第29話 「これから先はどうなるの?」
連続投稿3話目です!
「え! 二人とも知ってたの!?」
その日の夕ご飯、今日は家族全員揃う日。
せっかくだから蓮ちゃんと再会した話をしていたんだけど、なんとお父さんとお母さんは知っていたみたい。確かに蓮ちゃんの両親と友達だから知っていてもおかしくはないんだけど。
「まあな。あいつから事前に聞かされてたし」
「ならなんで教えてくれなかったの? 言ってくれれば学校の案内くらいしたのに」
「いや、蓮ちゃんが一和には秘密にしておいてくれって言ってたらしくてな」
僕に秘密に?
「きっと一和のことをびっくりさせたかったのよ」
「そうなのかな……」
僕を驚かせたかったからか、なんだか蓮ちゃんらしいや。
昔からそういういたずら好きなところがあったもんね。それの被害を受けるのは大抵僕なんだけど……。
「へ~あの子帰ってきたんだ」
「うん、それも僕と同じ学校に入学してきたんだ」
お姉ちゃんも昔はよく面倒を見てくれたっけ。蓮ちゃんの両親もお仕事が大変だった。だから夕方まで家で遊んでたこともあった。そんな時にお姉ちゃんは僕達の面倒を見てくれていた。
「久しぶりに会いたいかも」
「うん、この近くに越してきたみたいだから今度遊びにおいでって言っておいたよ」
久しぶりに会ったし、積もる話もたくさんある。けど今日はそれどころじゃなかったから……。
せっかくだから今度久々にうちに来て欲しいな。
……ただそれと同時に僕にとっては重大な問題になったのも事実。
まさか蓮ちゃんまでもが……。
『うん、大好きだよ!!』
この大好きが意味するところは友達としてなのか……いや、そんなわけがない。だってはっきり言っていたじゃないか。
『また恋敵が……!?』
『まあそういうことになるかな? ま、ボク負ける自信ないんだけどね』
このやり取りが示す答えはたった一つ。それは……蓮ちゃんも僕のことを……。
再会したことだけでも予想外だったのに、まさかこんなことになるなんて。
「僕本当に死んじゃうんじゃ……」
「どうしたの一和?」
「いや、何でもないよ……」
犬飼さんと先輩の二人ですら僕ははっきりと答えを出せないんだ。ここに蓮ちゃんまで入ってくるなんて……。
自己嫌悪に浸ってるわけではないけれど、自分が優柔不断なことをここまで憎く思ったのは初めてだった。
色々こうやって悩むのは悪いことじゃないんだろうけど、いつまでもウジウジ悩んでるのは失礼だ。それは分かってる。それでも答えをはっきり出せずにいるのは……僕がモテないからなんだろうなあ……。
「はあ……」
二年生のうちに答えを出すと決めたけど……蓮ちゃんの登場で一波乱あるように思えてきた。
いったいどうなるんだろう、僕の高校生活……。
◇
ベッドでゴロゴロしながら考え事をしている。やっと会えたんだ、ずっと会いたかったいっくんと。けどなんでだろう、心から喜べないのは。原因は間違いなくあの二人。
「まさかあんなことになってたなんて」
いっくんと久しぶりに会えた。それは心から望んでたことだし本当に嬉しかった。ずっと会いたかったんだもん、八年間ボクの心にはいっくんがいたんだもん!
……なのにまさかいっくんがあんなにモテモテになってたなんて。ボクと離れてた間にいったいなにがあったんだろう……。
「あの二人……」
正直言ってあの二人、犬飼先輩と颯先輩だっけ? ボクよりもスタイルがいいし、容姿も……。ボクは女子の中ではそんなに大きいほうでもない、いっくんとほぼ同じだし。それに、悔しいけど胸も……。
「いっくん……」
ううん、だからって明け渡す気はさらさらない! あの二人はせいぜい数ヶ月程度の付き合い、でもボクはずっと一緒だったし八年間も離れ離れになってたんだ。いっくんを想う気持ちは何一つ負けてない。いや、負けない!
「ボクが一番いっくんを好きなんだ。だってボク達は相棒同士だもん!」
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