表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/66

学食②

(なんかの罠じゃないだろうか? おかしい、絶対におかしいぞ。

 スズはともかく、アリカとイリカが俺に快く同意してくるのはおかしい)


 不審に思い、怪しむルシゼエル。

 スズは今、ルシゼエルとつきあっているという設定だから、湖に行くという話に賛同したのだろう。

 だが、アリカとイリカはルシゼエルが羽を持っていないと思っているから物凄くバカにしている。

 いつもなら、ルシゼエルが生徒会と一緒に行く旅行の場所を『湖』と言ったら賛同せずに『ありえない』などと言って否定してくるはずだ。

 たとえそれはスズがルシゼエルの意見に賛同していたとしても否定してくるはず。

 と、なると何か裏があるのではないかと疑ったほうがいいだろう。用心するのにこしたことはない。ルシゼエルが物凄く困るようなとんでもない罠があると。


(じゃあ、この危機を切り抜けるのにどうしたものだろう)


 考え出すルシゼエル。

 こうルシゼエルが考えている間にも、スズやアリカ、イリカ、ユミリィは、湖に行く計画を楽しそうに話ししている。

 どうやら、キャンプファイヤーをやることになってきているみたいだ。

 キャンプファイヤーをやるなんて絶対にダメだ!

 キャンプファイヤーをやることになってしまったら、暗くなるまで湖の近くにいることになってしまう。

 そんな遅くまで、スズたちと一緒にいるなんて耐えられん。さっきの授業の時のように、変なままごとをするようななってしまうかもしれない。

 理想は中止になるのが一番だが、もし行くとしても日の明るいうちに行って日の明るいうちに帰ってくる。そのくらい、すぐに終わるくらいのほうがいい。

 それにだ。キャンプファイヤーをやるとなったら、木が必要となる。いったいどっから調達をする気なんだ?

 と、疑問を心の中でつぶやくが、答えは明白である。湖の近くにある森の中からに違いない。そうに決まっている。木を準備して学園から持って行くよりも、現地で調達したほうがよっぽど効率がいい。

 誰かが木を切って準備しなければならない。誰かが……。世間上身分の低い者誰かが……。

 当然、ルシゼエルといことになってしまうだろう。

 魔法を使えれば、一瞬で終わる作業だが……、ルシゼエルは表向き魔法が使えないことになっている。とんでもない重労働になってしまう。


(自分で湖に行きたいって言っといてなんだが……、話題を変えて湖息を阻止せねば!

 スズたちだって、ノリで湖について話をしているだけで、本当に湖に行きたいとは思っていないはず)


 ルシゼエルは決意をし、


「いや、生徒会もどこに行こうか計画を立てているかもしれない。

 生徒会の人たちに聞いてから、あれこれ考えたほうがいいんじゃないか?」


 と言ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ