第百九十五話 空と部屋と防衛戦
「っていう感じなんだけど、作戦は理解できた?」
「当たり前なんだからね!」
「は、はい! わたしは常に勇者様の手を握っています!」
「シャーリィだけ暇だ! ずるい!」
と、空の言葉にそれぞれ反応を示す胡桃、リーシャ、そしてシャーリィ。
空は最後者のシャーリィに対して言う。
「シャーリィはもしもの時に、僕や胡桃、リーシャを守るっていう役だから。完全に暇ってわけじゃないよ」
「! シャーリィは頼られてるってことか!? それならシャーリィは嬉しい!」
ぴょこぴょこ。
シャーリィは狐尻尾を揺らして跳ねまわる。
けれど、彼女は少しするとそんな動きをやめ。
「クー! 気配を感じる……もうすぐ魔物がたくさん来る!」
と、シャーリィは言ってくる。
そして、彼女がそんな事をいった数秒後。
響く轟音。
扉が魔物の群れがぶつかった音に違いない。
音は絶え間なく響き続け、徐々に扉を破壊していく。
そしてついに。
「みんな! もし少しでも危なくなったら、すぐに声に出して! この作戦は連携が命だから!」
空がそう言った瞬間。
扉が砕け散り、大量の魔物が部屋へなだれ込むのだった。