表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Donor・World  作者: 嘘愚龍
1/7

第1話 終わった後の新たな始まり

晴れた日の朝だった。

青年は、いつもの様に目を覚まし、気だるそうに体を起こし窓を見る。


「あぁ…今日も晴れてるなぁ…」


青年はそう言うとベットから抜けて着替え、顔を洗いカゴの中にあるリンゴを一つ手に取り、外へ出た。

青年は家の前に出ると、さっき取ったリンゴを食いながら、薪を割る準備をしていた。


「ったく…大魔王をせっかく倒したってのに…人間は俺を化け物を見る様な目で怯えやがって…」


青年はそんな愚痴をこぼしながら食い終わったリンゴを茂みの方に捨て、薪を割り始める。

彼の名はレオルド・キングロード、かつて世界を脅かしていた大魔王を倒した、勇者である。

しかし、レオルドは大魔王を倒した後、人とは思えない様な力と動きで、人々から人を越えた存在として認識され、一応魔王討伐の功績は称えられたりはしたのだが

大魔王がいなくなった世界に勇者は必要なくなり、同時に人を越えた存在として認識されているが故に人々は表には出さぬがレオルドを恐れ、レオルドはそれが気に入らなく、人里離れた山奥に小屋を建て、暮らす様になったのである。


「ハッハッハッ、ファイターとしての経験がまさか薪割りに役立つなんざ…思っても見なかったぜ…」


レオルドはそう言い、薪ごと真っ二つになった切り株を見ながら一息付くのだった。


「あのぉ〜…」


レオルドは咄嗟に笑顔を作り、声の方向を向く


「やぁマリエラさん、おはようございます」


レオルドに声をかけたのは、この山を降りた所にある町に住むシスター、マリエラである


「えぇと、コレ…良かったら…」


マリエラは少しおどおどした様子で、レオルドに果物やパンが入ったバスケットを渡す


「ホント、いつもいつもありがとうございます…僕の為にわざわざこんな山奥まで来てくれて…」


レオルドは、マリエラが来るまでとは違う口調で話し、バスケットを受け取り深々とお辞儀をする


「いっいえ…山登りは昔からの日課ですし、それに…レオルドさんが大魔王アビスを倒して下さったおかげで、危険な魔物もあまり姿を現さなくなりましたから…」


マリエラは頬を赤らめながら、顔を伏せる


「ハハ…けど、完全に世界から魔物が消えた訳ではないですし、あまり無理はしてはいけませんよ?」


レオルドは笑顔を浮かべ、優しくマリエラに語りかける


「はい…では、そろそろ行かないと教会の仕事に遅れてしまいますので…」

「えぇ、気を付けて帰って下さいね!」


マリエラは、それではと深く礼をし、山を降りていった


「…ふぅ」


レオルドはマリエラの姿が見えなくなったのを確認すると、やれやれと深くため息をついた


「ホント…俺の為にわざわざご苦労なこった、まぁ…町に行かずメシが貰えるから良いけど」


レオルドは、割った薪を拾い集めながらぶつくさと言ったのだった

マリエラは、レオルドが山奥に住み初めてから、毎日の様にレオルドの元に訪れ食べ物の入ったバスケットを渡しに来る

レオルドはマリエラが自身に好意を寄せている事を少なからず察していたが、レオルドはそれを何とも思わずにいた


「しかし…アイツは俺が怖くないのかねぇ…大体の人間は俺を勇者様と呼びながら、怯えた目で俺を見やがる…チッ…」


レオルドはそう言い、集めた薪を資材置き場に置き、細身の剣を背負い、狩りにいくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ