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公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。  作者: 木山楽斗
本編

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第30話 数年ぶりの再会

 私とレティは放課後、家庭科室に来ていた

 ここで、手紙の主が待っているはずなのだ。


「あれ?」

「おやおや……」


 そう思っていた私達だったが、戸の前で驚くことになった。

 なぜなら、ノックしても何も応えが返って来ないからだ。


「まだ、来ていないのかな?」

「呼び出しておいて遅刻とは、いい度胸ですね?」

「まあ、とりあえず、中に入ってみようか?」

「そうですね。何かあったら、大変ですし……」


 私とレティは、中に入ってみることにした。

 手紙の内容が真実なら、ここにその主が来るはずだ。

 部屋にいないなら、待っておけばいいし、部屋にいるなら、何かあったのかと心配である。そのため、私は戸を開けるのだ。


「え?」

「は?」


 戸を開けて、私達は再び驚いた。

 なぜなら、部屋の中に人がいたからだ。

 その女子生徒は、私達の正面で、胸を張って立っている。


「ええ!?」

「うん?」


 そして、その姿に私は三度驚くことになった。

 私は、その女子生徒に見覚えがあるのだ。

 背や体格は、変わっているが、その顔には幼い頃の面影がある。間違えはないはずだ。


「トルカ!?」

「久し振りだね、ルリア」


 その女子生徒は、私がかつて暮らしていた村の幼馴染であるトルカだったのである。




◇◇◇




 私とレティは、トルカと話すことにした。

 トルカには、色々と聞きたいことがある。


「びっくりしたよ。まさか、トルカがいるとは思っていなかったよ」

「あはは、サプライズ的には、正解だったかな?」


 まず、最初は何故トルカがこの学園にいるかだ。

 トルカは、私より一つ年上である。そのため、学園に入ったとしたら、それは去年のことだ。

 しかし、私はそれを知らなかった。トルカとは、手紙でやり取りしているので、それを教えてくれなかったのは、何故なのだろう。


「どうして、この学園に? 私、何も知らされていなかったよ?」

「ああ、それなんだけど、色々と事情があってね。実は、リクルド様がこの学園に招待してくれたんだけど……」

「え!? お兄様が!?」


 トルカの言葉に、私は驚いた。

 まさか、お兄様がそんなことをしていたとは、まったく知らなかった。

 ただ、私の元いた村は、今はお兄様の管轄になっている。そのため、声をかけること自体は、そこまでおかしなことではない。


「それで、リクルド様には、ルリアには学園に入ることを言わないように言われたんだ」

「え? そうなの?」

「なんでかはわからないけど、とりあえず従うしかないからさ」

「まあ、そうだよね……」


 お兄様の意図はわからないが、それに逆らうことなど、トルカはできない。

 そのため、伝えられなかったのは、仕方ないだろう。


「それで、どうしてあんな呼び出しを?」

「あれは、サプライズもあるけど……流石に、私がルリアを呼び出したとなったら、まずいでしょう? だから、友達の貴族に渡して、後輩に頼んで、ルリアの元に届けてもらったの。勘違いされないように、その貴族は後輩に名前は言わないように、口止めもしてもらったんだ」

「そ、そうだったの? それは、かなり苦労をさせてしまったみたいだね……」


 どうやら、私のためにあのような呼び出し方をしたらしい。

 身分の差というのは、こういう所で現れるのだと、実感する。

 ただ、手紙の中に名前を書いていなかったのは、サプライズのためなのだろう。昔から、トルカはそういう性格なので、そこは懐かしい気持ちになる。


「それにしても、ルリアも大分変わったね?」

「まあ、手紙でやり取りしていたとはいえ、会うのは久し振りだからね」

「そうだね。本当に、久し振りだ」


 私とトルカは、笑い合う。

 なんだか、とても嬉しい。

 久し振りに友達と会うのは、こんなにも嬉しいことであるようだ。


「それで、そっちが妹のレティ……様だよね?」

「あ、うん」


 そこで、トルカはレティの方に目を向ける。

 目上の人間であるため、一応様付けしたようだ。


「私に、気を遣う必要はありませんよ。お姉様の友達なら、別に気軽な感じでいいです」

「そ、そうなの?」

「だって、お姉様の手紙で、私のことは色々と聞いているでしょう? 恐らく、そんなに目上の人とは思われていないはずです」

「それは……」


 レティの言葉に、トルカは目を逸らす。

 恐らく、それが図星だからだ。

 それに、私も感じている。手紙で、レティが何を言ったかなどを書いていたことを。


「まあ、それじゃあ、よろしく。あんまりよくないけど、他に人もいないし、いいよね?」

「ええ、それで結構です」


 結局、トルカは私と同じような口調で、レティと接することにしたようだ。

 貴族に対する態度としては、少し失礼かもしれないが、友達の妹なら、こんなものだろう。


「あ、そういえば、ルリアはリクルド様とはどうなの?」

「え? どう?」


 次に、トルカは私にそんなことを聞いてきた。

 どうとは、一体どういうことだろう。


「おや、知っているんですね?」

「もちろん。手紙で、リクルド様のことを語っている部分だけでもわかるよ」

「ああ、なるほど。お姉様は、結構わかりやすいですからね」


 トルカとレティは、お互いに笑い合った。

 なんだか、もう仲良しみたいで、嬉しく思う。

 ただ、それが私のお兄様に対する思いの話をしている結果であるということは、少々腑に落ちない。

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