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このゲーム、君に届けたい  作者: 天月瞳
大学編

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【絢音】連戦【異星食堂】

絢音は時間を夜に合わせ、宇宙船が墜落した廃都へと戻った。


星野光を操作し、荒れ果てた街路を進んでいく。

夜になると敵も強化されているはずだが、成長した主人公にとってはもはや相手にもならなかった。


「この辺の敵、もう星野の相手じゃないね」


: まあ初心者エリアだしね

: でもこのエリアのボスは、そう簡単じゃないよ


その瞬間、巨大な影が空から落下し、隕石のような勢いで星野光の眼前に叩きつけられた。


【旧都の守護者 と遭遇しました】


それは周囲の建築物を無造作につなぎ合わせて作られたかのような、人型の岩石巨人だった。

巨人は両拳を激しく打ち合わせ、金色に輝く両眼が夜闇に軌跡を描く。次の瞬間、唸りを上げる巨大な拳が星野光へと振り下ろされる。


「わ!でかいね!よろしくお願いします!」


絢音は星野光に翻転回避をさせながら、元気よく声を上げた。


攻撃をかわした星野光は霰弾銃を取り出し、引き金を引く。銃口から火花が散り、守護者の身体から石片が四方に飛び散った。


守護者は右腕を横へ引き、周囲の巨大な岩塊を引き寄せて星野光へと投げ放つ。


〈騎士の二刀流〉


赤目の騎士から学んだ戦闘スタイルは、その強さが一目瞭然だった。

加えて、構えそのものが格好良い。

もともとこの手のスタイルが好みだった絢音は、一瞬で虜になった。

装備も鎧に変更し、その姿はまるで一回り小さな赤目の騎士のようだった。


守護者を弾き飛ばした後、星野光は右手に握った長槍で、そのまま鋭い突きを繰り出す。


数度の攻防の末、守護者は悲鳴を上げ、建築物で構成された身体が崩れ落ちていく。

崩れ落ちていく瓦礫の内側から現れたのは、夜そのもののように深い色をした人型の存在だった。

金色の両眼だけが、なおも強く輝いている。


「……女の子?」


夜色の人型は、ドレスをまとった姫君のような輪郭をしていた。

彼女は優雅に両腕を広げ、軽やかに一回転する。舞い上がるスカートの裾は光の刃へと変わり、月光の波紋のように、幾重にも重なって星野光へと襲いかかった。


星野光はひたすら回避を繰り返し、隙を見て反撃に転じる。


守護者が甲高い澄んだ声を響かせ、新たな攻撃に移ろうとした、その瞬間――

すべては唐突に終わりを迎えた。


「ごめんね、星野……ちょっと強くなりすぎちゃったみたい」


絢音の申し訳なさそうな声とともに、星野光の長槍が振るわれ、最後の一撃が叩き込まれる。


守護者は地面に崩れ落ち、遠くへと手を伸ばす。何かに触れようとするような仕草を見せた後、その手は力なく地へと落ちた。


【旧都の守護者 撃破】



【あなたは〈岩石の鎧〉を習得した】

【あなたは〈月光円舞〉を習得した】


【月の環×1】


「スキルが二つ? 月の環は……アクセサリーか」


絢音は頷きつつも、まだ戦い足りないといった表情を浮かべていた。


第二エリアの支配者を打ち倒し、新たな力を手に入れた絢音。

だが彼女は、すぐに次へ進もうとはしなかった。


「うーん……そろそろ、料理ももう少し試してみてもいいかな」


しばらく迷った末、絢音は夜色の森へと向かい、自分にとっての天敵と向き合うことを決意した。


……幸いか、瞳が本当に絢音に蜘蛛と戦わせるのを忍びなかったのか、用意されていたのは別のボスだった。


それは、森全体が変じたかのような巨大な蛇。

まず木々を活性化させ、無数の小蛇として敵に噛みつかせる。

もう一つの攻撃は、複数の樹木が絡み合い、巨大な蛇の頭部となって大口を開き、星野光を丸呑みにしようとするものだった。


絢音は何度も挑戦を重ね、ようやく勝利を掴み取る。


今回手に入ったのは木を活性化させる杖だ。


そしてついに、星野光は森を抜けた。


「……あれ? 夜になってる。さっきまで昼じゃなかった?」


星野光を迎えたのは、墨を流し込んだかのような深い闇だった。


「暗すぎる……何か方法を探さないと」


星野光は独り言のようにつぶやく。

――照明を見つけなければ先へ進めない、という公式からの無言の指示だった。

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