その10 第一話 ミズサキの計画
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ここまでのあらすじ
異世界に麻雀伝道師として呼び出されたミズサキとその友人の涼子。2人は紆余曲折ありつつも異世界での役割を全うし、そして現世へと帰る日が近付いてきた。この世界、マージの人々に麻雀大会の楽しさを教えてから戻ろうという事になり企画した麻雀大会。その決勝戦には当然ミズサキは残り、最終決戦の半荘がいま後半戦に突入した――
【登場人物紹介】
水崎真琴
みずさきまこと
雀荘『こじま』の遅番メンバー。
麻雀好きなのと働きたくないのがリンクして雀荘遅番という職業につくことを選んだ現代に生きる遊び人。しかしこの度異世界へ転移。異世界雀荘『麻雀スノウドロップ』の遅番メンバーとなる。今回、麻雀大会を企画し実行、決勝戦に残った。
小島涼子
こじまりょうこ
雀荘『こじま』の店主の娘。ミズサキとは中学高校の同級生。天才のミズサキとは真逆でアタマの固い涼子はミズサキに憧れる。見た目は真面目そうだけど性格はミズサキよりふざけてる。ミズサキと共に異世界へ転移。得意料理はコカトリスの唐揚げ。スノウドロップ麻雀大会の決勝戦に残った。
エル(カー子)
える
異世界『マージ』の神様。雀荘経営をするにあたりスタッフが足らず、相応しいスタッフを求めて地球にカラスの姿で来ていた。ミズサキはそれに最も相応しい人物なのだとか。ただ、少し時代を間違えたらしかった。
キュキュ
きゅきゅ
異世界『マージ』の神様の補佐をする仙人。13歳くらいの少年の姿をしているが、魔力エネルギーが減ってくるとリスになってしまう。とても物知りでエルをいつも助けてくれる。
ネルビイ
ねるびい
異世界『マージ』に住むシン族の少年。巷では天才と噂される。この度『スノウドロップ』の遅番従業員となる。今ではミズサキたちの頼れる相棒。
ジャガフ
じゃがふ
異世界『マージ』に住むシン族の少年。頭脳明晰でネルビイと仲がいい。ネルビイ同様『スノウドロップ』の遅番従業員になった優秀な若者。スノウドロップ麻雀大会の決勝戦に残った。
マタイ
またい
『スノウドロップ』の遅番の時間帯によく来るクリポン族のおじさん。礼儀正しくミズサキたちにもキチンと礼を尽くす常識人。麻雀はめっぽう強く、ミズサキたちに良い刺激となっている。スノウドロップ麻雀大会の決勝戦に残った。
その10
第一話 私の計画
南入して4人の点棒状況はこうなった。
涼子 16500
マタイ 23800
ミズサキ 28200
ジャガフ 31500
トップとの点差は3300点。いい感じの所ね。まあ、理想を言えば東場終了時30000点になっておきたかったけど。東場で5000点増やすのは私の目標にしてる基準値。このゲーム、30000点持ってれば負けることはほぼ無いからね。まずは負けないだけの点棒を持つ。そして、南場で無理なくトップ逆転を狙う。これが私のいつもの計画。さて、残りあと4局。良さげな手は来るかな〜?
ミズサキ手牌 西家 ドラ1
三四伍六④⑤⑥234578
いや、凄い配牌来た! これぞ主人公配牌! ヤッバ! 勝ち確じゃん。てかダブリーチャンスなんだけど。
ツモ北
そう簡単にはいかないか。
打北
ツモ1
え、ドラかー。これを引いたならここだろうな。
打三
6索引いたら8索切りリーチで高目三色。7索か8索引いたらそれを頭にしてピンフ高目三色でリーチ。1索重ねたらドラドラリーチ。などなど理想的最終形は沢山ある。
しかし私が次引いたのは……
ツモ六
(ちょっと待ってよ……それはあんまりじゃん。ドラ1索なんだからこうするしかないでしょうが。罠かよ)
打六
その後も字牌を引いたり一度切った牌を引いたりが続き全くテンパイしないミズサキ。配牌が良かっただけに空振りが続いてストレスがひどかった。
けど、これは割とよくあることで。というのも配牌でイーシャンテンになってるのだから必要牌の種類は少ないに決まっている。いい配牌というのは手が進まないものなのだ。それは数学的に当然の事。
そして、やっとの事で引いてきたテンパイ牌は――
ツモ2
(つまんな。こんなに時間かけて結局これなの? 一番つまんないやつじゃん。ミニマム2000で待ちも単なるリャンメンってマジで言ってんの。あの配牌が? 腹立つけど、もう中盤に突入したし、ワガママ言ってらんないか)
「りぃ…ち」
私は不満たっぷりのリーチをかけた。待ちはいいし、高目ならタンヤオもあるんだからこういうので不満を見せるのはいけないんだけどね。でも、この時はどうしても元気が出なかったの。私もまだまだ未熟よね。
私はしぶしぶ打1索とした。




