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星と僕らの××の扉  作者: 楠木 勘兵衛
★第2章.嫉妬にまみれた体育祭編
15/35

★第15話 第二種目:クラス対抗障害物競争!?

完全修正(2025.03.27)


 ◆


[布紙包治]



「なあーいつから聞いてました?」



 俺は誰もいない保健室の中、それも外の方へ声をかける。俺はそこまで人の気配や勘に優れているわけじゃない。寧ろ後方支援なのもあって苦手なほうだ。だが、毎日駆り出されていれば、否が応でも体は反応する。それがその窓の向こう側から。



水島「アイツ等から聞いて飛んできた☆」

「先輩、そんな茶目っ気あった…いやあるわ。あの理事長といたら植え付けられるわ」

水島「お前もマドンナ先生ので同類だろ」



 近づいてみれば、しゃがみこんでいる先輩が1人。自分の生徒となると瞬きより速く来るんだよなこの先輩。



「教え子が『僕の憧れた人と同じ位、強く人を救う人に成りたい』って言ってたけど、あれって先輩?良い教え子来たじゃーん。今の問題も解決しようって自分から動いてるし」

水島「憧れたって、昔の俺なら素直に喜んでたな」

「いまだって充分すごいよ。西の東京じゃ負け知らず、関東全域でヘルプ出されて、向かったら秒で対処する鬼の軍曹の異名付き」


水島「やめろ」



 本気の声。こういうの、先輩本当に嫌がるんだよね。自分が褒められること、自分が人気になること。ちやほやされるのって良いことだし、気持ちいいことだと俺は思うのに。

 でも先輩はそれを嫌う。次にいう言葉は…



水島「俺はそう成るべきじゃない…俺よりも適任だったあいつ等の方が」



 ほら言った。いつものこと。最早これは日常会話。俺は先輩の言う”あいつ等”を知らない。俺が1年でここに入学した時には、既に先輩は今よりずっとやつれて貧弱そうだった。今もたまに沈んでは頭を叩いて正気に戻してる。理由はよく知らない。聞いても答えてくれないし。唯一そうなる前を知っていた恋山っちでも分からないって。



布紙「それで、先輩は彼の言葉信じるんですか。サトリの能力持ってる人と初めて会話したっすけど、やっぱその人たちの見る世界は想像しづらいですよ」

水島「彼らが見る”精神世界”というものは、能力の学会では頻出単語にして、都市伝説じみたものだ。誰も研究しないせいで気味悪いと前時代的価値観を押し付けられてる…」



 先輩はまた落ち込む。これも地雷だったの忘れてた。俺もそういう偏見は捨て去ろうと努力しているけど、鬼とは違って精神世界の話は誰もが簡単に見れるものじゃない。想像のしづらさと、理解力の足らなさが、過去にサトリや鬼を追い込んだ原因でもあるけど。



布紙「……そうだった。じゃあ、どうします?簡単に問いただそうにもやり返されそうっすけど。(翼の能力者らしいし下手したらフルコース料理になって死ぬ…)」

水島「監視しておく。星冥せいめい先生にもそう伝える。お前も特殊科担当の司会なんだ。よーく見とけよ」


布紙「うっす…先輩の頼みは断れないんで!」



 ◇


[悟川心冶]



「復活!」

車屋「おー良かったにゃあ!」

蛸背「また危なったら言ってな」


 ・

 ・

 ・

 ・


 ついに特殊科だけの対決。2クラスしかないから実質決勝戦みたいなやつ!観客の声が大きいし多い…絶対前より増えてる!?どうしよう、こんなに人が見てるとは…

 グラウンドに移動している時点で、道行く人に頑張って!応援してるよ!とか、ド派手に戦ってな!良いもの見せろよって、熱烈な言葉を貰ってしまった。



釣瓶「毎回特殊科だけの決戦って異様に人気あるんだよなー。これどの学校も共通」

小神「まあ能力バンバン使うから戦いに華があるのかな」


 バンと大きく足音が聞こえ、グラウンドの目立つ台上にマイクを持った布紙先生が立つ。


布紙「ヘイヘイヘーイ諸君!禍福課の卵たち!君たちが求められるものってのは何かな!?そうそう、強さだよね!でも、強さって言葉はなんにでも当てはまる!個人の力の強さ!支え合い協力する団結力の強さ!そして、困っている人を救えるほどの精神と根性の強さ!」


「……」

羽海「……」



布紙「第一種目が能力の強さを問うものだったのなら、次はお互いの能力を活かしあう種目だよねー!!てことで、ルーレットの結果はーーーー!?」


 ダン!とどこからともなくどでかい巻物が現れ、くるくると開き文字が見える。


布紙「特殊科にとっての第二種目はクラス対抗障害物競争!!ルールはこれまた簡単、この馬鹿でかいグラウンドを外周し、ここに先に帰ってくること。ただし、走者はには必ず障害が立ちはだかる。走者は必ず二人で全員は出ないようにしてるよ。一度出たら次にまた出るのは禁止!アーユーレデイ!?」



 でかでかと綺麗な習字で書かれていた【クラス対抗障害物競争】の文字。お互いの能力を活かしあう、協力が鍵となる競技だ。



蛇島「協力ゲーかよ…」

椿本「……」


「…?」



布紙「一応、立ちふさがる障害の名称を教えてやるから、それを見てクラスで作戦会議だ!目指せ学年ナンバーワン!」



 先生、何かハイテンションだ…


Q組担当:水島先生・副担任:恋山先生 R組担当:天王寺先生

養護教諭:通称マドンナ先生・布紙先生 校長:夜鈴涙祢先生

理事長:???


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