blackwhite partynight paladinknight4
「よう。お前もここまで来たんだなB-T」
「ハンエイ。なるほど、最後のあぐもんバトルはお前かよ。物語にしては出来すぎだな」
「そうさ物語さB-T。俺の、あぐもん主としての栄光の物語だ!」
サーマモンの治めるシュバルツバイスの名産、アンダーグラウンドモンスター、縮めてあぐもん。
これを用いた巨大地下育成場での修練とバトルは、定期的に大会が開かれ、最近では労働者の普及もあって全国で大人気なスポーツだ。
オレももらった一匹のあぐもんを育て、捕まえ、殖やして、選びとり、過ぎること3日、いよいよ始まった大会で順調に勝ち上がり、ついにあぐもん四天王を降して最後の戦いへ進んだ。
相対するハンエイは、あぐもん初日の頃から何かと縁のある好敵手、もはや運命的過ぎて、昔から知ってる幼なじみの気さえしてくる。
…ここオレの故郷だし、もしかしたら本当に幼なじみかもしれん。覚えてないが。
最終戦のクジが、サーマモンの手によって引かれ、試合形式は、2対2形式と決まった。
これは手持ちのあぐもん6体から4体を選出し、そのうちの2体を闘技場内に投入する。
直接戦闘出来るのは必ず2体までだが、こまめに入れ換えたり、仲間のあぐもんの為に布石を打ってから交代したり、戦略は様々だ。
「いけ!レーザービートル!ウナジュウ!」
ハンエイが駆り出したのは、あいつご自慢のハイパーあぐもんズ五人衆の内2匹。五人衆筆頭、剛性と柔性もつ強靭な外骨格のレーザービートル。そして高電圧で浮遊し、空中を優雅に泳ぐ巨大電気ウナギのウナジュウ。
対するオレは、元々持ってた召喚契約獣のスーサイド
「コロシテ」
と、新たに古代あぐもん文明の地下遺跡で発掘したこのユニットワンだ。
「待って待って我が神。あぐもんは私が始めたんだ。私が初代なんだよ。古代遺跡って何?知らんのだけど」
「そのあぐもん、珍しいだけで何の力もないと噂の奴じゃないか。どうしたB-T、チャンピオンへの道をドブに捨てちまうのかよ?」
ふふん。研究が足りないぜライバルよ。
「ユニットワン!覚醒せよ装甲!てかスーちゃん、ユニットワンに目玉見たいな金属のスイッチあるんだけどそれ押したげて!」
「そもそもなんなんだこれワ、何かの部品か?ポチっ」
ヒュバァッ!と、金属の塊みたいだったユニットワンが広がってスーちゃんに取りつく。
「ガウワー!!」
スーちゃんの悲鳴と共に辺りにバリアが形成、ハンエイのあぐもんの攻撃を防ぎつつ、ユニットワンがスーちゃんの全身を包み込み、装甲に変わる!
「みたか!この古代あぐもんは、他のあぐもんに装備されることで、性能を何倍にも引き出せるんだ!」
「シテ、コロシテ」
スーちゃんが何か呻いているが、初手はこちらが有利だぜ!
これが、あぐもんへの、信頼と愛情の力だ!




