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第百五話 空は怪人と戦ってみる

「さて……」


 と、空は一息。

 目の前の時雨を見る。


 時雨は苦しいのか、甲冑の胸のあたりを頻りに掻き毟っている。

 よく聞けば、うめき声のようなものも聞こえてくる。


(この症状、裏庭で僕が倒した生徒と一緒だ……怪人が、寄生してるのか?)


 きっと、あの時から校内に怪人が潜入していたに違いない。

 そして今回、内部から多数の怪人を手引きした。


 生徒を苦しめ。

 胡桃を傷つけ。

 時雨に寄生して。


「僕もいつでも冷静ってわけじゃないんですよね……おまえ、覚悟はできてるか?」


 と、空がそういった直後。

 時雨はこちらに手を伸ばしてくる。


 するとそれに呼応し飛んでくるのは無数の闇の粒子。

 だがしかし。


「普段の時雨と違って、異能の練度が低すぎる……この程度」

 

 言って、空は魔法 《ブラックスミス》を発動――作り出すのは片手剣である。

 さらに、彼は間髪入れずに魔眼《王の左目》を発動。


 飛んできた全ての粒子を即座に叩き落す。


 空は一旦、魔眼を解除。

 そのまま時雨へと接近すると。


「っ!」


 突如、地面から生えてくる触手。

 時雨の足の裏から、地面を潜って出てきたに違いない。

 空はそれをなんとか躱す。


 けれど、今ここで重要なのは躱せたことではない。


(この触手……時雨の中の怪人と繋がってるんじゃないか? だったら――)


 と、空は触手が引っ込む前にそれをすぐさま捕える。

 そして。


「時雨から……離れろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 空は触手を全力で引っ張る。

 するとまるで釣り竿に引かれるかのように、時雨から抜け出る黒い靄。


 空は触手を掴んだまま数回全力で振り回す。

 その後。


「ああぁあああああああああああああああああああああああああああっ!」


 渾身の力を込めて地面へと叩き付けるのだった。


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