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星と僕らの××の扉  作者: 楠木 勘兵衛
★第2章.嫉妬にまみれた体育祭編
18/35

★第18話 繋いで、繋いで、誰かの力が活きる競争へ

完全修正(2025/04/06)

※キャラの台詞思いつき先に書く→それに合わせるように舞台を進める→繋げるのに苦労する→投稿・修正に時間がかかるという状況…。



 ◆



[???解説役]

※すごいダイジェストでお送りいたします。



 ずぶ濡れの第二走者からバトンを受け取り、続いて第三走者。Q組は水速みはや流衣るい鳥羽とば協介きょうすけ。対するR組は御祓みはら紗代さよ白喰しろばみ封子ふうこ。走りでは既に折り返しの組。


 男子組のQ組が肉体的有利として、相手との距離を広げる。第二走者の時は妨害あって遅くなったが、ここに来て取り返しに来ている。先を進んでいくと暗がりなトンネルに行き着いた。


 立ち止まるわけには行かず、先にQ組の2人が中に入っていく。その中はとても暗く、出入口以外に光は差し込まない程。湿った空気が彼らの肌をいやらしく撫でている。不気味という言葉がよく似合うそのトンネルは長さにして50m走と同じ位だと推測できる。



水速「ぼさっとしてないで行くぞ」

鳥羽「ここ、鳥の気配する」

水速「…はあ?」



 次の瞬間、バン!と赤色のスポットライトがトンネル内に照らされた。その一つ一つの明かりは小さいが、無数の数が動いている。その光源が何処かと目を動かせば、トンネルの天井付近のパイプに足を置いた鳥が無数にいた。



鳥羽「見つかったらまずいね」

水速「…だるっ」


御祓「な、すさまじい気配…」

白喰「赤色いっぱいだあ~」



 R組の2人も追いつき、トンネル内には無数の鳥と4人の人間。赤色の目から繰り出されるライトに注意しながら進んでいく。さながらスパイ映画のような状態。観客はいつ見つかるのかひやひやしながら見ているだろう。赤色の目が移動するたびに、自分の体が映らないように動く。一歩一歩を慎重に踏みしめ、トンネルの外を目指す。


 ちょうどトンネルの真ん中あたりまでQ組のペアが辿り着いた時、しびれを切らした一人が叫んだ。



白喰「んなあああ!!じれったいよ!」

御祓「白さん!?」


『キョエエエエエ!』

『グエアアア!』


水速「おい、行くぞ!!」

鳥羽「鳥…とり」

水速「鳥はいつでも会えるだろ馬鹿!」



 鳥は大声を出し、4人に襲いかかってきた。もうこれでは慎重に歩いていた意味など無い。水速は早々に見切りをつけて鳥羽の腕を引っ張り走り始めた。鳥羽は名残惜しそうに鳥を見るばかり。



白喰「アレやるぞー!」

御祓「え!?で、いや、やりましょう!」

鳥羽「?」


白喰「必殺【閃光爆風の術】!」


水速「マジかよ…!」

鳥羽「わあ」



 正に霹靂一閃の光。白喰の能力で生成された札を取り出し掲げた瞬間だった。眩いばかりの真っ白な光と、猛烈に吹き飛ぶ爆風によってトンネル内は荒らされる。ついばみに来ていた鳥をも吹き飛ばし、水速・鳥羽ペアを超え一気にゴールにまでその能力によって辿り着いた。


 数秒とかなりの時間を大差につけられたその様は、彼らにとっては”呆然”の感情以外何もないだろう。



水速「畜生…だったら」

鳥羽「ダメだよ」

水速「はあ?」

鳥羽「してやられたっての分かるけど、でも、”寿命を縮める”ようなことはダメ」

水速「だったら全速力で走れよ!」

鳥羽「もちろん」



 ◆



 鳥についばまれ、更には爆風でボロボロで土煙を浴びた第三走者から、第四走者へバトンがつながる。Q組は多白おおしろゆき鹿路ろくろ美玖みく。R組は椿本つばもと冬香ふゆか二口ふたくちゆめ。どちらも女子の組み合わせで、肉体的に差はあまり生まれないが、先ほどの白喰の能力によって距離を大幅に広げた状態では、追いつくのに精いっぱいであった。



多白「この距離ですと3~4秒は離れてますね…」

鹿路「それ不味くない??うちら超ダッシュしないと負けちゃうじゃん」

多白「私達のコースは恐らく学問からのクイズ系です。足を止められないよう気を付けましょう」


AI『そこの禍福課の卵諸君!!』

「「!!?」」


AI『進みたくはクイズ勝負!連勝すればスピードアップ!』

鹿路「もうクイズってわけ!?」

多白「良いでしょう。受けて立ちます!」


 ・

 ・

 ・

 ・


AI『四字熟語問題。欠けたところが全く無く』

二口「完璧超人!!」

椿本「完全無欠…」

AI『完全無欠……正解デス』


二口「椿っち博識だねー」

椿本「二口さんも…一緒…賢い……」

二口「そう?ありがとねー☆彡って…なんか後ろからすごい勢いの土煙が…」



多白「”一寸の虫にも五分の魂”!!」

鹿路「”自画自賛”!」

多白「玉石混交!欣喜雀躍!虚心坦懐!酔生夢死!」

鹿路「(聞いたことない言葉しかない…)あ、え、、単刀直入!あと、雨降って地固まる!」


多白「悲憤慷慨!」

鹿路「海老で鯛を釣る!」

多白「井の中の蛙大海を知らず!」

鹿路「絶体絶命!!!」



椿本「…!。もう来た…私達も、行くよ」

二口「うひゃー折角の大差がもったいなーい。アイツに絞められるとか絶対カンベンだからね!」

椿本「……。(彼はそんな人じゃ…)」



 椿本は何か口をもごもごとしていたが、言葉にはせず二口には何も届かなかった。その後ろを猛追しようと多白と鹿路が問題を正解しながらやってくる。R組もその差が埋まらないよう問題を正解して走っていった。



 ◆



 数メートル続く普通の道から、多少固められた砂の道が置いてある。空気が触れて砂が下へ零れ落ちている。体重を強くかければいとも容易く落ちてしまいそうだ。落ちたらタイムロス。最後に繋げる5番目な以上、油断やミスは後続に迷惑をかける。



車屋「配達は俺のお家芸だからね」

蛸背「知っとるわ。自分を上手くサポートしてくれるよう頼みますわ」



 しかしQ組の二人はやけに落ち着いていた。自分達のミスが最悪の結果になる…いや、ミスなど犯すわけがないと心からの自信と余裕で満ちている表情と態度だ。

 先に来るのはR組。多少の差が縮まれど3番目のあの大差がここまで響いている。その差をより縮めなくては先着など夢のまた夢。



椿本「よろしく…!」


紙徒「承りました。任せてください」

狐崎「レッツコーン!」



 R組のバトンパス、先に行かれても2人は余裕の表情のまま。余程の自信が彼らにはあるのだろう。差を縮める位の、自分達が逆に差を生み出してしまう位の自信があるのか。

 続いて3秒後に多白・鹿路がヘロヘロの状態でバトンを渡しに来た。



多白「任せましたわ…」

鹿路「喋りすぎて水渇望中…ゲホッ」


車屋「あいよー任せてね!いくよ~条!」

蛸背「はいはい。傍から見たら運ばせてるヤバい奴の蛸背行ったりますわ…」

車屋「俺はこうじゃにゃいと、能力発揮できにゃいのー!」



 どこからか用意した猫車に蛸背が乗り込む。そしてそれを車屋が押す。これは彼らが出会ってからずっとやってきた乗り方で、戦ってきた安心のフォーメーションだ。車屋は目に火を灯し、前へと進んでいった。

 対するR組も崩れそうな砂の上を人で走るのには危険と判断し、紙でできた全自動の舟を使い前へと走っていた。


 車屋の能力は”火車”。物を運ぶ時限定だが、その時はまさにアスリートレベルの身体能力が向上し足の速さはスピード系能力とも遜色そんしょくないものにまでなる。しかし、それは物を運ぶ時という限定された状態のみ。普通に走る姿では全くもって発動しない。(車は自分で用意している)

 その走りがこの戦いで活き、砂が崩れるよりも余裕を持って走っていく。暫くしないうちに、QとRの距離は横に並んだ。



紙徒「曲者!」



 R組の紙徒かみと郵清ゆうせいが紙を蛸背たちに飛ばす。だが、それは蛸背の触手によって簡単に弾かれる。



蛸背「そんな紙の力ぐらいで、自分の蛸は死なないんすわ」

紙徒「不覚。私目の能力の鍛錬不足…」

蛸背「鍛錬不足ねぇ…その柔い紙、自分の質量で殴れるんやろか」


狐崎「紙徒!!」

紙徒「ご安心を。耐久など一番に対策済みです」【紙封防衛しふうぼうえい



 蛸背が思いっきり異空間から軽々と触手を繰り出す。あまりに質量の暴力を極めしぶりっとした蛸足だが、紙徒は自分の能力で防ぐ。お互いの能力は拮抗状態。妨害は無駄な手段になった。



蛸背「なんや、紙耐久かと思ったんやけど、案外強いんやな―。流石は推薦抜擢のR組や」

紙徒「油紙に火の付いたような人間だな。喋る暇など私達には無い」


蛸背「それ、自分達も同じやな~。でもな~燃える火のような闘志が足りんでな~」

狐崎「だったら付けてやろうか!?その猫車燃やしちゃう位にな!!」

紙徒「紙が燃えるから止めたまえ。それに簡単な挑発に乗るのは許されぬ」

狐崎「あいよー…」



 蛸背が挑発するも不発。狐崎は乗せられそうになったが、理性的な紙徒の言葉に素直に従う。それに蛸背と車屋は落胆した。まるで火が投げられ燃やされることを望んでいたかのように。



蛸背「つまらんなー。じゃあ、もうええわ。あれ使うわ。朝火バランス気をつけとってな…」

車屋「おー!あれが来るんだねー!?」



 蛸背はまた触手を繰り出すが、今度は異空間ではなく、車屋の背中と猫車の側面の2か所から。猫車側ので自分と猫車を固定し、次に車屋の背中から飛び出した蛸の触手は、さっき出した物よりも、衣を広げた様にとても大きく太く弾力がありそうな見た目。それを思いっきり伸ばし、砂で崩れ落ちた後ろの地面につける。地面につければ、車屋と蛸背も一緒に砂の道から置いてけぼりになり落ち、蛸の触手は二人と猫車の重さがのしかかる。


 そして、



蛸背「頂点てっぺんまで飛んでけ」



 触手のしかかりが解かれ、二人は思いっきり吹っ飛んでいった。蛸背は自身が繰り出した触手をばねに吹き飛ぶことを選択したのだ。これは第3走者のR組ペアがやっていたこととよく似ていた。



紙徒「なっ…!」

狐崎「と、飛んだ!?」


蛸背「触手の応用術やなーホンマ」

車屋「さっきの人達が飛んだのと似てるね」

蛸背「飛ぶのが有利ちゅーことや無いけど、半円を描くように飛んでいけば投擲とうてきみたいには吹っ飛ぶもんなー。ま、それが最強なんですわ」



 Q組ペアは、R組に大差をつけて最後の走者へ受け継ぐために走り続けていく。



悟川『すごっ…』

白星『まさに自分達の能力をいかんなく発揮していますね…』



牛視うしみ件乃くだの:男・15歳・187cm・9月9日生まれ・【一人称】:俺/僕【出身地】:高知

【能力】:予知ができる能力(ただし予知は勝手に来るので難しい)それ+怪力も持ってる

穏やかで心優しき性格。冷静さも持っており見た目とのギャップに地元のおばちゃんはメロメロ。家族で牛の牧場を経営しており、肉を捌くのが上手い。傘木君とは一番にできた県外の友達で嬉しい。

【好物】:焼肉・乳製品・友達と遊ぶこと・日向ぼっこすること


▼良かったら「評価・ブクマ・いいね」してくださると小説活動の励みになります。とっても嬉しいのでお願いします。

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