表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/612

第百七十五話 空と勇者の仲間達

 時は起床事件から数十分後。

 場所は宿屋裏の空き地。


 さて、空が試しておきたかったこと。

 結論からいうと、その一つは大成功だった。


「クー、すごい! 空間転移が使えるんだ!」



 と、言ってくるのはシャーリィである。

 リーシャはそんな彼女を、ぽかんとした様子で見ながら、空へと言ってくる。


「あ、あの……これはどういうことでしょうか? あの方はいったい……」


「えっと、説明すると長くなるんだけど――」


 と、空は今何が起きているのかを、リーシャへと言う。

 それをまとめると、こんな感じである。


 空が日本という異世界で暮らしていること。

 空には《道具箱》という、異世界を行き来するゲートを作る異能があること。

 そして。


 その《道具箱》にとある変化が起きたということだ。

 変化の内容はこんな感じだ。


 ●一度に複数のゲートを作り出せるようになった。

 ●一度訪れた場所ならば、どこでもゲートをつなげられるようになった。


 後者は要するに某ネコロボットの『どこからドア』の、縛りがある版みたいなものだ。


(これまでレベル上げてきたのもそうだけど、リーシャから召喚されてブーストかかったのが、異能が変化した要因だろうな……というか)


 変化というよりは進化だ。

 異能は身体の一部。


 使用者が強くなれば、異能も強くなるのは当然のことと言える。

 けれど、これは大分便利になったものだ。


(異世界の特定の場所から、異世界の別の場所へ瞬時に行けるようになったわけだけど……どう考えても便利すぎるよね)


 もちろん、それは日本においても言える。

 空は東京から京都まで、半ば瞬間移動できるようになったのだから。


「あの勇者様……それで、あの方は?」


 と、言ってくるのはリーシャである。

 ここで、空はシャーリィの紹介をすっかり忘れていた事に気が付く。

 けれど、彼が彼女の紹介をする前に――。


「シャーリィはシャーリィだ! クーの奴隷だ!」


 と、シャーリィはリーシャへ言う。

 すると、そんなリーシャは驚いた表情で、彼女へと言うのだった。


「そ、そんな! 勇者様が……奴隷を買うなんて……ち、違います! ありえません!」


「ありえなくない! シャーリィはクーの奴隷だ! クー専用の狐なんだ!」


「や、やめてください! 勇者様を汚さないで!」


「ちょっと待った!」


 と、空は二人の間に割って入る。

 シャーリィをこの場所に連れてきたのは、事態をややこしくするためではない。


「僕はこの後、日本でちょっと用事を済ませてくるから、それまでシャーリィにリーシャの護衛を頼みたいんだけど、大丈夫かな?」


「大丈夫だ! シャーリィにお任せだ!」


「ま、待って下さい、勇者様! シャーリィ様のお話がまだ!」


 と、シャーリィとリーシャはそれぞれ言ってくる。

 けれど、空は「詳しくはあとで」と、二人を残しゲートをくぐるのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ