学食①
「生徒会の人達と行く場所はどこになると思われますか? まだ、魔界に来たばかりなので、あれこれ楽しみになってしまって」
学食で食事をしているときに、ユミリィが楽しそうに言ったのだった。
「さあ、でも本当に楽しみですね。
魔界は広いですから、いろんないい場所がありますよ」
笑顔で応えるスズ。
9大魔王の娘というだけあって上品さがある。
(しかし、めんどくさい状況だな)
億劫そうな表情で、心の中でため息をつきながら思うルシゼエル。
現在、学食でルシゼエルとスズ、アリカ、イリカ、ユミリィの五人が一緒にテーブルで歓談をしている状況になる。
嫌々ながらも仕方がなくスズに学食に連れて昼食を食べていたら、ユミリィが一人で歩いていたのでイリカが声をかけたのだった。まったく本当に余計なことをしてくれる。
(早くこっから抜け出す言い訳を考えないと……。
午後に授業を入れてなかったのが仇になったな。
授業に出ないとしても、もっとたくさん登録しておくべきだったか……)
ーーと、ルシゼエルが四人の女性が話しているのを聞かずに、あれこれ考えていると、
「ねぇ、ねぇ、ゼエルはどこだと思う?」
と、スズがルシゼエルの肩を馴れ馴れしく叩かれながら話しかけられる。
「どこ……って……、湖の方とかかな……」
急に話題を振られたので、適当に返事するルシゼエル。
学園の近くには湖がある。とても大きく広大で、海と表現しても差し支えないくらいの広さがある。
そして、霊獣が住んでいるという噂があり、一度湖を見てみたいと思っていてとっさにルシゼエルは言ってしまったのだった。
そんな適当に言ったルシゼエルの言葉に対して、スズ達は予想外の反応を見せる。
「まあ、それはいいですね!」とスズ。
「うん、うん、軍事訓練で行ったとき以外湖に行ったことがなかったから、一度ゆっくりと言ってみたかったんだよね」とアリカ。
「そうね。湖でゆっくりとしたときがなかったから、生徒会にぜひ提案してみましょう」とイリカ。
「えっ、何その湖って⁉︎」と質問をするユミリィ。
「湖はとっても広くて綺麗な場所ですわ」
と、スズが決まりと言わんばかりに、手を合わせて言ったのだった。




