表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/612

第百三十六話 空と胡桃の秘策・続②

「き、来たわ! ゴブリンよ! 手、離したら許さないんだからね!」


 そんな胡桃の声。

 空はそんな彼女へと言う。


「手、やっぱり震えてるけど、大丈夫?」


「だ、大丈夫……だから、強く握って、お願い」


 と、言ってくる胡桃の顔は蒼白だ。

 いますぐにでも止めた方が言いに違いない。


 けれど、胡桃はヒーローになるために頑張っているのだ。

 空としてはそれを無駄にはしたくない。


(それにこの距離なら、何が起きても僕が胡桃を守れる)


 となればすることは一つ。

 空は「わかった」と一言、胡桃の手を強く握る。


 そうこうしている間にも、ゴブリンは空と胡桃を見つけたに違いない。

 奴は武器を振り上げ、どんどんこちらに迫って来る。


「っ……い、イージス!」


 と、胡桃はゴブリンへ攻撃をしかけようとする。

 だが。


「え、うそ……は、発動しない!? なんで!?」


 焦る胡桃。

 彼女は何度もゴブリンへ攻撃モーションを取り続ける。

 空はそんな彼女へ言う。


「胡桃、落ち着いて。大丈夫だから、何かあっても僕が守るから」


「く、くう……?」


「胡桃は僕なんかより才能があって、異能も人を守るための力で、僕なんかよりずっとヒーローに向いてる」


 だから、怖がる必要などないのだ。

 空はそんな意味を込め、再び胡桃の手を握る。

 すると。


「空……ありがとう」


 と、思わず見惚れてしまうような笑顔を浮かべる胡桃。

 その直後。


 ゴブリンは空と胡桃の方へ、飛びかかり攻撃を仕掛けてくる。

 けれど、その攻撃は二人へは届かなかった。

 理由は簡単だ。


「《イージス》」


 と、胡桃がノールックで不可視の盾を発動させたからだ。

 ゴブリンはその盾にぶち当たり、地面へと落ちる。

 その後、胡桃はそんなゴブリンを見ながら。


「あんたになんかに負けない……あたしの経験値になりなさいよね!」


 今度こそ《イージス》による攻撃を繰り出すのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ