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妖狐そ!【飯綱荘へ】 〜引っ越し先は妖怪のお助け所でした〜  作者: かなちょろ


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第貳拾壱話【夏休み】

 奏の元にミンクの妖怪【黒豆】君がついて来るようになり、ひとまず一安心。

 ただ黒豆君、みんなとあまり仲は良くないみたいで……。


「なんでテメェが来てるんだよ!」

「俺は主の騎士だから当然だろう」

「この飯綱荘は俺達の縄張りだぞ!」

「お前達は関係無い。 俺は主の行く場所に着いているだけだ」

「腰巾着ってやつ?」

「なんどとガキが……もう一度眠らせてやろうか」

「面白れぇ! やってやろうじゃねぇか!?」

「いいぞ十字〜! やっちゃえやっちゃえ!」

「「やめなさい!!」」


 奏と息が合うように喧嘩を止める。

 奏が家に来るといつもなんだから……まったく……。

 そんなこんなでも学校生活は続き、あれから襲われる事も変な現象も起きる事なく梅雨の時期に突入、梅雨が開ければ……夏休みだ!


「この時期はジメジメするよね〜」

「そうだよね〜、雨ばかりで出かけられないし」

「黒豆もジメジメ苦手らしくてね」

「飯綱荘のみんなもジメジメは苦手みたい。 みんな朝起きると髪の毛がグッシャグシャだし、銀君なんかは廊下を転がりながら移動して黒君に怒られてるよ」

「やっぱり廊下って冷んやりしてて気持ちいいのかな?」

「そうかもね、犬や猫は涼しい場所を探すって言うし」

「銀君犬みたいだもんね……私達も転がってみようか?」

「黒君に怒られるわよ。 それに赤井さんにそんな姿見られたく無いでしょ?」

「確かに〜」


 とまあこんな感じで日々を過ごして行き、本格的な夏へと突入した……。


「あつい……暑すぎるわ……」


 蝉すらも昼間は鳴くこともない暑さの日中……私と奏はある計画を立てていた。


「……それでどうかな?」

「いいんじゃ無い? 後は日にちだけど……」


 二人で計画を立て赤井さんの休みに合わせて一泊二日の旅行に行く事に決めた。


「目指すは白い砂浜と旅館の美味しいご飯!」


 張り切っている奏と新しい水着を買いに行ったり、初めての旅行でワクワクが止まらない黒君を連れて準備の買い物に行ったりした。

 そして待望の夏休み……。


「暑い……暑いわ……」


 奏と私の部屋で夏休みの宿題を一緒にしていたが、私の部屋のエアコンはお婆ちゃんの頃の物なので型が古く今は効きが悪い……扇風機でなんとか過ごしてるけど、奏にはかなり暑いみたい。


「だから言ったのに……図書館の方が涼しいよって……」

「だって図書館だと黒君いじれないじゃない」

「いじるのはやめてください! 僕だって暑いんですから!」

「いいじゃ〜ん……黒君冷たくて気持ちいいんだもん」

「そう言えば暑いって言ってるけどみんなの部屋にはエアコンないよね? 昼間とか大丈夫なの?」

「僕達は妖力で多少の温度調整出来ますから」

「だから一緒に寝てると涼しかったんだ!?」

「そうです」

「それならいいじゃな〜い! 黒く〜ん!」

「僕も夏休みの宿題しているので邪魔しないでください」


 奏は黒君に抱きついているが、黒君は迷惑そうに引き剥がしている……。


「黒豆君は涼しく無いの?」

「黒豆はね〜……あの毛並みだし涼しいより暑い方が勝つわね……今日も夕方迎えに行くって自分は水風呂で泳いでるわ」

「そうなんだ……」


 確かにフッサフサの毛並みだもんね……夕方迎えに来るとは言ってたけど、それまでは水風呂に浸かってるって気持ちよさそうね。


「休憩もこのくらいで残りもちゃっちゃとやって旅行に備えましょ」

「そうね」


 宿題もある程度終わらせて旅行に行く日が近づいて来た。


「さてみなさん、準備は出来ていますか?」

「もちろんです!」

「忘れ物はありませんね?」

「はい!」

「それじゃ車に乗ってください」

「赤井さん、今日はよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」


 奏は赤井さんに元気に返事をして……既にテンションが高いなぁ……。


「トモモ、そう言えばヤエちゃんと吉良馬君は?」

「二人は予定があるって言ってたから今日は来ないよ」

「そっか残念ね。 二人共もっと話してみたかったんだけど」

「また機会があるわよ」

「そうね、それじゃ旅行楽しみましょう!」

「「おー!」」


 十字さん、銀君、黒君が奏の掛け声に合わせて気合いを入れて車に乗り込んだ。

 運転手は赤井さん、助手席に奏が座り、後部座席に私、黒君、銀君、更に後ろに十字さん、白君、灰さんが座る形となった。


「奏、今日黒豆君は?」

「ここ」


 奏はポシェットを持ち上げて見せてくれると、黒豆君は小さなキーホルダーとなってくっついていた。


「やっぱり着いて来てるんだ」

「そ、しかも旅館の人数に入れてもらっちゃって……赤井さんありがとうございます」

「いえいえ、かまいません。 人数が多い方が旅行も楽しいでしょ?」

「それはそうなんですが……」


 奏と私が気にしているのは旅館の部屋割りの事……。

 私と奏はみんなとは別部屋だけど、黒豆君とみんなが一つの部屋……大丈夫かしら……?


 そんな心配も他所にみんなはトランプをやったりして楽しんでいた……もちろん私もだけど。


「そろそろ着きますよ。 海も見える頃です」

「わあ〜!」


 海を見るのが初めての黒君は大はしゃぎ!

 私も久しぶりの海でちょっとテンションが上がる。


「赤井さん、旅館はどの辺なんですか?」

「もう少し先になるので、先に海で遊んでから向かいましょう」

「大丈夫なんですか?」

「はい、大丈夫ですよ」


 今回の泊まる旅館は赤井さんが「ツテのある旅館があるのでそちらなら格安ですよ」 と言うのでお願いした。


「そう言う事なら、みんな楽しもうねー!」

「「おー!!」」


 奏もみんなも張り切っている。

 私も楽しまなきゃ損だよね。

 読んで頂きありがとうございます。

 不定期連載ですが頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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