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第百二十三話 空と胡桃の野望

 時はゴリラ娘族事件から数十分後。

 場所は変わらずゴリラ亭。


「ごはんも食べたことだし、そろそろ本題に入るんだからね!」


 と、テーブルに身を乗り出し気味に言ってくるの胡桃である。

 彼女はやたらテンション高い様子で、空へと更に続けてくる。


「これからあたしが、何について話すかわかる!?」


「わかってるよ、これでしょ?」


 空は胡桃へデザートが書かれたメニューを渡す。

 すると胡桃は「違う!」と、テーブルを叩きながら言ってくる。


「冒険者ギルドよ! 冒険者ギルド! あたしが冒険者になるために、そこに行こうって話をするのよ! ……デザートはこのクリーム乗せいちごね!」


「え、今日登録するの!?」


「はぁ!? 今日しなくていつするのよ! あたしは早くレベルの概念を手に入れて、序列一位になるんだからね!」


「あ、すみません! えっと、デザートでこれお願いしたいんですけど……シャーリィは?」


「シャーリィはデザートいらない! おかわりで肉を食べる!」


 と、言ってくるシャーリィ。

 空がシャーリィからの注文を、店主さんに伝え終えた頃。


「ちょっとあんた! どうしてあたしの話を逸らすのよ!?」


 と、言ってくるのは胡桃である。

 彼女はテーブルをバンバン叩きながら言ってくる。


「あんたまさか、あたしがレベルの概念得るのを、どうでもいいとか思ってるんじゃないでしょうね!」


「いやいや、そんなこと思ってないって! 実際このまえだって、僕は『あぁ、胡桃がどんな最強のヒーローになるか楽しみだな』って思ってたんだよ?」


「な、なによそれ! えっと、つまりその……空はその、あたしのことを考えててくれたの? ずっとその……あたしのことを」


「そうだけど、なんで?」


「っ……し、知らないわよ! 質問に質問で返さないでよね、このバカ!」


 と、胡桃はそっぽを向いてしまう。

 空はまた知らない間に、何か彼女を怒らすことをしてしまったに違いない。


(やっぱり胡桃って僕のことが嫌いなんだよね? 異世界に初めて来たあの日、胡桃が言ってきたことは、やっぱり勘違いなのかな?)


 謎だ。

 空にとって胡桃は謎すぎる。


(とりあえず、胡桃の機嫌を直すためにも、デザート食べたら即冒険者ギルドに向かおう。僕も冒険者ギルドでカードの更新したいし)


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