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第百二十九話 空と胡桃と冒険者事情③

 さて、空が今考えるべき問題はただ一つ。

 それは。


「ねぇ、シャーリィ。胡桃を冒険者にしてあげる方法って、なんかないのかな?」


「うーん、とっても難しい!」


 と、言ってくるシャーリィ。

 彼女は骨付き肉をかじりながら、空へと続けてくる。


「奴隷身分の獣人族と違って、人間は基本は冒険者になれるんだ! 例外っていうのが、奴隷になっちゃうことなんだ! 人間は一度奴隷身分になると――」


「奴隷身分から脱するのが難しい?」


 こくりと頷くシャーリィ。

 彼女は更に空へと言ってくる。


「この世界では一度奴隷になると、それは一生ついて回るんだ! でも、胡桃の場合は少し違うかもしれない!」


「それってどういうこと? 胡桃は奴隷をやめられるかもってこと?」


「そうだ! 胡桃は自分から望んで奴隷になったんだ! その点が他の人間奴隷と違うんだ! だから気の持ち方一つで、奴隷をやめられるかもしれない……たぶん!」


 奴隷が気の持ち方一つで変わる。

 そんなあやふやなものでいいのか。


 と、空は一瞬そんな事を考える。

 しかし。


(そもそも胡桃がゲートを通れた理由も、ある意味では気の持ち方だし……そんなものなのかもな)


 まぁ魔法が存在している世界のことだ。

 よく考えても仕方ないに違ない。


「それで胡桃。シャーリィ曰く、気の持ち方で奴隷をやめられるかもなんだってさ」


「ふーん、で?」


 と、久しぶりにツンツンモードの胡桃。

 空はそんな彼女へと言葉を続ける。


「試しに今から僕のことを全力できら――」


「あんたさ。昔はともかく、今のあたしが『レベル』と『空』……どっちを大切だと思ってるか。そこのとこ考えてから、言葉を続けなさいよ」


「え~っと……」


「はぁ……あんたみたいな奴を鈍感って言うんでしょうね」


 と、胡桃は突如席から立ち上がる。

 そして、彼女は言ってくるのだった。


「レベルと引き換えに空への気持ちを捨てないといけないなら、もうレベルなんていらない。別の手段で強くなるから、あんた達も今から付き合いなさいよね!」


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