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第百四十二話 空と時雨と氷菓と災難と

「二人とも風紀委員なんですよ!? 本気じゃないとはいえ、異能を使って喧嘩とかやめてくださいよ!」


「くっ……まさか、この私がワーストにやられるなんて。さすがバケツの正体と言われているだけあるわねぇ」


「さすが兄さん……つ、強いですね」


 と、空の言葉に対しそれぞれ言ってくる氷菓と時雨。

 空はそんな二人へ更に続ける。


「もう、勘弁してくださいよ。二人を痛くしないように止めるのは、結構大変だったんですからね」


「あら、私は別に痛くされてもよかったわぁ」


「わたしも兄さんになら別に……痛くされてもよかったです」


 と、言ってくる氷菓と時雨。

 どうみても反省していない。


(まぁ二人ともこう見えて真面目だし、放っておいても本気で戦ったりはしなかったと思うけど……少しは反省する感じだけでも見せて欲しかったな)


 とりあえず、今はもう少しだけお説教をしよう。

 空がそう決心したその時だった。


「あの、一色先輩。空がまだ帰ってこないんですけど、まだここにいますか?」


 と、ノックと共に聞こえてくる胡桃の声。

 この瞬間、空はレベル4の力故か、凄まじく嫌な予感がした――後に起きることが全て予想できたと言っても過言ではない。


「あれ……鍵、開いてる? あの、入りますよ?」


 そんな胡桃の声。

 開かれる扉。

 空の視界に入る胡桃。


「……なにやってんの、あんた」


 そして、聞こえて来たのは冷たい胡桃の声。

 さて、ここいらで現在の状況を説明しよう。


 現在、空は時雨と氷菓を暴れさせないように、とある措置をとった。

 それは――。


「お、女の子二人を縄で縛って床に転がして……片手に鞭って……な、なにやってのよあんた!」


 と、顔を真っ赤にして言ってくる胡桃。

 彼女の言葉に少し捕捉するなばらこうだ。


 空は魔法 《ブラックスミス》で鞭をだし、時雨と氷菓をとりあえず縛った。

 現在持っているものも同様――暴れる二人をもう一段階しっかり拘束するために使うものだ。


 けれど、傍から見ればどうみても事案だ。

 空がその手のプレイをしているようにしか見えないに違いない。


「こ、この変態! あんたが望むならその、我慢しなくもないけど……どうして他の女の子にやってるのよ! このバカ!」


 言って、攻撃してくる胡桃。

 その後、空が胡桃を落ち着かせるまでには、かなりの時間を要したのだった。


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