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このゲーム、君に届けたい  作者: 天月瞳
大学編

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【絢音】環境紹介と……サプライズ?【異星食堂】


「こちらが会議室です」


リリは星野光を案内して、一つの部屋へ入った。

中央には大きな円卓があり、壁には一帯を示した地図が掛けられていた。

反対側には本棚とソファが配置されていた。


「以前は私一人だけでしたから、基本的には書斎として使っていました」

リリはそう説明しながら、

「それと、あの方が来たときは、ここに品物を並べて販売していました」


「ここ、商店も兼ねてるんですか? あ、それは……?」


絢音は地図の上に赤く丸で囲まれた一点を見つけ、タップした。


「そこが市集の場所になります」

リリが答える。

「何か必要なものがあれば、あちらで購入できます。私も時々、露店を出してお金を稼いでいます」


「露店? そんなに若いのに……すごいですね」

絢音は感心した様子で言った。


:これって労働基準法的に大丈夫?

:猫人族の年齢感覚が分からん


「ちょうどいいので、周辺の説明もしておきますね」

リリは地図を指しながら解説を始めた。

地図には、各地点を示すアイコンと名称が表示されている。


リリは地図の左下を指し示しながら言う。

「こちらは元々都市だった場所です。荒廃した原因は不明ですが、現在は異獣が生息しており、傭兵が時折出没します。ただし運が良ければ、廃墟の中から価値のある物を見つけられるかもしれません」


「異獣、ですか?」


「星野様は、まだ遭遇していませんか? この土地特有の動物のことです。ただ、この辺りは小型種が中心なので、危険度はそれほど高くありません」


そう言って、都市の端、川に近い建物を指した。


「こちらが基地の位置です。すぐそばに川がありますので、魚が必要でしたら釣ることもできます。予備の釣り竿がありますから、一式お渡ししますね」


そう言って、星野光に道具を渡した。


【釣り装備一式×1】


「ありがとうございます」


そして絢音は感極まって叫んだ。

「この子、優しすぎない!? 抱きしめてお礼したいんだけど!」


:急に欲望ダダ漏れで草

:それ感謝じゃないだろ!

:分かる


「ほら、私だけじゃないでしょ」

賛同コメントを見つけた絢音は、救われたように言う。


そんなふうに視聴者と盛り上がっている間に、リリの説明は次へ進んでいた。


「こちらは菜園です。野菜や香辛料を育てています。まだ少し空きがありますので、何か植えたいものがあれば言ってください」


「分かりました」

星野光はうなずく。


「基地から川沿いに上流へ進むと橋があります。そのそばが市集です。橋を渡った先の森は……星野様の準備が整ってから行くことをおすすめします。大型の異獣が出没しますし、異獣を狩る傭兵とも遭遇しやすいので」


「つまり、装備とレベルが足りないうちは行くなってことですね」

絢音は納得したようにうなずいた。

どうやら都市部が初心者エリアで、森は後半向けのエリアらしい。


「説明は大体こんなところです。それでは、次へ行きましょう」

リリは星野光を、様々な加工機械と作業台が並ぶエリアへ案内した。


「ここでは各種加工が行えます。武器パーツの組み立てや改造、服の染色、アイテム制作などですね」


「リリさん、そんなに詳しいんですか?」

星野光は感心して尋ねる。


「いえ……お恥ずかしい話ですが、私はあまり得意ではありません。服の修繕や、せいぜい武器の簡単な調整くらいです」

リリは顔をそむけ、少し照れたように言った。


「それでも十分すごいですよ」


「……こほん。とにかく、ここはこんな感じです。次へ行きましょう」

リリは強引に話題を切り上げたが、尻尾は先ほどより少し高く上がっていた。


「ふふ、猫飼ってるから分かるよ。尻尾が立ってるのは嬉しいってこと」

絢音は目を細め、得意げに言う。


:光ちゃん猫飼ってるの?

:へー猫ってそうなんだ

:勉強になる


「うん、猫飼ってるよ」

絢音は答えた。


リリは星野光を大きな扉の前へ連れて行く。


「こちらが倉庫です。左側が物資、右側が食料の保管エリアです」


扉を開け、簡単に説明する。


「保管したい物があれば、自由に使ってください。勝手に触ったりはしませんので」


「いえ、その点は心配していませんよ」


「そ、そうですか……」

リリは再び顔を背け、倉庫の中から食材を取り出した。


「そろそろ時間ですね。夕食を作りますが、何か苦手なものはありますか? それともご希望は?」


「特にありません。お任せします」


「では、こちらで決めて作りますね」


そう言って調理に向かおうとしたところで、


「あ、待ってください」


星野光がリリを呼び止めた。


「どうしました? やっぱり何かご希望が?」


「いえ。ここに住まわせてもらうお礼として、料理は私に任せてください」


「ですが……」


「こう見えても、私も料理人なんです」

星野光は腕を曲げ、誇らしげに言った。


「本当ですか!?」

リリは驚きつつも、食材を差し出した。

「それでは、お言葉に甘えて」


「任せてください」


「こちらです。厨房はこちらになります」

リリは星野光を厨房エリアへ案内した。

コンロ、オーブンなどの設備が一通り揃っている。


「わあ、素敵なキッチン」

料理もする絢音は、思わずテンションが上がる。


そしてふと考え、心の中で笑った。

(これ、瞳の理想のキッチンじゃない?)


調理はかなり簡略化されており、素材を入れると対応する料理名が表示され、確定を押すだけで完成する。


「よし、完成!」

星野光は皿を手に持つ。今回作ったのはオムライスだった。


「まあ、とても美味しそうですね」


「誰!?」

星野光が驚いて振り向くと、そこにはあの旅商人が立っていた。

リリは軽く一礼し、一歩下がる。


「またお会いしましたね、星野様。改めて、ご助力へのお礼です」

旅商人は箱を差し出す。


【料理人セット×1(外見固定可/他の外見に変更可能)】


「おお! 料理人の服!」

絢音は喜びながら表示を見て、ふと疑問に思った。

「……あれ? 主人公って自分が料理人だって言ってたっけ?」


「おや、失礼。自己紹介がまだでしたね」

旅商人はフードを外した。


「え、え……?」


絢音の声が震える。


旅商人の正体は、濃い紫のドレスをまとった長身の美女だった。

随所にあしらわれたレース、艶やかな黒髪と雪のように白い肌が、妖艶な美しさを放っている。

ぱちん、と扇子を開き口元を隠すと、そこにはクリーム色のサイベリアンキャットの正面のイラスト──

毎回ロゴに登場する、あの猫だった。


「ナイアです。ここでは……初めまして、でしょうか。お見知りおきを」


そして絢音は、ついに叫んだ。


「ナイアだあああああああ!」


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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