その16 甘いだけでは終わらんのだよ
ほとんどがセリフですm(__)m
ご無沙汰してます。
五月「購買部で売ってるシュークリームが異常なまでに美味しいらしい。」
比間「あぁ、あのよく売り切れてるあれか。」
五月「うん。で、そこまで美味しいというなら、一度食べておこうかとおもってね。」
比間「そうか。がんばれ。」
五月「え? いやいや、まさか比間も手伝ってくれるよね?」
比間「いや待て、お前のプランに勝手に俺を組み込むなよ。」
五月「私は比間の事を信じてるよ。」
比間「そんな目で見るな!」
五月「信じてるから!!」
比間「いや、だから……あれ? お前何か顔色悪くないか?」
五月「え? あぁ、空腹は最高の調味料って言うだろ?」
比間「まさかとは思うが、朝飯食ってないのか?」
五月「それどころかお昼すら用意してないよ!!」
比間「胸はって言うなそんな事。泣けてくるぞ。」
五月「ほら、あれだ、『お昼ご飯を食べられなくなってもいいという覚悟』的な?」
比間「なんだそのしょーもない覚悟は! ゴ○さんに謝れ! ……いや、その前に保健室に行ってこい。」
五月「そうか、保健室から行った方が近いものね。」
比間「待て待て待て、そういう意味で言ったんじゃないぞ!!」
五月「よし、4時間目は保健室だな。」
比間「授業をちゃんと受けろ!」
━━4時間目━━
五月「じゃ、行ってくる。」
比間「まさか本気だったとは……。」
五月「仁科先生!! 何も言わずに寝かしてください!」
仁科「あら、正直ね。仮病つかって休もうとするやつらよりよっぽど良いわ。」
五月「じゃ、このベッド借りるね。」
仁科「でも許可はしてないわよ。」
五月「あっ、布団かえせ━━って、酒臭っ!! 」
仁科「そりゃ保健医だもの。アルコールの匂いぐらいするわ。」
五月「アルコール違いだよ! 絶対に消毒用じゃないアルコールの匂いがしたよ!!」
仁科「とにかく、病人じゃない生徒を寝かせる訳にはいかないの。さっさと授業に戻りなさい。」
五月「ケホッ、ケホッ、あぁ苦しい。頭痛が痛い。」
仁科「日本語おかしいわよ。それに、何で頭痛で咳き込むのよ?」
五月「あ、そうだ。実は今朝何も食べてなくて今にも倒れそうなんだ。」
仁科「いや、そんな嘘が━━」
ぐぅ〜
仁科「━━本当みたいね。」
五月「ナイスタイミングだ私の腹!! ほめてやる!!」
仁科「まぁ、仕方無いか。明日からはちゃんと朝食べて来なさいよ。」
五月「じゃ、授業終わったら起こしてね。」
仁科「自分で起きろ。」
━━数分後━━
五月「……あー、よく寝た。」
仁科「流石のあなたも、寝てるときは静かなのね。」
五月「いきなり失礼な。ところで、いま何時?」
仁科「ちょうど12時50分よ。」
五月「えっと、確か購買が開くのは12時40分だから、あとマイナス10分後に……あれ?」
マイナス?
五月「寝過ごしたぁ!! 仁科っ! 何で起こしてくれなかったんだ!」
仁科「気持ち良さそうに寝ていたから。」
五月「大人はみんなそう言うんだっ!!」
仁科「廊下走ると危ないわよー。」
五月「おばちゃん!! シュークリームは!?」
おば「ちょうど今売り切れたところよ。惜しかったわねぇ。」
五月「売り切れ……は…は…ははは……ははははは。」
比間「おぉ、五月。結局買えたのか?」
五月「うっさいよバカ! バーカ!!」
比間「そうか。買えなかったんだな。」
五月「ふん! そもそも私はシュークリームなんか大っ嫌いだから!! ピーマンと同じくらい大っ嫌いだから!! だから別に全然全くこれっぽっちも悔しくないから!!」
比間「そうか。ものすごく悔しいんだな。」
五月「つーか、お腹も空いてないし。満腹過ぎて有頂天だし。」
比間「そうか。もう限界か。ところで五月、ここにひとつシュークリームがあるんだが。」
五月「え?」
比間「いやぁ、でもお前はシュークリーム嫌いだって言ってたもんな。いらないよな?」
五月「……いや、ほら、ねっ! 好き嫌いはよくないから! 改善しなきゃ、この機会に!!」
比間「いや、でも満腹なんだろ? 無理して食うもんでもないし。」
五月「おぉっと!! 奇跡だ! シュークリーム一個分のスペースが奇跡的に空いている! キッカリ一個入るだけのスペースが!!」
比間「(……まぁ、最初からあげるつもりで買ったもんだし、それにこのままじゃあまりにも不憫だ。)」
五月「奇跡だな。本っ当にシュークリーム一個しか入らないような実に小さなスペースだ。」
比間「ほら、わかったから。食べていいから。」
五月「どうせなら『お前の為に買ってきたぞ』とか言ってくれたっていいじゃないか。そんな言い方じゃ女心は掴めないよ!!」
比間「あれ、何で今俺はダメ出しされてんだ?」
五月「いただきます。」
比間「え? あぁ、召し上がれ。」
五月「一口欲しいか! あげないけど!!」
比間「なら聞くな。」
五月「でもまぁ、よく買えたねぇ。」
比間「あぁ、五分前にトイレ行ってきますって言ったら、すんなりと買えたよ。」
五月「ごちそうさまでした。」
比間「早いな!! ちゃんと味わって食ったのか!?」
五月「空腹は調味料になんてなりゃしないよ! 味わう余裕が無くなったよ!!」
比間「度を越してたからだろ。せめて朝飯は食うべきだっただろ。」
五月「いや、ほら、あのシュークリーム割と大きいから、もう少しお腹にたまるかと思って。……浅はかだった。空腹で軽く死ねる。」
会長「あ、五月! どこ行ってたの!?」
五月「あぁ、会長。今ちょうど川の向こうに行こうかと。」
比間「ちょっと待て! その川は渡っちゃいけない川だ!」
会長「なんだか知らないけど、はい、これ。」
五月「え? シュークリーム? 何で?」
会長「生徒会の子にもらったんだけど、これあんた食べたがってたでしょ。だから、はい。」
五月「会長、なんて男前なんだ!!」
会長「それは誉め言葉なのかしら?」
岡沢「にぎやかだね。」
五月「おぉ岡沢。何しに来たんだ?」
岡沢「頼まれていた物を届けにね。」
五月「あ、シュークリーム。」
比間「お前頼んどいて忘れてたのか?」
岡沢「では僕はこれで失敬するよ。」
五月「あ、うん。ありがとね。」
会長「じゃ、私も用事あるから。味わって食べなさいよ。」
五月「うん、バイバイ。」
比間「結果として三つも手に入れた訳か。」
五月「まぁ次はいつ食べられるか分からないからね。今の内にしっかり味わっておこう。」
比間「しかも全部貰い物とはな、幸運の女神にでも溺愛されてんのか。」
五月「ま、これもひとえに私の人徳だろうね。」
比間「人徳ねぇ……。」
五月「ごちそうさまでした。いやぁカスタードクリームってけっこうお腹にたまるもんだね。」
比間「つーか、お前さっきシュークリーム一個しか入らないとか言ってたよな?」
五月「私は過去にとらわれずに生きる女。昔の事はもう忘れたわ。」
比間「スマン、誰の真似だか分からない。」
五月「でも今はシュークリーム一個分しか空いてないよ。」
舞蹴「む、五月殿、教室に戻っていたでござるか。」
五月「やぁ舞蹴。なんか用?」
舞蹴「買えたでござるよ、頼まれていたクリームパフ。」
比間「そこは英語なんだ!」
岩井「あら五月、探したわよ!」
五月「イワちゃん……まさか!!」
岩井「まさか? あらま、あなた舞蹴にも頼んでたの? シュークリーム。」
比間「え? なにこの無限増殖?」
岩井「まったく、2つも食べられるなんて幸せ者ね、いつかバチが当たるわよ。じゃ、渡すもん渡したし、あたしはもう行くわ。」
舞蹴「それでは拙者も、然らば御免。」
五月「あぁ……うん……またね……。」
比間「おい五月、目が死んでるぞ、大丈夫か?」
五月「でもほら、せっかくの厚意でいただいたものだし、ちゃんと食べなきゃ。」
比間「……お前意外と律儀なのな。ところで、もう他に頼んだ人はいないのか?」
五月「そういえば……藤谷と……あと鳴海に頼んだような気がしないでもない。」
藤谷「今、俺の話をしたか!!」
比間「凄まじい第六感を持ってるなお前。つーか、神出鬼没は岡沢の立ち位置だろ。」
岡沢「呼んだかい?」
比間「わぁ、おかえり。はやかったねぇ。かえれ。」
藤谷「そうだ、五月! シュークリームの事なんだが……」
五月「いや、シュークリームはもう……」
藤谷「悪い。手に入らなかった。」
五月「へ? いや、その気持ちだけで充分です。」
藤谷「え? いいのか?」
五月「うん。ありがとう。」
『ありがとう』
『ありがとう』
『ありがとう』
藤谷「ィイヤッホォォォウ!!」
比間「どうした藤谷!! 廊下は走るな!! 危ねぇぞっ!!」
藤谷「ヒーーッハーーッ!!」
山根「大変だーっ。藤谷くんが階段から落ちたーっ。」
五月「にしてもあれだ、当分シュークリームは見たくないな。」
比間「いやっ!! 今なんか向こうの方でちょっとした事故があったけどっ!!」
五月「あとは鳴海だけか。まぁでも流石にもう無いだろ。そもそも毎日売り切れてるわけだし。」
比間「そうだな。今までの幸運が異常だったんだよ。少なくともお前一人で五個も食ったんだから、もう残っているわけが━━」
鳴海「やりましたよ五月さん!! 新聞部の人脈を駆使して、シュークリーム五個も手に入れました!!」
比間「…………わぁお。」
五月「お前なんか大っっっ嫌いだぁぁぁあ!!」
鳴海「え? えっ!?」
シュークリームは後でみんなで美味しくいただきました。
言い訳のコーナー
夏休みスペシャルについて
書いてる途中で夏休みが終わってしまったのと、推敲し直したいのとで消しました。いつか書き直します。きっと。たぶん。そのうち。




