第百八十一話 リーシャとシャーリィ③
「わたし達、姉妹みたいですね!」
「姉妹! シャーリィとリーシャは姉妹だ!」
と、リーシャの言葉に対し、言ってくるシャーリィ。
シャーリィはよほど嬉しかったのか、尻尾をふりふり続けてくる。
「シャーリィ達が姉妹なら、シャーリィはリーシャにプレゼントがある!」
「プレゼント、ですか?」
いったいどんなものだろう。
と、リーシャが期待していたその時。
ボフッ。
もふん。
「きゃっ!?」
気が付くと、リーシャはシャーリィによって、ベッドに押し倒されていた。
しかも、何やら顔に凄まじいモフモフを感じる。
「あ、あの――」
「シャーリィの尻尾は妹から大人気なんだ! リーシャにもプレゼントだ!」
と、シャーリィはリーシャの言葉を遮ってくる。
そしてそのまま。
もふ。
もふきゅぽん。
圧倒的なもふの暴力。
シャーリィはリーシャの頬を、尻尾で蹂躙してきたのだ。
(あ、あぅ……手首を抑えられて逃げられない……それに、尻尾が……シャーリィ様の尻尾がわたしの理性を……っ)
このままでは何かが来てしまう。
リーシャがそれに対し、恐怖と期待を抱き始めたその瞬間。
「ちょっ――急に部屋に来たと思ったら何よ!?」
「いいから早く! 早くファルネールに逃げないとまずいんだ!」
聞こえてきたのは、そんな知らない女性の声。
そして、勇者様こと空の声であった。