第百八十九話 空と仲間は地下街道に入ってみる
地下街道に入ってから数分後。
「うぅ……なんだかジメジメするぞ、シャーリィここ嫌いだ!」
と、言ってくるのはシャーリィである。
けれど、空としてもその気持ちはわかる。
なんぜこの地下街道。
道が整備されている以外は、巨大な鍾乳洞みたいな感じなのだから。
と、空がそんなことを考えていると。
シャーリィは自らの尻尾を、身体の前でモフモフしながら、空へと続けてくる。
「クー! シャーリィの尻尾が変なんだ! ほら!」
「え、ほらって言われても……」
「シャーリィの尻尾が変なの、触ってみればクーもわかる! だから、ほら!」
「……えっと」
もっふ。
もふもふん。
とりあえず、空はシャーリィの狐尻尾を触ってみのだが。
感想としては――。
「そんなにいつもと変わらないと思うけど……うん、とっても触り心地がいいよ」
「本当か!? シャーリィはなんだか尻尾が変な感じするけど、クーが褒めてくれるなら気にしない! シャーリィはクーが良ければそれでいいんだ!」
と、突如空に抱き着いて来るシャーリィ。
彼女は顔を空へすりすりしながら言ってくる。
「シャーリィ……クーのにおいがとっても好きだ! だから、シャーリィはクーにマーキングして欲し――」
「あの!」
「ちょっと待ちなさいよね!」
と、シャーリィの声を断ち切り聞こえてくる声。
リーシャと胡桃のものである。
彼女達は互いに顔を合わせると、頷きあって順に空へと言ってくるのだった。
「シャーリィ様との関係を、そろそろ教えて欲しいのですが!」
「っていうか、あんた達少し離れなさいよね!」