第百十七話 空は胡桃の真意がわからない②
「や、やった! ふん! つまりこういうことよ! こういうことなんだから!」
と、ゲートの向こう側から言ってくる胡桃。
完全にありえない光景である。
なんせ、胡桃はゲートをくぐる条件を満たしていないはずなのだから。
(でも、さっきの胡桃はなんだか確信があったように見えた。ひょっとして、ゲートを通る別の条件を見つけたとか)
空が胡桃を見ながら、呆然とそんなことを考えていると。
「空……伝えたいことがあるから、来なさい」
と、胡桃は空へと手を差し出しながら言ってくる。
空は思わずその手を取り、ゲートの向こう――胡桃の方へと行く。
すると彼女は満足したのか、そのまま空へと続けてくる。
「ねぇ、空。あんたは将来、お父さんが倒せなかった怪人を倒して、お父さんが救えなかった女の子を救うのが目標……それであってる?」
「あってるけど、どうして今ここで?」
「だったらその目標、あたしにも手伝わせなさい! きっと最高のヒーローになるあんたの隣で、最強のヒーローになったあたしが、ずっとサポートしてあげるんだから!」
と、胡桃は空へと詰め寄りながら、なおも言葉を続けてくる。
「ねぇ空、わかるでしょ? は、恥ずかしいから言えないけど、あたしが言いたいことわかるでしょ? ずっとよ! ずっと一緒にサポート!」
「いや、わかるよ。もちろんわかる。相棒になってくれってことだよね? 胡桃は乱暴なところがあるけど、僕としてはすごくうれし――」
「違う! このバカ!」
と、胡桃は空の両肩を掴んで来る。
これはまたガクガクが来るに違いない……しかし、いつまでたってもそれは来なかった。
それどころか、胡桃はそのまま空の背に手を回し、抱きしめて来ながら言ってくる。
「あたしはゲートを通れたのよ? シャーリィが言っていた条件、覚えてる? だったらわかるでしょ? あたしが空のこと……どう思ってるか」
「えっと、胡桃……それって」
「最後まで言わせないでよ、バカ……ふんっ、もう今日はここまで!」
と、胡桃は空の事を突き飛ばし、日本へ戻って行ってしまう。
そんな彼女は最後に言ってくるのだった。
「あんた鈍いしバカだし、あたしもまだ覚悟が出来てないし! 今度、然るべき場所と時間で、ストレートに言ってあげるんだからね! それまで待ってなさいよね!」
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
ちょうどここくらいで、ラノベ一巻分くらいです!!
ようするに、第一章完的なやつです。
第二章も異世界と日本いったりきたりな予定です。
また、新キャラも出す予定ですので、よろしくです!!
さて、こちらはいつも言ってることなのですが
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冗談抜きで、執筆するモチベーションに関わって来るレベルです。
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