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第50話 「久しぶりにお散歩しよう」

連続投稿2話目です!

「は~学校始まっちゃった~」

 

 登校中、欠伸をしながら犬飼さんは気だるげに歩いていた。あっという間にゴールデンウィークは終わり今日から学校。

 

「ま、まあしょうがないですよ」

「はあ、サボろっかな」

「ちょ、それは……」

 

 いくらなんでも無断欠席なんて! そう思っていた僕だったけど、どうやらそれは本心ではないようで……。

 

「ウソウソ! だってサボったりしたらわんこに会えないじゃん!」

「えっ……」

 

 一瞬で固まってしまう。ただのひっかけだったこともともかく、その発言は僕を熱くさせるのには十分すぎるものだったから……。

 

「あたしがサボったりするわけないでしょ?」

「な、ならなんで……」

「いや、そういう反応見たくてさ! だって超きゃわゆなんだもん!」

「わ、い、犬飼さん!」

 

 僕に思いきり抱き着いてくる。

 なんだろう、今までよりも積極的なような……。気のせいではない、今までだったらこんなに人通りの多いとこではここまでしてこなかった。

 

「はあ~……いつ抱いても癒されるなあ……」

「もご……」

 

 いつもより激しいせいか、僕の口と鼻は見事に犬飼さんの大きなお胸に埋もれてしまった。少しの隙間もないせいで段々息が……!

 

「あー!」

 

 誰かの声とともにようやく僕は解放される。その声の主は怒りに震える蓮ちゃんだった……。

 

「はあ、はあ……れ、蓮ちゃん!」

「なあんだ、邪魔しないでよ蓮」

「こ、この……!」

「にしし、さては僻んでるな~? あんたじゃこんなことできないもんね!」

「う、うるさ~い!! このビッチギャルめ!!」

「ははは、おっつ~! 行こっ!」

「ま、待て~!」

 

 すぐに僕の手を引き走り出す。何があったんだろうと思うくらい積極的だ……。

 

 学校の近くになり足取りが落ち着いてきたころ。体力がない僕は既に疲労困憊だった。もっと運動しないと……。

 いや、今日に関しては心臓がいつもより早く動いてるんだ。だって、あんなことされたら……。

 

「あ、そうだ。今日って何か用事あったりする?」

「今日ですか? 特には……」

「じゃあさ、放課後付き合ってくんないかな? 久しぶりにお散歩したいんだけど」

 

 

 

◇

 

 放課後になりどこかへ向かっている。というのも行き先を教えてもらっていないんだ。

 賑やかな街通りの方を歩いているのは分かるけど、この辺りは初めて来るからなんとも言えない。それどころか緊張感やそわそわした感じがずっとしている。あまり人だかりの多い方には普段中々行かないから。

 

「その、今日はどこへ?」

「ちょっと待ってて……あ、ここだここだ」

 

 たどり着いた場所はとある公園にある移動販売。多くの人が並んでいるのを見ると大人気のお店なのか、はたまたできたばかりの新しいお店なのか。

 

「これは……タピオカですか?」

「そう! 最近新しくできたらしくてね。タピオカティー飲んだことある?」

「い、いえ……」

 

 最近大人気なのは僕でも耳にしているけれど、口にしたことはない。一緒に行く相手もいなかったし、一人で行ける勇気もないし。

 ただ前から興味はあったからこういう機会はすごくありがたい。

 

「初タピオカなんだ。じゃあ一緒にタピろう!」

 

 そのまま僕は近くのベンチを確保しに行き、注文はすべてお任せすることにした。下手に知識のないまま頼むよりはそっちの方がいいよね。

 並んでいる人がそれなりに多かったため待つこと十分。

 

「お待たせ」

「ありがとうございます。あ、お金……」

「いいよいいよ! 付き合ってくれたんだし!」

「いや、そんなわけには――」

 

 その瞬間、突然僕の唇に人差し指を押し付けてきた。

 

「今はあたしに奢らせて。一応今でもあたしのペットでしょ?」

「……!」

 

 何も言えなくなってしまう。確かに僕はまだ……だけど男としてそれでいいのかな……。

 そんな葛藤に悩んでいるのを見抜いていたかのようにそっと人差し指を唇から離す。そして僕の耳元へ顔を近づけると――。

 

「その代わり、あたしのマジカレになった時にはタピオカ一杯奢ってよ、ね?」

 

 耳元で喋られることによるくすぐったさと、緊張と。色んな感情が混ざり合ったまま僕は黙って頷いた。

 

「決まりっ! じゃあさっそくタピろタピろ!」

「は、はい……」

 

 ベンチで二人並びながら口をつける。暖かな風が心地よさをさらに際立たせていた。

 甘い味にタピオカの柔らかな感触が見事にマッチしている。これは人気が出るのも納得できるような味だった。

 犬飼さんは隣でタピオカティーの写真を撮っている。聞けば『ニンスタに上げるんだ』とのこと。

 

「ん……美味しい……」

 

 甘いミルクティーの味、そこに交わるのは仄かな甘い香り……。これだけ近い距離にいるんだもんね……。自分でも何を言っているのかと思うけど、どうしても反応しちゃうんだ……。

 なるべく考えないようにタピオカに集中していると――。

 

『カシャッ』

 

「ん?」

「へへへ、ナイスショットいただき!」

「……!」

 

 思わず吹き出しそうになっちゃった。気づかない間に写真を撮られていたんだ。

 

「はあ、はあ、ちょ、びっくりしましたよ」

「ごめんごめん! 嫌だったら今すぐ消すけど……」

 

 そう言う犬飼さんはちょっと悲しそうな表情を見せる。そんな表情を見せられたら僕は……。

 

「い……嫌じゃないですけど……」

「……あっりがと~! さっすがわんこ!」

 

 なんだか久しぶりなようで、もっと激しくなったような。うまく言い表せないけど、そんな日常を感じる一日だった。

 ドキドキもすればドキッともするような。

 

 

 やっぱりこの人の隣はいつでも僕に恋を感じさせてくれる。僕は確実にそう思い始めていた。

閲覧ありがとうございます!

今回は初心に戻って二人だけでイチャラブさせました。


はい、やっぱり今時のJKならタピオカは外せないですよね笑

ちなみに自分はタピオカは嫌いな方です…。

そして次回は体育祭になります!


感想、評価、レビュー、ブクマ大歓迎です!

次回もよろしくお願いします!

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