コミット 30：『システム再起動《リブート》！ギャルSEニーナ、未知なるデバッグの旅、開始！』
ゴブリンとの遭遇という命からがらの一件を経て、ニーナは拠点としていた村へと戻った。本格的な旅立ちの前に、装備を整え、そして何よりも心の準備をする必要があった。近隣の村々を巡って集めた情報と物資は、決して十分とは言えなかったが、それでも最初の一歩を踏み出すには十分だった。 村長のゴードンさんや、親しくなったハナ、そして村人たちに、改めて旅立ちの挨拶をする。
「ゴードンさん、ハナ、みんな、本当にお世話になりました！」
「ニーナちゃん、気をつけてな。達者でな！」
ゴードンさんは、少し寂しそうに目を細めた。
「また絶対遊びに来てね！約束だよ！」
ハナは目に涙を浮かべて、ニーナの手を握った。
村人たちの温かい見送りを受け、ニーナはついに村の門をくぐった。ここからが、本当の意味での異世界デバッグアドベンチャーの始まりだ。 昇る朝日を浴びながら、ニーナはこれまでの短い異世界生活を振り返っていた。理不尽なギャル化、前世の知識と異世界の常識とのギャップ、論理魔導という新たな力の発見、そして、世界のあちこちに潜む「バグ」の存在。
「（さーて、どんな厄介な問題が待ってるか、お手並み拝見と行こうじゃないの！）」
内心でそう呟くニーナの表情は、不安と期待がないまぜになっていた。SEとしての血が騒ぐ。この世界の仕組みを解析し、問題を修正し、そして可能なら、もっと効率的で快適な世界に「改善」してやりたい。そんな途方もない野望すら、心の片隅に芽生え始めていた。 もちろん、道のりは険しいだろう。自分の力の限界も、世界のバグの根深さも、まだほんの入り口を覗いたに過ぎない。Fカップの胸という物理的な問題も相変わらずだし、「他人の評価」という精神的な致命的な問題も、ことあるごとに顔を出す。
それでも、ニーナは進む。この異世界で、自分にしかできないことがあると信じて。
朝日を浴びて進むニーナの瞳には、決意の光と、微かなコード紋様が宿っていた。耳元で揺れる赤い宝石のイヤリングが、まるで彼女の新たな門出を祝うかのように、朝の光を反射してキラキラと輝いている。 ギャルSEニーナの、壮大な異世界デバッグアドベンチャーが、今、まさに幕を開けたのだ。
――フィーチャー1、コンプリート。
最後までお読みいただき、ありがとうございます！
「面白かった！」「続きが気になる！」と感じていただけたら、ぜひブックマーク登録と、【★★★★★】評価で応援よろしくお願いします！
あなたの応援が、次のコミットに繋がります！
