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第40話 「夢の国へ!」

あけましておめでとうございます!

本年も本作をよろしくお願いします!

 朝早く、駅の集合場所。時刻はまだ朝の七時。僕はドキドキとした気持ちでみんなをみんなを待っていた。

 女子と遊びに行くなんていつ以来だろう……。子供の頃に蓮ちゃんと遊んでたくらいかな。

 少なくとも高校生になってからは初めて。いや、蓮ちゃんが引っ越してからは一度もなかった。そう考えると八年前になるんだ……。

 何だかどんどん緊張してきちゃうな……。なんていったってあれだけの三人と一緒なんだ。僕も恥じないようにしないと!

 

「いっく~ん!!」

 

 遠くから声が聞こえてくる。この声は間違いなく蓮ちゃんだ。

 

「いっくううん!! お待たせ~!!」

「蓮――ぐふう!!」

 

 痛い……。蓮ちゃんに抱き着くようにタックルされてしまった僕はその勢いに押されその場に倒れこんでしまう。

 いつも元気だなあ蓮ちゃんは。

 

「痛たた……朝から元気だね蓮ちゃん」

「当然だよ! だっていっくんと遊びにいくなんて八年振りだもん! もういっそこのままボク達だけで行っちゃおうか?」

「へ~、いい度胸じゃない蓮」

 

 蓮ちゃんに乗っかられているから顔は見えなかったけど、この声は間違いなく犬飼さんだ。

 

「お、おはようございます……」

「おっはよ~!」

 

 僕の挨拶にいっぱいの笑顔で返す。大人っぽい服がさらに魅力を引き立てていて、思わず目を背けてしまいそうになる。直視できないくらい可愛らしさが溢れてるんだもの。

 

「ってか、さっさと降りなさいよ蓮!」

「ふふん! さてはボクに妬いてるな巨乳ギャルめ~!」

「あの、蓮ちゃん……」

 

 気付けばそんなやり取りを数分繰り返していた。ゴールデンウイークとはいえ朝早くであるために人はほぼいなかったのがありがたいけど……。

 ようやく蓮ちゃんが僕から降りてくれた頃には集合時間直前になっていた。

 

「あとは先輩だけだけど」

「あ、あれ先輩じゃない?」

 

 遠くから走ってくる人影が僕達へ向かってくる。黒い艶やかな髪がなびいているその姿はあまりにも綺麗で似合っていた。

 

「はあ……はあ……! す、すまない遅れて……!!」

「いや、時間は大丈夫だけど……どうしたん先輩?」

「いや、その……よ、夜中まで服を選んでて……寝坊しかけた……」

 

 段々声のボリュームが小さくなり、髪をクルクルといじる。こんな先輩の姿は初めて見たなあ。

 いつも凛としててかっこいい先輩のイメージが強かったから。先輩でもこういう時には緊張するものなんだ。

 ……そうか、よく考えればそれはそこまで気合を入れているのは僕のためなのか……。自覚がなかったけど、先輩にそこまで思わせてるんだ。それは犬飼さんや蓮ちゃんも同じなのかもしれない。

 決して自分に酔っているわけではないけれど、こんなに素敵な三人に好かれている僕は本当に幸せなんだと思う。

 

「さっすがパイセン! こういう時のお約束をしっかり守ってくる!」

「い、いや、そんな……」

「そこに痺れるゥ! 憧れるゥ!」

「な、何を言ってるんだ君達は?」

 

 三人は和気あいあいと談笑している。何だか僕の知らないうちに仲良くなっていくなあ。もちろんその方が僕としては望んでいるのだけれど。

 そんなこんなで予定していた時間になった。

 

「よおし、じゃあ出発!」

「ちょ、なんで先輩が仕切ってるの!!」

「ま、まあまあ……」

 

 こうして僕達四人は電車を乗り継ぎ夢の国を目指す。

 道中僕の心中は穏やかではなかった。何か進展があればいいな、というより僕の方からはっきり気持ちを決められるようにしないといけないんだ。そう思うと内心落ち着かなかった。

 

 

 

◇

 

「この屋根見ると来たなあって感じするよね。超エモいんだけど!」

「こ、こんなに大きいのか……」

「今日はあんまり混んでないみたいだね」

 

 ゴールデンウィーク初日だからもう少し人が多いと思ってたけど、思ったほど混んではいなかった。これは物凄くラッキー。

 それにしても久しぶりに来たからかな、この園内の雰囲気に圧倒されてしまう。ふと横を見れば三者三様の反応。

 

「みなさんは来たことあるんですか?」

「あたしは何回も来てるよ。なんなら学校帰りにもアフターファイブで来てるし」

「が、学校帰りにも!?」

 

 そんなことできるなんて、相変わらず行動力が物凄いなあ。

 

「わ、私は初めてだ……」

 

 先輩は妙にそわそわしている。そっか、初めてなんだ。僕も久しぶりだからパークの雰囲気に圧倒されている。初めてなら僕以上に圧倒されてもおかしくない。

 それにしても今日は先輩の今まで見れなかった面がたくさん見れている。いつもとは全く違う、何というか等身大な感じの……。

 

「蓮ちゃんは?」

「ボクも初めてだよ。ユニバーススタジオの方には何度も行ってるけど」

「そっか、蓮ちゃん京都に住んでたんだもんね」

 

 蓮ちゃんも初めてだそうだけど動じている様子はない。それもそう、蓮ちゃんはこういう時は思い切り楽しむタイプなんだ。

 

「じゃあ、まずは――」

「その前に!!」

 

 僕の言葉を遮り犬飼さんが声を張り上げる。なんだろう?

 

「せっかくこういう機会だから、あたしから提案があるんだけど」

「提案……?」

「そう。今はちょうど開園したばかりの時間。つまりまだまだ夜までたっぷり遊べる。ってことでさ」

 

 僕達はみんな緊張感に包まれていた。いったい何を言い出すのかが予測できなかったから。

 そして犬飼さんはそっと口を開く。

 

 

「時間で交代制にしてわんこと一対一になるのはどう?」

「な、何だと……」

「い、いっくんと……一対一……!?」

 

 二人とも想定外だったのか、驚きを隠せずにいる。それは僕自身も同じだった。

 

「い、いいのか!?」

「いやあ、あたしもどうせならマンツーになりたいしね。けどあたしだけってわけにもいかないでしょ? もちろんわんこがいいならだけど」

「い、いっくん!! もちろんいいよね!?」

「え、えっと……みなさんがいいなら僕は……」

 

 断る理由はない。僕としてももっと色んなことを知れるチャンスだし、距離を縮めることも……!

 だから僕は二つ返事で了承した。

 

「うっし! じゃあじゃんけんで順番決めよう! 勝った人が最後ね!」

「ふむ、ならば私が最初に勝たせてもらおう」

「ふん! 最初に勝つのはボクだよ!」

 

 気のせいかな、火花がバチバチと飛び散っているように見えるのは……。

 園内はそこまで人が多くないとはいえ、周囲からは視線を浴びている。もっとも三人はそれに気が付いていないようだけど。

 

「じゃあいくよ! 最初はグー!! じゃん! けん! ポン!!」

 

 三人の手が同時に出される。勝っていたのは……!!

閲覧ありがとうございます!


次回から夢の国個別編です!

余談ですが順番はマジでくじ引いて決めました笑


感想、評価、レビュー、ブクマ大歓迎です!

次回もよろしくお願いします!

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