表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

93/93

終幕

 2003年から始まった巨獣時代。


 突如として現れた巨獣群は、都市を蹂躙し、国家を崩壊させ、人類が築き上げてきた文明と秩序を容赦なく破壊していった。

 度重なる襲撃と混乱の中で、多くの土地が失われ、多くの文化が途絶え、数え切れない命が消えていった。


 海は変わり、森は変わり、生態系そのものが書き換えられていった。

 かつて人類の支配下にあった世界は、巨獣という存在を中心に再構築され、各地には新たな環境と生命圏が形成されていった。


 その果てに残された世界は、荒廃していた。

 廃墟と化した都市群。

 人口を失った国家。

 分断された地域社会。

 そして、巨獣によって恐怖を刻まれ、変わってしまった人類。


 だが、残されたのは絶望だけではなかった。

 瓦礫と廃墟に覆われた世界の中にも、人類が再び立ち上がるための未来と、確かな希望は確かに存在していた。


 困難の時代を生き延びるために奔走した人々がいた。

 命を賭して前線に立ち続けた兵士たちがいた。

 崩壊した世界でなお、新たな命として生まれてきた子供たちがいた。

 “地球の意思”の器として生まれた、一人の少女がいた。 

 そして、巨獣へと姿を変えながらも、人類の未来を繋ぎ続けた一人の少年がいた。


 網倉雅久──彼が選び、彼が背負い、彼が遺したものは、単なる勝利や終戦ではない。

 それは、人類が再び「次の時代」を選び取るための時間と可能性そのものだった。


 多くの犠牲によって生まれた新しい世界は、決して平穏でも、完全でもない。

 傷跡は深く、失われたものはあまりにも多い。

 復興には長い年月を要し、人類はこれからも数え切れない困難に直面し続けるだろう。

 

 それでも、人類は再び歩き始めている。

 瓦礫の上から、過去を背負い、喪失を抱えながら──それでも、未来へ向かって。


 巨獣時代は終わった。


 だが、この時代を生き、戦い、苦しみ、それでも誰かのために選択し続けた者たちの記憶は消えない。

 その物語は、戦後を生きる人々の中で語り継がれ、やがて歴史となり、未来を生きる誰かへと受け継がれていく。


 ──どんな時代にも、必ず希望はある。


 それが、この世界に生きた者たちが、最後に遺した証だった。

https://www.pixiv.net/artworks/147060882

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ