表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
121/612

第百二十一話 空は胡桃に武器を買ってみた

 時は武器屋を出てから数分後。

 場所は商店街。


「空! これみなさいよ! 盾よ、盾!」


 と、胡桃は両手に持った盾を空へ見せながら騒いでいる。

 そんな彼女は空へと続けてくる。


「ねぇねぇ、空も触ってみたい?」


「ちょっ、そんな押し付けたら歩きにくいよ……」


「ふんっ! なによ! 空って毎回ノリが悪いわよね!」


 と、ぷんすかといった様子の胡桃。

 けれど、すぐに胡桃は盾で顔を隠しながら言ってくる。


「で、でも……盾を買ってくれた事は嬉しかったわ。ありがとう……か、感謝してあげてもいいわ!」


「どういたしまして。盾くらいで喜んでくれるなら、僕としても――」


「クルミ! セスタスは嬉しくないのか!? シャーリィがせっかく選んだのに!」


 と、言ってくるのは狐尻尾をふりふり、狐耳をぴこぴこシャーリィである。

 胡桃はそんな彼女へと言う。


「嬉しくないわけないでしょ? 友達がせっかく選んでくれたんだから……そ、そりゃあ少しはあれな点もあるけど、大事に使わせてもらうんだからね!」


「そういってもらえると嬉しい! シャーリィは嬉しいから、クルミにこれをプレゼントだ!」


 と、シャーリィはいつの間にやら買ったのか――革で出来た半球体の何かを取り出す。

 そして、彼女はそれを胡桃へ渡しながら言葉を続ける。


「セスタスの鞘みたいな奴だ!」


「え、これ……あたしに?」


「そうだ! セスタスはそのまま腰に括り付けるのが普通だけど、時々ちくちく痛い時があるんだ! これがあれば安心なんだ! シャーリィのおすすめだ!」


 ぶんぶん。

 ぶんぶんぶん。

 ぶんぶんぶんぶん。


 シャーリィは凄まじい速度で狐尻尾を振っている。

 きっと彼女は胡桃が喜んでくれるか、そうとう期待しているに違いない。

 また胡桃もそのことを理解したに違いない。


「ありがとう」


 と、胡桃はシャーリィの頭をなでなでしながら、彼女へ言う。


「すっごく嬉しいわ! ずっと大切にするんだからね!」


「そう言ってくれると、シャーリィも嬉しい!」


 と、ぴょこぴょこ跳ねるシャーリィ。

 空は話が一段落したのを見計らって、胡桃へと言うのだった。


「そろそろ朝ごはん食べに行こうか。あと、セスタスはともかくその盾貸して。僕が《道具箱》にしまっておくから」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ