねー」
「不思議とは?」
「捕まえた男を連れてきた者たちは、傷一つなかったじゃない。
イリカが捕まえたっていう話だったけれども、私が見たところ、イリカって子はそんなに強そうには見えなかったのに」
「けど、連れて来たのは事実です。
なので、9大魔王ルキフグ様の城で軍事訓練を受けて、何か特別な技を身につけているのではないでしょうか?」
「いや、それはないわ。
イリカは羽を一枚しか出すことができないわ。
そんな子がS級をまともに相手することができるわけないでしょ」
「通常であれば、命からがら逃げ隠れ、追い詰められ、反撃を試みた際に返り討ちにあって殺されるというのが、普通でしょう」
「そう。だから手助けをした者がいるはずなのよね」
「ならば、9大魔王ルキフグ様からイリカたちを守るよう為にきた隠密の護衛の者たちでしょうか?」
「いや、違うと思うわ。
9大魔王ルキフグ様からイリカたちを守るよう為にきた隠密の護衛の者たちがこの学園に自由に行き来させる権利を与える代わりに、学園側の監視者も同行させるようになっている。今回、動いたって報告はありませんから」
「じゃあ、イリカがやったと考えたほうが、一番自然なのじゃないですか?
調査書によれば一緒にいた他の者たちは、まっとうな力はないと……、まあ、天界からの留学生であるユミリィが力を隠していれば、別ですけど……」
「そうね。
ユミリィが何か力を隠して騙しているのは知っているけど、ユミリィじゃないはずだわ。
まあ、今回行く遠足で、誰かが行動にでるだろうから、その時、いろいろと確かめればいいわ」
「けど、危険があるって知っていて、生徒会からは、生徒会長だけが参加することにするのですか?
巻き添いを喰らいかねないかとても心配です」
「むしろだからよ。この学園で、私が一番信用しているのは、私の真の主人である副会長、あなただから。
後方支援をよろしくね」
「わかりました。お任せください」
二人はそう話し終えて、生徒会室の片付けを始めたのだった。




