表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/612

第百二十八話 空と胡桃と冒険者事情②

 時はあれから数分後。

 場所はギルドと併設された酒場の一角。


「ぶっすぅ~~~~~~!」


 と、頬を膨らませているのは胡桃である。

 空はそんな彼女に飲み物を差し出しながら言う。


「はいこれ、美味しいよ。せっかくの記念日だから、胡桃が機嫌治してくれると僕も嬉しいと言うか――」


「別に機嫌わるくないんだからね!」


 と、空の手から飲み物をぶんどる胡桃。

 凄まじい反射速度、まるで機嫌の悪い猫である。


 けれど、胡桃の機嫌がこうなってしまったのも、仕方のない一面がある。

 なぜならば。


 シャーリィいわく、胡桃は奴隷身分のため冒険者登録ができなかったようなのだ。

 なんでも、冒険者カードを作ろうとした際にその問題が起きたようなのだ。


 胡桃と受付のお姉さんが、冒険者カードを作ろうとしても何度もエラー。

 さすがにおかしいということで、胡桃を専用の魔法でサーチしてみたところ。


 胡桃は奴隷だった。

 しかも持ち主はしっかり『クウ』となっていたそうだ。


「レベルの概念が欲しくて奴隷になったのに……」


 と、突如聞こえてくる胡桃の声。

 彼女は身体をぷるぷる言ってくる。


「奴隷になったから、レベルの概念が手に入らないって……どういうことなのよ!」


 ガクガク。

 ガクガクガク。


 襲い来る凄まじい胡桃シェイク。

 空はこの日襲いかかった史上最強のがくがくを、一生忘れないと誓ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ