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第20話 「大事なこと」

連続投稿2話目です!

「ただいま~」

「……」

 

「おっ、今夜はカレーかあ」

「……」

 

「いただきます」

「……」

 

『なんでやねん!』

『アハハハハハ!!』

「はははは!!」

「……」

 

 

 

 

 

「いや、いい加減何か喋りなさいよ!!」

「はっ!」

 

 お姉ちゃんの声でようやく自我が戻ってきた。完璧に無意識だった。学校から帰って今の今まで放心状態になっていたんだ……。

 

「どうしたのよボーっとして?」

「お姉ちゃん、僕明日死んじゃうのかな……」

「何バカなこと言ってんのあんた……?」

 

 訳が分からないといった目で僕を見る。それも当然だよね。でも本当にそうなりそうで怖いんだ。まさか奇跡が二回も起きるだなんて……。

 

「で、一体どうしたってのよ?」

「……実は――」

 

 

「そうか、あたしの言った通りになったわけね」

「うん……」

 

 ありえないと思っていたことが本当に起こった。まさか二人から告白されたなんて……。

 

「それにしては嬉しくなさそうね」

「そんなことはないよ。僕なんかに告白してくれたことは凄く嬉しかった。けど……」

「けど、何?」

「分からないんだ」

「分からないって?」

「何で僕なんかをす、好きになってくれたのか……」

 

 そう、僕が一番分からないのがそこだった。

 僕を好きになる理由が分からないんだ。体も小さい、運動も苦手、顔だってかっこよくない。そんな僕にあんなに素敵な二人が何で……? 学校には僕なんかよりかっこよくて、運動もできて、友達も多い人達はたくさんいる。そんな中でなぜ僕を……。

 

「はは~ん、理由が分からずに悩んでたんだ」

「……うん」

 

 家族であるお姉ちゃんは僕の良さを知ってるのかな? まあ仮にあっても教えてくれないかもね。

 

「まあ、それで困惑するのも理解はできる。けどさ」

「けど……?」

「大事なのはそこじゃないんじゃない?」

「え?」

 

 お姉ちゃんの言っていた意味がよく分からなかった。人を好きになるって理由があってこそのものなんじゃないの?

 

「いい? 人を好きになるってことは誰だってある。そこにいちいち理由やら打算なんて必要ないのよ。本当に大事なのは好きになる理由よりも、好きになった後なんじゃない?」

「好きになった後……」

 

 そうか、僕は勘違いしていたんだ。理由がどうこうなんて本当は大した問題じゃなくて、好きな気持ちを成就できるか。それとどう向き合うかが大事なんだ。理由が分からない云々で悩んでる暇なんて、僕にはない。

 

「ありがとう、お姉ちゃん」

「いいのよ」

 

 ここ最近、お姉ちゃんにはかなり助けられている。いや、最近だけじゃなくずっと前からだね。僕も小さいころはよくお姉ちゃんに甘えてたっけ。何だかんだ言いながら、僕の自慢のお姉ちゃんだ。

 

「うん、何だかすっきりした気がする」

 

 心なしか、肩が軽く感じる。悩みが一つなくなったからかな。同時にもう一つ問題があったことを再確認する。

 二人に告白されたこと、二人にはまだ伝えていないんだ……。

閲覧ありがとうございます!


ラブコメ描いたのは自身初めてなんですがいやあ、ラブコメって難しい。


感想、評価、レビュー、ブクマ大歓迎です!

次回もよろしくお願いします!


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