表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/117

Elise-conversation-かんばせ-Genovese!2

 全員は相手にしてられん。あの女傑の何が恐ろしいって部下も全員恐ろしく強いのだ。時間をかけて士気も実力も鍛えたんだろうが、おそらく何かしらブーストかかるスキルも持ってる。

 武力にうるさい狗尾草(コボルト)の中で出世できないということは、余程性格に難ありか、もしくは生まれに難ありか。

 とにかく、搦め手でいくしかない。


「腹を括れライ麦畑」


貴殿(との)、何気に名前呼んだの初めてでゴザル」


 呼びにくいんだよ。なんだよ畑って。土地の名じゃねぇかよそんなの。




 各個撃破の愚を犯さぬよう、狗尾草(コボルト)のパーティーが慎重に進む。まずは彼らを分断しなければならない。身も心も。


「た、たすけてぇーだワン。悪いニンゲンに手込めにされそうな所を、命からがら逃げてきたワン」


「「「「うひょー。な、なんたるセクスィーな乙女!!」」」」


 作戦はこうだ。ライ麦畑こと癖歪み忍者のウサギ耳を畳んで結んでマフラーに隠し、髪色に近い耳と尻尾をその辺から毟ってつけさせる。あとは俺が手の平や舌先から狗尾草(コボルト)のフェロモン様物質を捻り出して癖歪みの隅々まで塗り込めば完成だ。サキュバスの附子(デーモンハーフ)たる俺の手腕をもってすれば、オスどもをメロメロにする手練手管などお手の物なのだ。お手々でメロメロなのだ。


 体毛とか鼻面とか、変装は無理があるだろうと読者諸兄は思うだろう。

 しかし図書室のおねーさんの紹介してくれた書籍にもある通り、あいつら様々な毛並体型習性の仲間達がいるので、多少毛がツルツルだろうが鼻が湿って無かろうが、まあ、そういう品種の狗尾草(コボルト)なんだな、くらいの認識なのである。

 彼らに重要なのは匂いなのだ。何事にも主に匂いで好悪を判断する。


 だから彼ら女傑のパーティーメンバーにとって、今の癖歪み忍者はとびっきりのエッチな美少女なのである。


「て、貞操は大丈夫だったのかワン?」


「え、ええ、貞操もからがら逃れたワン。まだまだ若さをもて余した仲間がたくさんいるのでゴザワン。着いてきて欲しいでゴザルワン」


「「「「うひょー」」」」


「おい、罠かもしれん。慎重に」


「隊長は!女の子だから僕たちの気持ちがわからないのだワーン!」


「あ、待ちなさい!」


 作戦成功。これで彼らの連帯は、身も心もズタズタに分断された。


 彼らは様々な毛並体型習性の集まりだ。走るスピード、通りやすいルート、状況判断のクセ、それらを彼らパーティーの品種ごとで型に嵌めて考え、ハメ殺す。


 まずは胴長短足の個体からだ。

 狭い、禾穀(ヒト)の小柄な子供が入れるくらいの狭い水路から猫なで声と、強いフェロモンが漂ってくる。迷わず鎧を脱いで胴長短足垂れ耳が水路に入っていき、小さな風切り音。おそらく、ボウガンで頭を貫かれた。


 まず1匹目。


「こっち、こっちにもまだまだいるでゴザルン。入れ食いでゴザル」


「「「うひょー」」」


なんか罪悪感ハンパない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ