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第100話 「大晦日」

 十二月三十一日、大晦日。今年も今日で終わる。人々はテレビを見ながら年越しそばを口にし一年の思い出に浸り新年の幸運を祈る。

 そんな今年最後の日に私は何をしているかというと――。

 

「どうだ?」

「やりにくさはないですね」

「久しぶりのリングだからな。しっかり確認しとけ」

 

 埼玉で会長達とリングチェックを行っていた。

 今年の大晦日、ありがたいことに私は格闘技イベントであるFUZINに試合の誘いを受けたんだ。この格闘技イベントというのが日本最大の興行でテレビ放送もされる。ここでいい試合をすれば知名度も上がるし継続参戦することだって可能だ。さらにはここから世界へ旅立つ選手も少なくない。

 そんなメジャー興行にお声がかかったのは間違いなく私の選手生活において最大のチャンスだろう。

 

 リングチェックを終え控室へ。試合開始まではまだかなり時間が余っている。

 

「こう大きな舞台だ、緊張してないか?」

「今のところは」

「圧をかけるわけじゃないけどな、うまくいけばテレビにも出られるし知名度も上がる。だからこのチャンスを絶対に潰さないようにしないとな」

「ええ」

 

 会長達からすれば嬉しいんだと思う。自分の選手が大きな興行に出場しテレビにも出られるかもしれないのだから、ジムの経営者としては当然の感覚だろう。

 

 ……けれど私にとってはあまり興味はない。本当に見ていて欲しい人は見てはいないのだろうから。

 

 

 ◇

 

 十五時になりオープニングセレモニーが始まった。当日の出場選手が全員登場するのだ。当然私も。

 火薬の音と興行のテーマソングが入場口の裏まで鳴り響く。小さい頃からずっと憧れ続けた舞台についに立てるんだ……。

 

『FrooomJapaaan! Ruuuuka Hayaaate!』 

 

 私の名前が呼ばれたのでステージへ。大歓声を肌に浴び数万人の観衆の視線を受けた。

 入場口で帽子を取りお辞儀する。いざ会場に出てみると心臓が一気に高鳴っていく。

 この大晦日の舞台に立ちたくない格闘家などこの国にはいないだろう。それだけこの大晦日というのは特別な舞台なのだから。

 

 

 セレモニーも終了し控室へいきアップを始める。私の試合は第四試合、今のうちから体を温めておく必要がある。刻一刻と時間は過ぎていった。どれだけ時間が経ったのかは分からない、時計など見ている余裕もなかったから。

 

 だが、その時はやってくる。

 控室のドアが開けられスタッフが入ってくる。

 

「颯選手、準備お願いします」

閲覧ありがとうございます。


今回はずっと描いてみたかった総合格闘技の話です。

何度か書いていますが自分自身大の総合ファンで毎年大晦日に会場へ観戦しに行っているくらい好きなので(もし読者の中で格闘技好きという方がいらっしゃれば感想等お待ちしております)。

ちなみに格闘技好きな方がいたら分かったと思いますが、今回のモデルはモロにRI〇INです。

次回は試合部分を描こうと思います。


思ったこと、要望、質問等があれば感想いただけるとすごくありがたいです。

感想、評価、レビュー、ブクマ大歓迎です!

次回もよろしくお願いします!

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