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予定は確定ースケジュール管理は基本ー  作者: 秋海棠
第七章 対立

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一撃かい

大変遅くなりました。。



 “予定”スキルで、モジンバル帝国兵側本陣への結界を張った翌朝、オリちゃんからうなされていると起こされた後、今日はまだ戦闘が起きていないと聞いた。

 ヒースさんが確認した限りでは近くに敵兵も居ないとオリちゃんが言っていた。


「今日は仕掛けて来ないのかな?」

「うーん、わかんない!」


 そりゃわからんよね。

 今は近くに居ないだけで、時間が経ったら攻めてくるかもしれないし、夜襲を仕掛けてくる場合もある。

 恐らく魔力を消費しているから、“予定”スキルの結界が張られていることは確かだけど、今敵陣で何が起きてどうなっているのかまでは知る事が出来ない。

 攻めてこないならそれに越した事はないから良いんだけどね。


 私が寝ている間にオリちゃん達は朝食を済ませ、いろいろ行動していたと聞いた。

 ナージンさんは砦の中での情報収集に出たまま、まだ戻ってきていない。

 ヒースさんは砦からモジンバル側に向かい、調査をして既に戻ってきている。

 オリちゃんは朝一救護室へ行きお手伝いをした後、私の様子を見にきたらうなされていたという事だ。

 

「ご、ごめん、寝過ごして……」

「ううん。だってトコ様昨日の夜大量に魔力を使ったでしょ? だから休んでて!」

「え、知ってたの?」

「うん、隣にいたからすぐわかったよ?」

「魔力感知? 凄いね、オリちゃん」

「そうかなぁ? 普通だよ?」


 昨夜入力した“予定”はその場で何かが現れたわけではないのに、魔力を感知できるのか。

 しかもその量までわかり、それを普通と言う七歳。

 スゲェとしか言えませんわ。

 いや、私がまだこの世界の普通を知らないだけで、他の人も普通に出来るのかもしれないな。

 ヒースさんに聞いてみよう。



「一般的にオリと同年の子供では出来ないな。オリが特殊なのだ」


 そう言ったのは、食堂で合流したヒースさん。

 やはりオリちゃんが特殊なのね。


「ですよねぇ」


 オリちゃんは、「皆んな出来たんだけどなぁ」とちょっと納得いってない感じだったけど、ヒースさんが、育った環境の違いだからと言えばそうなのかと何か考え始めていた。

 

「しかし、ユエはそんな量の魔力を何に使用したのだ?」

「あ、えっと……」

「……その言い淀み方は、後ろめたい事なのか?」

「いえ、成功しているとは思うんですが、確認しようがなくて……ちょっと場所を変えても良いですか?」


 流石に食堂でスキルの事は言えないから、元いた部屋に移動してから、ヒースさんに昨夜設定した内容を伝えた。


「……よもやその様な事まで出来てしまうとは……」

「トコ様のスキルは聞いた事ないスキルだね……でもやっぱり凄い! ファン様が御使様って言ってたもんね!」

「オ、オリちゃん、御使はやめてね……」


 久々聞いた御使って単語。

 忘れてたわ。

 オリちゃんにはまだ“予定”スキルの事は話してなかったんだった。


「やはりユエは神使だ。そろそろ自覚をした方が良い」

「能力が異常である事は自覚してます。でも、だからって私が神使って事では無いような……」

「その異常な力は神が直々に与えたものなのだろう? 他の召喚者にはない能力なのだろう? 終いには神々と会い会話をしたのだろう?」

「はい……」

「神使である事を広めろとは言わないし、新たな火種となる為広めるつもりもないが、自覚はするべきだ」

「はい……」


 ヒースさんがどんどん私の逃げ道を塞いで行く。

 そう言われたらそうなんだけどさ。

 ただ、容姿も学歴も職歴も凡庸な私が、いきなり神使だ御使だと言われたってさ、簡単に受け入れられないものでしょ。

 それこそ、召喚されたって事以上にさ。

 何か自分に秀でたものがあれば、自分は特別かも!って受け入れてたかもしれないけど、そう思えない悲しさ。

 自分に自信がないです。

 

 まあ、自覚したからって、セージュさんの事以外で神様方から何かしろと言われているわけでも無いから、何も変わらないかもしれない。

 もう開き直るか。

 神様方の手前、言動には気をつけたいと思います。


「モジンバル本陣の件はそれと無くナージン殿に聞いてみよう。私がメズラム兵と外へ出た際、砦近くには敵兵を確認出来なかったから、恐らく一度退いているとは思うが」

「暫く大人しくしてくれてたら良いんですが……」

「あまり楽観視は出来ないな。連絡が途絶えた際の指示などもされているだろうからな」


 そうだよね、連絡が取れなくても何かしら策を講じているものか、普通は。

 私の考えが及ばず楽観的に見てしまうのは、戦というものに関わってきていない証拠だ。


♢♢♢


「お待たせしました」


 そう言ってナージンさんが戻ってきたのは夕方前。

 かなり念入りに情報収集をしていたって事かな?


 私とオリちゃんの部屋に集合した私達四人。

 ベッドが二つ出したままではとても狭いので、一旦ストレージへベッド二つをしまい、ダイニングテーブルと椅子四脚を出した。


 ナージンさんにお疲れ様でしたと伝えて、四人分の飲み物とお茶菓子を出す。


「ユエさん……これは、食べ物ですか?」

「えっ、はい、お煎餅というものです」

「この透明なガサガサとしたものが食べられるのですか?」

「あっ! それは剥きます。こう」


 ナージンさんにお煎餅を出したのは初めてだったか。

 外のフィルムを見て何やらぶつぶつ言っているナージンさん。

 私には当たり前の個包装状のものだが、この世界にはまだない技術。

 念の為、私が元いた世界のもので、どうやって作るものなのかわからないですよと、先に釘を刺しておいた。

 この技術があれば長期保存が可能なものが増えるだろうけど、その技術を伝えられず申し訳ないわ。

 すると、何故それを今も持っているのかと聞かれたが、内緒ですとしか言えなかったよ。

 流石に【買い付け】アプリや“予定”スキルのキッチンの事までは言えない。

 それにしっかり個包装のフィルムは回収しておく。

 子供や動物が誤って食べたりしないために。

 

「ユエさんは本当に……。今はこれ以上は聞かずにおきます。はぁ」


 ため息をつかれてしまった。

 はい、すみません。


「話は変わりますが、やはりメズラム国からの物資の供給が滞っているようですな。かれこれ予定日より五日程。既に医療品が底を尽き始めているそうです」

「大事なところ……」

「原因は分かっていると?」

「大型の魔物が通りを塞いでいる為と」

「タイミングが良過ぎる。もちろん自然に現れたのかもしれないが、人為的である可能性も捨てきれない」

「どんな魔物? アタシ倒そうか?」


 オリちゃんがまた頼もしい。

 まだどんな魔物かも言ってないのに、倒す気満々感がヒシヒシと伝わってくるよ。

 ヒースさんはその魔物の発生が人為的だと感じてるようだが、そんな事簡単にできるのかな?

 オリちゃんみたいに魔物を召喚したって事? 


「キュクロープスだそうです。しかし、キュクロープスはこの辺りに出るような魔物ではありません。私もヒース殿と同意見ですな」

「キュクロープスって聞いた事ないなぁ。強い?」

「ええ、一つ目の巨人です。個体差も有りますが、その体高は裕に十メートルを超すとも言われておりますな。そして、怪力であり、大木をも薙ぎ倒すと」

「強いなら、アタシ見に行ってくる!」

「えっ!? オリちゃん待って! 恐らく退治するために人が派遣されてると思うんだけど……」

「それが、近くの街の冒険者ギルドへ依頼を出しているそうですが、戦争でこの依頼を受注出来る冒険者が出払っているらしく、未だ受注されていないと……」

「ええ……マジか」

「それならやっぱりアタシ行ってくるよ!」

「流石に一人で行かせられないから! 私も一緒に行きます!」


 キュクロープスと言う魔物を知らないが、何となくオリちゃんの方が強いような気はする。

 だからって、一人で行かせるという選択肢はない。

 もし、ヒースさんやナージンさんが言うように人為的に発生したものなら、倒してハイ終わりとならず、もっと強い魔物や、もしくは倒した後大量に魔物が現れる可能性もあるし。

 

 話し合いの結果、結局ヒースさんもナージンさんも付いてくるとなり、四人でグンちゃんに運んでもらう事になった。

 戦力的には過剰な気もするが、備えるに越した事はないしね。


 そして、現在のモジンバル敵陣に関しては情報は入ってきていないが、今も近くには敵兵を確認していないとの事だ。

 “予定”スキルの効果はわからなかったが、敵が近くにいないなら、今の内にキュクロープスを何とかして物資の確保を優先しようと、私たちの中で結論が出た。


 そんなこんなで、外は暗くなり始めているが、グンちゃんのお陰であっという間に上空からキュクロープスらしき魔物を確認する距離まできた。

 と言うか、高度を上げてすぐ見つけられた。

 

 確かに大きい。

 森の中なのに、生い茂った木の倍はあり、立っている状態だからか、遠くから居場所が分かるほどだ。

 魔物は現在、私たちには背を向けている。


「グンちゃん、あいつの真上に行ってくれる?」

「グルッ!」


 オリちゃんがグンちゃんに指示を出しつつ、いきなり籠の淵に立った。

 背中に大きな槍を背負って。


「え? オリちゃん?」

「オリ、下へ降りないのか?」

「うん! このままやっつけちゃう!」

「へっ!?」

「いっくよ〜!!」

「え、ちょ、オリち」


 オリちゃんは、スルスルとグンちゃんの足を伝い背に向かったと思ったら、「いっくよ〜」と言ったと同時に槍がものすごい勢いで真下にいるキュクロープスへ向かって行った。

 いや、向かっていったと言ったが、私はその槍を認識出来ていない。

 凄い風圧が真横を通り過ぎたと思ったら、ズドンッととんでもない音が響いたから、きっと投げたんだと思ったんだ。

 ちょっと下を見るのが怖い。


「ヒ、ヒースさん……ナージンさん……下、どうなってます?」

「……ユエさんは見ない方が良いですな」

「凄まじい……確かに見ない方が良いな。オリが味方で心底良かったと思う」

「……でも、私のアイテムボックスに……入れますよね?」

「「……」」

「一撃で仕留めたよ〜!」

「お、おかえり、お疲れ? オリちゃん……」


 その後、私がエグいキュクロープスの死骸を見て吐いたのは言うまでもない。

 これに慣れる事なんて無いだろうと思ったね。


 

ここまでお読みくださりありがとうございます!

評価、ブックマーク、良いね、とても励みになります!

なのに、更新が遅く申し訳ないです。。

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