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#0000 旅のきっかけ

「存続限界点」の方が上手くいかないときはこっちを更新します。

そんなすらすら内容思いつかないよ。1時間で1000文字くらいしか進まないことも多いです。

なお、世界設定は存続限界点の方と繋がっていますが、場所と時代が異なります。こちらは天の川銀河で、向こうの30年ほど前。


// 会話文のタイプについて:

//

// << - 通信(送信)

// >> - 通信(受信)

// <<<< - 精神リンクまたはテレパシー(送信)

// >>>> - 精神リンクまたはテレパシー(受信)

// 『』 - 傍受した通信か全帯域への通信

// 「」 - 通常会話

// > - コンソール入出力

// 例: USER > exec diagnostics /full

// 例: SYSTEM > Initiating Full System Diagnostics...

"辺境星系" 基本的にこの言葉はトリニティに属する星系のうち

中央政府が管理している8つの中核星系以外の

すべてに使われるものだ。


辺境と言っても栄えているところもあれば

ほとんど無人に近いところもある。


銀河最高の技術と軍事力を持つトリニティになぜこのような

星系があるのかは、多くの異種族や異文明にとって

不可解な事項の一つだろう。

社会的格差や差別によるものだと考えてしまう

者が居るのも無理はないことだ。

だが、辺境に住む者たちは自分の意思で中核から出ていったんだ。

もっと人間らしい、昔ながらの生き方に戻りたくてな。


確かに中核星系での暮らしは快適で、悩みなどなく身の危険とも無縁。

他国からの旅行者はみな俺たちの首都圏での生活を羨む。


外から見る分には物語の中の理想郷が

現実となったような場所なのは間違いない。


でもな、完璧すぎる生活環境に馴染めないものもいるんだ。


はるか遠くの異星の景色が見たい、空想の世界に浸りたい、

そんな望みは実際シミュレーションポッドに入ればすぐに解決できるさ。

それは事実だ、合理的に考えて、安全が保証された仮想環境があるのに

わざわざ危険を冒してまで遠い所へ行く必要が無い。


それでも……人間らしさ、もしくは生きている実感を求めるやつがいる。

言ってしまえば、完璧すぎる生活はつまらないということだ。


今まで人類は生きていくこと自体が安定しないような

危険で苦しい世界を体験してきた。

徹底的な合理主義と技術至上主義によって

今あるような世界が実現されたとき、皆喜んだはずだ。


なのになぜ理想郷を捨てて厳しい世界へ飛び出していくのか。


それは、ほしいものが手に入った瞬間、

急に興味や熱意が薄れてしまうという現象が

文明規模で発生したと捉えることができるだろう。


かつての人々が夢見た理想の世界を作り上げたトリニティは、

今では無気力と停滞と、2つの新たな問題に直面している。


今の暮らしを受け入れて、

ごく普通の人生を送っている者は別に問題ではない。


今よりもさらに良い世界を、

さらに高度な文明を目指して歩き続ける者も問題ではない。


今の生活を受け入れられず、外へ出ていくも者も問題ではない。


問題なのは、何もしない者たちだ。


今の時代、文明の存続のために有機体の労働者なんて必要はないし、

何か生産的な行動を行うこと自体は必須ではない。

何もしないものというのはまさに読んで字のごとくで、

言い換えれば自分の意思を持たないものとも表現できるだろう。


精神主義的な言い方なら魂の抜けた存在とも。


あまりにも高度で完全無欠な生活水準は

こういった抜け殻のような人間を生んでしまったんだ。


今はまだこういった人種はごく一部しかおらず、

みんな自分のやりたいこと、何かしらの目的や

楽しみを持って生きているからいい。


しかし、このような無気力さ、意志のなさを許容し続けていれば、

人々はそのうちただ生きているだけの何かになってしまうだろう。


トリニティにおいて通貨や特権といったものが存在しているのも、

人々に何かしらの目標を与え、

文明の死を回避するための中央政府の政策の一つというわけだ。


…………俺が今こんな、中核から遠く離れた未開の地を旅しているのも、

何かしらの "刺激" や "変化" が欲しいからという話さ。


軍をやめて20年ほどになる。第1世代型強化兵の

先行量産グループとして製造された俺は、十分な肉体的成長を終えて

軍に入隊してからずっと機械のように働き続けてきたわけだが……。


いざ自由になってみれば、従うべき命令が無いことそのものが

違和感として認識されてしまう有様だ。


除隊して20年も経ったのに、だ。目的を自分で決めるという

当たり前のことはまあできる。軍にいたときも、現場での状況判断は

分隊や小隊を指揮していた俺の仕事だったからな。


だがその時は、自分で判断することが認められていると言っても

上が決めた大きなルールというのはあった。


何から何まで自分で決めていいというのは

おそらく初めての状況だと言える。


自分の意思で除隊したというのに、

抜けた当初はまだ何をするかすら

決まっていなかったというのもひどい話だよな。


結局、ずっと戦場や軍事施設に居たせいで使う機会が

無かった金で買ったフリゲートに乗って宇宙を旅することになった。


俺にはどうも、目的を達成したらすぐに次の手順に取り掛からないと

気が済まないという癖があるらしく、ゆっくりと落ち着いて

旅をすればいいのに、行きたい場所にたどり着いたらすぐに

次の目的地を決めて、移動しようとしてしまう。


旅を始めたときと比べれば改善してはいると感じはするがね。

もう少し心に落ち着きと余裕を持てるようになりたいものだ。


このまま旅を続けて、望みがかなうのかはわからない。

だが、現状他にやることは……おそらく無い。少なくとも思いつかなかった。


世界設定は独特も独特なので読みにくい上登場する用語の解説とかも本文中にはあまりないのでご了承ください。その代わりこのあとがき部分で細かいことを書いていきます。なお、時代設定は2795年。地球を捨てて新たな惑星で文明を作り直した人類が合理主義の追求により銀河の覇権を得て200年ほど経過した世界です。技術水準はType IV文明を超えていますが、領有星系はたったの8つしかありません。ハイテク引きこもり集団と化した人類。冒頭で説明されている辺境星系とはこの8つの中核星系に属さないすべての星系のことで、中央政府、人類の国家であるトリニティが公式に領有していない領域のことです。

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