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平凡魔王の善行日記  作者: 雪月華
魔王城周辺
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9話『面倒事って、くるときは纏めてくるよね』

「やっと会えたね...お兄ちゃん。」


巨木の下に彼女はいた。


腰まで届くボサボサな黄緑色の髪が風に揺れ、眠そうに目尻が下がった深翠色の瞳で此方を見詰めている。


髪には、白いユリの花のような髪飾りをつけており、服装も白いワンピース。そして何より目に付くのは、身長はルリよりも小さいのに、その存在を主張する大きな胸である。


見た感じ、Dはあるんじゃないだろうか?


思わず隣にいたルリの胸を見てしまい...



ゴス!



「い...ッ!」


「.....失礼です。」


思いっきり足を踏まれた。


痛い。ムッチャ痛い。これが女の子の胸を見比べた物への罰なんだね。確かに、見比べた僕が悪いけど、男だったら思わず見比べちゃうよ。だって、リアルにロリ巨乳なんて始めて見るし。まぁ、ちっパイのルリもルリで良いと思うよ。



ガスガス!



「ッ!.......」


「本気で怒りますよ」


絶体怒ってるよね。じゃなきゃ、魔力使ってまで両脛蹴らないよね。あまりの痛さにちょっと泣きそうだよ。


「...フフフ...なかいいね...。」


今のやり取りを見て、彼女は笑みを浮かべる。

君は楽しいのかもだけど、僕はたのしくないよ。


「...こっちに来て...おはなししよ...。」


僕達は彼女の側に近寄った。

彼女は巨木に寄り添うように腰掛け、僕達を待っていた。







「ところで、君は誰なんだい。」


彼女の側に近寄って、僕はそう切り出した。


「ゴメンなさい...私は...シリカ...です。」


「そっか、シリカって言うのか。それで、シリカ。僕達に話しってなにかな。」


「...お兄ちゃん達に...頼みたい事がね...あるの?」


首をコテンっと傾ける姿は凄く可愛いのに、何でだろう、凄く嫌な予感がする。

だめ押しに『ダメ...』って上目遣いまでしてきたよ、この娘...。


ど、どうすれば...


「クロ、聞いて上げればいいじゃないですか。」


むすっとした表情で、僕にそんな事を言ってくるルリ。内心、冷や汗が止まりません。


何これ...聞いても何か起きそうだし、聞かなくても二人(主にルリ)から非難されそう。正に前門の虎後門の狼と言えるよね、この状況。


...と、言うよりも聞かないって選択肢がないように感じるのは僕だけかな?。ルリは怒ってるから、まず間違いなく僕の味方をしてくれないだろうし...本当にどうすれば良いの。


「それで、私たちに頼みたい事って何でしょうか。」


あ...ルリが面倒そうに聞き始めた。ちょっと待ってください。それ聞いたら、まず間違いなく僕に厄介事が降り掛かるよね。


「...あのね...この森で...暴れてる人をねぇ...懲らしめて...ほしいの...。」


「だっ、そうですよ...クロ、頑張ってください。」


え、えぇぇぇぇぇ~~~~~!?。

え?...ちょ、ちょっとルリさん!?自分で話し進めといて、僕に丸投げですか。それはないでしょ。


「それと、私は魔力切れなので手伝えません。」


えぇぇ!しかも、手伝ってくれないの!?。

もうツッコミで疲れたよ。わかったよ。それで良いよ。僕が頑張れば良いんでしょ。


「はぁ~...わかったよ。やるよ。それで相手の特徴はどんな感じなの?」


「ん~とね......」


あ...なんか近寄って来た。

シリカは、おもむろに僕の頬に手を添えると目を瞑った。しかも、どんどん顔が近づいて来るんですけど。えっ?何、どうすれば良いの。このままで居れば良いの。


「......ジー」


何、背中にゾクって視線を感じた。

横目でチラッと視線の先を確認して見るとルリが無表情で、僕を見てる。ただ、背後に般若が見えるんですけど、気のせいですかね。


トン


シリカが僕の胸に額を押し付けて来る。抱き締めるように腕を腰へと回してくる。

そして、次第に何が頭に浮かんでくる。


それは、目の前にはない光景。

辺りは血に染まっている。草も、花も、地も赤黒く赤黒く染まっている。その周辺には幾多の動物や魔物が地べたに横たわっている。そして、その中に人間の姿も見て取れた。


その場で多くの命が失われたのがわかる、あまりにも悲惨な光景。ルリには見せられる物じゃない。そして、こんな光景を僕に見せる事が出来るシリカも、普通の人間じゃないのではと思い始めている。


「しかしもまぁ、こんだけ暴れても目的の物が出てこんて、どうゆうこっちゃ。」


ん?なんだ。あの男は?

地べたに横たわっていた死体の中に、一人だけもぞもぞと起き上がる人物を見つけた。


男はボサボサの頭を掻きながら、辺りを見渡している。その手には、2メートルをゆうにこす、直刃剣が握られており、刀身は血で赤黒く汚れていた。


そして、何よりも恐ろしかったのは、多くの命を奪って置いて、本当に心底面倒だと言う表情を浮かべている事だ。


「本当にいるのかねぇ。こなん森に、目的のお嬢ちゃんが。」


男は面倒臭そうに剣を振るう。すると、男の目の前に会った、動物の死体が、細切れになった。


「あぁー。面倒だ。死体切ってもつまらないしねぇ。あんたもそう思うだろ、さっきから覗いてるあんちゃんよ。」


男は、面白い物を見つけたような笑みを浮かべながら、僕の事をじっと見詰めてくる。


「(大丈夫だよ...お兄ちゃん。あの人からは...こっち...見えない...から...。)」


それでも、不安になってくる。それ程までに男は此方を見詰めていた。


あの男はいったい...


そう思い、僕は《人物開示(ステータス)》を使った。


ーー

名前:アルテ

種族:人間 勇者(王都警備隊:小隊長)

レベル.40


筋力:42  持久力:50 体格:14 容姿:12

走力:38 精神力:60


体力:128 魔力:120


装備

・直刃剣『グラジオン』

・通常服(魔法、物理防御付き)


技能/魔術

・エルリガズ流剣術

身体強化(アクセーション)

斬撃強化(ブリエント)

属性付加(エンチャント):(ヴェル)

ーー


相手は勇者だった。

マジ物勇者来たー。何でマジ物勇者出したかな自分。出たものは仕方ないので、このまま押し通します。

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