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プロローグ1-1

「グラール王国へようこそ。勇者とその仲間達よ。私達は、あなた達が来るのを待っていました。」


誰だ?


閉じていた目を開けて、目の前を見ると、そこには、さっきの偉そうな声を発した同い年くらいの豪華なドレスを着ている少女と王冠を頭にのせているデ…コホン王様かな?と、鎧を着ている騎士?が数人いた。


よく見ると、俺が今いるここは、ついさっきまでいた教室とは、周りの床や壁が違う……まさか?


ざわざわ…ざわざわ…


俺の周りにいた他の奴らも、今の状況を知って、騒ぎ始めた。


「お静かに!」


再び、偉そうな少女が声を発した。


その発言で全員が黙ってしまったのを、確認した少女は、


「私は、ここグラール王国の第一王女アテネ・グラールと申します。」


あっ、やっぱり王女だったんだ。


王女は、自己紹介後、現在の世界、国の状況を詳しく説明をしてくれた。


まぁ、内容は、よくある自分の国がピンチだから助けてぇ〜とか、魔王がいるので、退治してください〜だった。


もしかしたらこの国怪しいなぁ〜、俺がそう思っていると、


「ちょっと待ってくれ」


出た!!やっぱり出てきたクラスのNo.1イケメンが空気を読まずに、


「あなたは?」


王女は、不機嫌そうに尋ねた。


「俺は、天城誠一郎、ここでは、セイイチロウ・アマシロかな?まぁいい。聞きたいことがある。俺達は、元の世界に帰れるのか!」


おお〜、俺達が聞きたいことを聞いてくれたよ。でも、このパターンだと、


「無理です。昔は帰還させることも出来たみたいですけど、今は、その方法が忘れ去られてしまい、魔王だけがその方法を知っています」


やっぱり。


「どうして、魔王だけが知っているんですか」


「魔王は、この世界の魔法全てを知っているからです。もちろん、皆さんをここによんだ召喚魔法もご存知でしょう」


あっ!このまま悪い原因を全て魔王に擦り付けようとしている。

……俺?目をつけられたくないから、このまま黙って見ているだけだ。


案の定、次に王女が言った内容は、魔王がいかに酷くて、世界の敵であるかというような内容だった。


「ですから、皆さんには、私達と一緒に魔王を討伐して欲しいのです」


「わかりました。俺達も元の世界に帰るために、魔王討伐に協力しよう」


はぁあ!わかったって…それに達って、協力するって!何を勝手に!


周りを見ると、

…うわぁ、俺と同じで、イケメン野郎の勝手な発言に驚いているのが数人いたけど、…結局、俺を含めて誰も何も言わずに、次へと進んだ。


「それでは、皆さんの持っている力…ステータスを私達に見せてください。そのために1人、1人順番ずつにこちらへ来てください」


「まずは、俺から行こう!」


おっ、やっぱりイケメン野郎が1番手で行ったか


俺がその様子を眺めていると、


チョンチョン、


うん?横から指でさされたので、振り向くと、そこには、俺の幼なじみその1小野寺桜がいた。


「桜か。一体何の用だ?」


「何の用だ?じゃあな〜い!何でそんなに落ち着いているの?たっくんは、今の状況を怖いとか思わないの?」


「…特に思わないな」


はぁ〜、と呆れてため息を吐いている桜を見ている俺。


ちなみに、俺の名前が太一だから、たっくんと昔から呼ばれている……正直、そろそろやめてほしい呼び名ではあるけど、桜はなぜか変えようとしないので、俺の方が諦めているのが現状だ。


「そいつにそんなことを期待するだけ無駄だな」


「そうそう、桜もわかっていることでしょ」


今度は、男女のペアがこっちに来た。


男のほうは、俺の幼なじみその2で、名前は山城陸。…イケメンその2でもあって、クラス内、学内での人気はその1と二分しているほどだ。


……俺?俺はフツメンだからね、関係ないから気に、して、ない

…ちっ


そして、女のほうは、橋本玲。陸の彼女だ。…けっ、爆発しやがれ!


「何考えているのかわかっているぞ。お前は、相変わらず」


「「「おお〜〜」」」


陸が俺に文句を言おうとしていたが、一部の驚いた声によって、遮られた。にっしっしっ。


「勇者だ!勇者が現れたぞ!!」


奥のほうにいたデ…たぶん王様?が大声で叫んでいた。


「やっぱり、あいつが勇者になったかぁ〜」


現在、こちらに戻って来たやつはまだいない。つまり、1人目、あのイケメン野郎が勇者ということだろう。


見ると、大きくガッツポーズをしているやつの姿が見えた。


「この場合、勇者はアタリになるのかなぁ〜」


「俺はハズレに1票だな」


俺は、陸とそう言った会話を少しの間していた。



1人目が終わってからは、自分のステータスを早く知りたいやつらから行き始めて、今はもう半分以上の人が終わったところだ。


俺の周りにいた3人もすでにステータスを確認しに行った。


桜は、職業、聖女で、陸は、剣聖、玲が拳聖、3人とも最上級職業らしい。


さすがだなぁ〜と感心した俺。


「さて、次に俺が行こうかな」


さすがに、最後は嫌だから、そろそろ行こうとした。


「期待しているぞ!」


陸からそんなことを言われたが、無視だ、無視。内心、絶対に面白がろうとしているに違いない。


「次は…あなたですか」


王女がハズレのような目で俺を見ていた。


むかっ


俺は、怒りを抑えながら、近くにいた騎士?から1枚の紙をもらった。


「早くその紙に向かって、ステータスと言ってください。」


王女からそんなことを言われた俺。抑えろ〜抑えろ〜俺。


「ステータス…!」


何も書かれていなかった紙に、光の文字が浮かび上がってきた。


俺は、文字が浮かび上がった紙を見ると、


名前 田中太一

種族 人間 (異世界人)

職業 見習い商人


Lv.1


HP 100

MP 100

筋力 20

頑丈 10

魔力 15

速さ 15


スキル

鑑定

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