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第百七十六話 空と勇者の仲間達②

 時はゲートをくぐって、日本に戻ってから数分後。

 場所は空兼胡桃の部屋。


「こんっの――バカぁああああああああああああああっ!」


 と、響き渡る胡桃の声。

 彼女は猛烈なガクガクラッシュをしながら、空へと言ってくる。


「あんた何考えてんのよ! いきなり消えて、連絡なしで……心配させまくったあげく、いきなり帰ってきて! なんなのよ! もう、もう……この……ほんとに――!」


「うぐ、ぐぇ――」


「カエルの真似してる場合があるなら、ちゃんと理由を説明しなさいよね!」


「梓さん……とりあえず落ち着いてください。それ以上絞めると、兄さんが死にます」


 と、聞こえてくるのは時雨の声である。

 彼女はその後、何度も胡桃に声をかけ続け、空を死の淵から救い上げてくれたのだった。


      ●●●


「さて、落ち着きましたか……梓さん?」


「ふんっ! あたしは最初から落ち着いてるんだからね!」


 と、そんな時雨と胡桃のやり取り。

 二人は現在、空のベッドに腰掛け、床に座る空を見下ろしている。

 要するに『説教執行』といった構図だ。


 だがしかし、今日の空は黙って説教を受けている余裕はない。

 故に、空は二人が言葉を発する前に言う。


「突然いなくなったのは謝る。だけど、聞いて欲しいんだ! 今、異世界で大変なことが起きていて――」


 と、空は一連の出来事を二人へ言って聞かせる。

 すると。


「へ、へぇ~……そう。あたしが告白しようとした時に、いきなり消えたと思ったら……そ、そう……ふーん、女の子とイチャコラしたあげく、朝帰りってわけ?」


 言ってくる胡桃。

 なんだかニュアンスが酷く違っているが、間違っていないのが辛い。

 一方の時雨はというと――。


「こ、告白……それに、朝帰り……だと」


 と、時雨は何故かガクガク震えながら、キャラ崩壊してしまっている。

 空がそんな時雨に声をかけようとすると。


「まぁいいわ、なんだか大変みたいだし。今回だけは許してあげるんだからね!」


 と、言ってくる胡桃。

 彼女は空へと続けて言ってくる。


「それでどうして、あんたはこっちに戻ってきたのよ? あんたのことだから、聖女を護衛するまで、帰ってこなそうなもんだけど」


「うん、本題はそれなんだけど。一つは時雨に、しばらく帰れないことを伝えにきたのと――」


 と、空は胡桃に『勇者の力の件』と『勇者の仲間の件』を順に話していくのだった。


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