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このゲーム、君に届けたい  作者: 天月瞳
大学編

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133/148

【絢音】我が歩みを、見届けようッ!【異星食堂】

「あれは永夜の地。この星すべての夜が集まる場所です」


奈亞は微笑みながら説明した。


やはり、こういうことは奈亞に聞くのが一番だ。


「永夜を越えるには、灯火が必要です」


「灯火?」

星野光は不思議そうに尋ねた。


:暗いなら電気つけろ、正論

:照明が必要ってことだな


「確かに」

絢音は気持ちを切り替え、奈亞の言葉に耳を傾ける。


「必要なのは三つの供物――環、銃、そして蛇。

それらを使者に捧げれば、使者は偉力を示し、導きの道標へと変えてくれるでしょう」


「つまり、三体のボスのドロップアイテムってことだね。よし、試してみよう」


絢音は頷き、祭壇へ向かった。

そこには元々の供物用魔法陣に加え、淡く光る三つの猫の足跡が現れていた。


【注意:捧げたアイテムは返却されません。慎重に選択してください】


「うーん……仕方ないよね。物語上、必要なものなんでしょ?」

少し迷った末、絢音は愛用していた武器を捧げた。


「ニャッ!」


使者が低く鳴くと、三つの足跡が強く輝き、一振りの長槍へと変化する。


それは双蛇杖に似た長槍だった。

穂先は三匹の蛇が絡み合うように形作られ、中央には拳ほどの宝石が埋め込まれている。

内部には星河のような深い藍色の液体が満たされており、八分目ほどまで満たされていた。


【星の道標×1】


「わあ……すごくきれい!」

絢音は星の道標を手に取り、ステータスを確認して息を呑んだ。


「強っ……強すぎでしょ。この武器。しかも耐久値なし?」


耐久値がないということは、壊れないということだ。

しかもこれほどの性能で、制約は副武器を同時に装備できないという一点のみであった。


「しかも遠距離スキルまであるし」

〈星の光〉を確認した瞬間、迷わず装備を切り替えた。


:最終装備かな?

:これ一本で十分じゃん


「すでに道標を手に入れたのですね。

それはあなたの経験を光へと変え、道を照らします。

ですが……まだ燃料が足りないようです。もっと多くの物語が必要でしょう」


【さまざまな行動で、道標のゲージを満たすことができます】


「なるほど。もっと遊べってことか」

絢音は頷いた。


:料理でも溜まりそう

:戦闘の時間だ!


「……その前に、ごめん。そろそろ猫様の朝ごはんの時間です」


:え?もう朝!?本当だ!

:ご飯大事


「枠の限界も近いしね」

絢音は部屋の入口を見ると、ムムが不満そうにドアの外から睨んでいた。


:今日はここまで?

:お疲れさま〜


「次は一時間後、10時からにしよう」


:え?またやるの?

:さすが耐久の神


「じゃあ、一旦ここまで! 休みの方はお疲れさまでした!また後の方はまたね~」


絢音はそう言って配信を切って、急いでキャットフードを用意し、器に入れる。


「ごめんね〜」



「ニャ〜」


ムムは夢中で朝食を食べ始めた。


ピロン。


【自分の朝ごはんも忘れないでね】


隣人からのメッセージに、絢音は幸せそうにスマホを抱いて微笑んだ。


「えへへ」


【わかった、ありがとう】


朝食後、ムムと少し遊んだあと、再びパソコンの前へ。


「おはようございます〜。星野光です」


:おはよ〜

:元気だな

:おかえり~


「ただいま~じゃあ、続きやろう」


配信再開。


「うわ、強っ!この武器強すぎません?」


ほとんどの敵が一撃で倒れた。

〈星の光〉は速度・威力・射程すべてが優秀だった。


やがて、道標が満ち、槍全体が淡く輝き始める。


絢音は戦闘を止め、別れを告げるため、NPCに話しかけて回った。

ゲージ満タン後、特別会話が用意されていることに気づく。


「お姉ちゃん、もう行っちゃうの? また来てくれる?」


碧が裾を引き、恐る恐る聞いた。


「うん、必ず戻るよ」

碧の可愛さでやられた絢音は約束した。



「もう行かれるのですね……一緒に行けなくて残念ですが、私はここでお待ちしています、いつでも戻ってきてください」

リリは静かに告げた。


「リリちゃんは一緒に来れないの!?」

絢音は驚いた。


ナイアは扇子で口元を覆い、余裕の笑みを浮かべていた。


「おめでとうございます、星野様。もうここまでたどり着いたね。でも心配は無用です、また、いずれお会いすることでしょう」


「ナイアさんが言うと、伏線っぽいな……」



:続編フラグ

:三部作確定



「よし、行こうか」


別れを終え、永夜の地へ向かう。

森を抜けた先で、星野光は深い闇の中へと足を踏み入れる。

しかし今回は、これまでとは異なっていた。

手にした槍が周囲を照らし、その足元には銀河のような光の道が形作られていったのである。


光は細い糸となって四方へ広がり、やがて壮麗な紋様を織りなした。

闇を照らし出すその光の中には、星野光が料理に励む姿までもが映し出されていた。


【あなたは1547品の料理を作りました】


「……こんなにも作っていたのですね」

絢音は表示された数字を見つめ、驚きの声を漏らした。



さらに進むと、新たな光が再び灯る。

そこには市場を構成する商人たちの姿が浮かび上がり、

ある者はうなずいて敬意を示し、またある者は親指を立てて豪快に笑っていた。


【あなたは4788個の道具を購入しました】


続いて現れたのは、旅路の中で対峙してきた数多の敵であった。


【あなたは29873体の敵を撃破しました】



【あなたは三大領域の王を討ち破りました】

影をまとった姫は裾を翻して一礼し、

赤眼の騎士は槍を胸甲に打ち鳴らし、騎士の礼を捧げた。

そして最後に、蛇の群れが静かに退き、その奥から老王が姿を現し、進むべき道を指し示した。


「……あの蛇が、王だったのですね。まったく気づきませんでした」

絢音は感嘆混じりに呟いた。


三人の守護者を越え、星野光はさらに歩みを進める。


次に現れたのは、子どもたちに囲まれ、満面の笑みで手を振る碧であった。


その後に続いたのは、猫耳の料理人リリである。

彼女は穏やかに微笑み、静かにうなずいた。


【あなたは971種類の作物を育てました】


「……あまり農業には力を入れていなかったのが、ばれてしまいましたね」

絢音は照れくさそうに舌を出した。



やがて、予想どおりナイアが姿を現した。


旗袍に身を包んだ彼女は煙管をくゆらせ、妖艶な笑みを浮かべる。

紫煙は全身を包み込み、やがて霧散すると、

深紫の礼服に身を包んだナイアが、何事もなかったかのように扇子で口元を隠して立っていた。



【あなたは788回買い物をした】



「……先は一瞬で、『異星の下』のナイアさん、出てきませんでした?」

絢音は感嘆の声を上げた。


最後に待ち受けていたのは、使者――すなわち、猫の姿をした存在であった。


使者は星野光を静かに見つめ、地面に淡く輝く魔法陣を描き出す。

それは、星の道標を捧げるよう促す合図であった。


【あなたは3317回祈りを捧げました】


星野光は道標を魔法陣に突き立て、両腕を広げて天を仰ぐ。


「我が歩みを、ここに示す!」


七色の星光が四散し、回転する魔法陣は急速に拡張していく。

やがてその光は、星空の彼方へと投射された。


無数の星々が集い、一対の巨大な瞳を形作り、

そこから神のまなざしが降り注ぐ。


「……吾、見届けたり」


荘厳な声が空間全体を震わせた。

星野光の全身は星光に包まれ、次第に光へと変わりながら、静かに浮かび上がっていく。


「……まるで、天へ昇るようですね」

絢音は思わず苦笑し、そう呟いた。


そして彼女は、主人公が星空の彼方へと消え去っていく光景を、ただ静かに見届けていた。


【セーブデータは保存されました。次の周回へ進むことが可能です】

【難易度調整機能が利用可能になりました。高難易度では、敵の攻撃性、AI性能、および新たな攻撃パターンが強化されます】


「周回要素だ!」


:クリアおめでとう

:楽しかった!


「ありがとうございます。できることなら、すぐにでも続けたいところですが……

すでに時間も遅くなってしまいました。本日はここまでといたしましょう」


時計に目をやった絢音は、すでに正午が近いことに気づいた。

視聴者の負担も考慮し、名残惜しさを抱きながらも配信の終了を決める。


:お疲れ様でした~

:いってらっしゃい~




「じゃあ、行ってきます〜またね~」


いつもの終わり言葉を言って、絢音は穏やかな微笑を浮かべながら配信を終了した。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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