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明日も皆で笑うために  作者: みかんもち


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第一話 転校生

学園(高校)を舞台としたミステリーです。

主人公は高校1年生で、秋に転校してきました。

9/4日


 校門に立つ勇者を彷彿とさせる銅像、広く綺麗な校舎—

 見慣れないものばかりで緊張する。

 自然豊かなこの学園、赤穂学園—


 —ねぇねぇ、この前、出たんだって「ミササギ」が

 —怖いよねぇ、一体何者なんだろうねぇー


 教室を取り巻く噂が耳に入る

 …ミササギ?



 「 百舌鳥 唯人( もず  ゆいと)といいます、よろしくお願いします。」

個人的には中々良い自己紹介だと思ったが…反応は予想通りだった。

 自己紹介が終わり、言われるがまま席に座る。

「泉 咲人だ。よろしくな!!」

「あ、うん、よろしく。」僕は泉の迫力にうろたえながら答える。

「あ、そうそう、昼休みに、学校を案内するよ」泉は屈託ない笑みを浮かべながら言う。

「ありがとう」対する僕は少し素っ気なくも見える態度を取った。だって…この学園には、あまり良くない噂があるから。それも、かなり有名な、ね。

 噂とは「ミササギ」のことだ。転校してきた僕としてはあまりよくわからない。そこで、泉に聞いてみることにした。

 「ん?あーミササギのことか。わかりやすく言うと…得体のしれない怪物、かな。噂程度なんだけど、学校側もミササギに襲われることを危惧しているらしい」泉は真剣な顔で言う。「え…でも、存在するかどうかだって怪しいじゃないか…」噂程度ならそこまで真剣になる必要はないはずだ。なにか根拠があるのか…?それとも、誰かが…その…ミササギっていうやつなのかな…?

 「最初は俺達も疑問に思ったさ、ただ…学校側があまりにも深刻な感じでね。ただ、それが何かは話してくれない…だから噂なんだ。」うーん…学校側が言っているにしろ、噂程度…どこまで信用すれば良いのかわからない。「…うーん…でも、やっぱり噂程度なら信用できないよ…」やはりあるかどうかもわからないものに対して、恐怖したって仕方ないではないか。

 「確かにそう思うよなぁ…俺たちも、最初は疑ってたんだ…だけど…あの時から…」ん?あの時…?「あの時って…?」僕は思わず聞いてしまった。「あぁ…そうだ、唯人は転校してきたばっかりだったな……場所を変えよう…」疑問に思いつつ、泉についていく。

 —着いたのは人気のない裏庭、どこか不気味さを感じさせる

 「あまり聞いていて気分の良い話では無いのだが—」


 泉がこの学園に入学してから一ヶ月ほど経ったある日、事件は起きた。そう、明確に事件と定義できるほどに悪質で悲惨な光景だった。

 1-Bの教室の中央に、それはあった。

 一人の女子高校生が、胸に薔薇を添えられながら倒れていた。それも、鮮血を流しながら。

 警察は捜査をしたが、一切の証拠や動機は見当たらなかったそうだ。

 その出来事を受け、ミササギは信じられるようになった。


 「…そうか」まだ僕は疑っていた。いくらなんでも出来すぎている気がしたからだ。いや、でもミササギというやつがそう仕向けたのかもしれない…。段々と僕はミササギという存在を信じるようになっていったことが自分でもわかった。それと同時に、ミササギは一体何者なのか、という疑念を抱くようになっていった。これまでよりも一層強く。ただ、そんな非現実的な光景を実際に泉などの複数人の生徒が見てしまったなら…ミササギをあんなに危惧している理由もわからなくはない。

 「ま、そういうわけだ。この話はあまり皆の前ではしないようにしているんだ。…なんだか、皆の恐怖心をあおってしまうような気がしてね。」泉にも最低限のデリカシーはあるみたいだ。

 「思ったよりも重い話なんだな…それだけの出来事じゃあ、トラウマになった生徒とかもいるだろう」

 「ああ、そうだな、特に女子は…」

 謎の気まずさを覚え、僕と泉は教室に戻った。



 僕がこの学園に転校してから何日か経った。

 最近は泉が気を利かせてくれて、クラスメイトとは仲良くやれているつもりだ。

 赤穂学園は県内屈指の名門校だ、授業もハイスピードで進むので、最近は睡眠を惜しんで勉強することも増えた。最近、一人でぼーっとしていると、暗い闇に引きずりこまれるような感覚に陥ることが多くなった。何故だろう—


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